タカタ株式会社、6月25日に定時株主総会を開催

エアバッグ問題でリコールの渦中にあるタカタ株式会社（本社：東京都港区、代表取締役会長兼社長：高田重久、以下、タカタ）は6月25日、東京都内で定時株主総会を開いた。

昨年の総会以来、初めて公の場に現れた高田重久会長兼社長は、「当社製インフレーターの不具合で、お亡くなりになられた方にお悔やみ申し上げるとともに、被害に遭われた方に心よりお見舞いを申し上げます。

また株主並びに関係企業各位におかれ、多大な迷惑をお掛けした事をお詫び致します」と謝罪の弁を述べた。

同社製のエアバッグは、一部の部品に欠陥があるとされ、全世界レベルでのリコール対応が求められている。

しかしこの度の株主総会では、リコール負担の影響等の重要項目について、明確な見通しを示すことが出来なかった。

今後の費用負担について高田会長兼社長は、「事故原因を鋭意調査中で、費用負担額を合理的に見積もることがまだ出来ません」と語り、また「関係当局や、自動車メーカー各社の要請に全面的に協力していきます。今後も引き続き、製品回収と再発防止、並びに信頼回復に努めます」と、今課題解決に対する決意を述べるにとどまった。

株主総会の出席数は約200人と過去最高。開催時間も2時間15分とこれまでで最長となった。

なお取締役会における事項として、平成27年３月31日を基準日とする剰余金の配当を無配とすることが決議され、6月26日付けで「剰余金の配当（無配）に関するお知らせ」が株主並びにステークスホルダー各位に対して伝えられている。

最後に同社の2015年３月期決算だが、リコール対策等で、およそ295億円の最終赤字となった。ただリコール対策に関わる費用で現段階に於いて計上しているものは950万台分・約800億円のみ。このため自己資本比率は39％から31％への低下で収まっている。

一方で、同社へのリコールに対する要求は、拡大し続けており、現段階でも数千万台レベルに達していると見込まれる。

ただ「インフレーターの生産工程の瑕疵」「車両への組み付け工程に於ける問題」「経年や外的環境による劣化要因」など、今リコール対応にあたっては、複数の要素が絡んでいるため、未だ自動車メーカー各車との負担割合が定まっていない。さらに原因究明が必要な「調査リコール」の対象範囲も、日本国内だけで２千万台を超えている。

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