ランチア(Lancia)は4月15日、本国に於いて記者会見を開き、その壇上で新生ブランド「Lancia」の旗揚げとなるコンセプトモデル「Pu+Ra(プーラ)HPE」を発表した。( 坂上 賢治 ) 続きを読む ランチア、新生ブランドの概念を「プーラHPE」に込める
「ニューモデル」カテゴリーアーカイブ
独VW、新型BEV「ID.2all」をワールドプレミア
独・フォルクスワーゲンブランドは3月16日の未明( 日本時間 )、手頃な価格と車体サイズを持つ新型BEVコンセプトのワールドプレミアの様子をオンライン配信した。( 坂上 賢治 )
新型車両は、フォルクスワーゲンブランドに於いてピュア電動車のDNAを受け継ぐ〝ID.2allコンセプト〟で、コンセプトという名を冠しているものの、その量産バージョンが早くも2025年中に発表される予定だ。
なお同車は、フォルクスワーゲンブランドが2026年までに発売する10台の新電気モデルの1つとなっている。
そのスタイリングは、先行して市場投入されたID.4よりもふくよかなカーブを持つ5ドアハッチバックボディを備えており、ボディを支えるプラットフォームはMEBエントリープラットフォームとなっている。
車格は、前後方向では標準仕様のゴルフよりも234mm短い全長4,050mm × 全幅1,812mm × 全高1,530mm × ホイールベース2,600mm。
搭載されるバッテリー容量についてはコンセプトモデルらしく明らかにされていないものの、航続距離の目標値はWLTPテストサイクルで最大450キロメートル。
DC急速充電ステーションでは、搭載バッテリーを20分で10~80パーセント充電出来るとしている。なお自宅または公共のAC充電ポイントで最大11kWで充電するオプションも提供される見込みだ。
気になる動力性能は、166kW / 226psを発生する電動モーターがフロントに搭載される。これによりゼロから時速100キロメートルまでの加速が7秒未満となっている。
想定車両価格は、フォルクスワーゲンブランドのBEVとしては初の25,000ユーロ未満のプライスタグが付くとされる。
この新型車両の発表についてフォルクスワーゲンの乗用車部門を担うトーマス・シェーファーCEO( 最高経営責任者 )は、「我々は、フォルクスワーゲンが世界のオーナードライバーに愛されるブランドにするという目標を掲げて事業構築を改めて組み立てている最中です。
そうした目的を踏まえて今日、ご披露した〝ID.2allコンセプト〟は、フォルクスワーゲンブランドを未来に向けて推し進めていくためのひとつの指針を示しています。
お客様にとってより手頃で、最高の技術と卓越したデザインを持つ電動モビリティ。 我々はこのコンセプトを大衆に受け入れて貰うためのBEV開発に邁進しています」と語った。
続いて登壇したのは、セールス・マーケティング、アフターセールスを担うブランド管理委員会メンバーのイメルダ・ラベ氏で、「私達はフォルクスワーゲンの典型的な美徳を、新たな価値の構築を目指す新型モビリティへと移し換えています。
それは最高のクラフトマンシップに支えられたハードウエア品質。これに優れたソフトウェアを組み合わせた新たなデジタル価値の提案です。その一端は、MEBエントリープラットフォームの新たな進化段階にも現れています」と説明。
これを受けたブランド管理委員会のメンバーのカイ・グルニッツ氏は、「ID.2allコンセプトは、電動モーターで前輪を駆動する初のMEB車になります。
同車はMEBエントリープラットフォームが実現した柔軟性の高さを活用しており、技術に裏打ちされた日常の使いやすさという面で新しい基準を打ち立てています。
強化されたMEBエントリープラットフォームでは、効率的な駆動効率を支えるバッテリー配置とリファインされた充電技術を搭載しています。併せてID.2allコンセプトではデザインにも力を注力しています」と述べた。
車両デザインについて乗用車部門のデザイントップを務めるアンドレアス・ミント氏は、「同車は、安定性、好感度、興奮の3つの柱に基づく新しいデザイン言語で組み立てられています。
特に強調したいのはかつて初代ゴルフのために開発されたCピラー デザインの踏襲です。ID.2allコンセプトは、このシグネチャーを新たに解釈したIDシリーズ最初のフォルクスワーゲンです。
更にその他のデザイン上の特徴では、4輪が踏ん張ったような力強いスタンスを持つボディフォルム、親しみやすい顔、時代を超越したエレガントな印象にあります。
インテリアでは、フォルクスワーゲンのブランドイメージを踏襲したボリュームコントロールを備えたインフォテインメントシステム。すっきりさと高品質さを保つ印象。また独立したエアコンブロックなどが目を惹く事と思います。
機能面でも妥協は無く、収納容量は490~1,330リットル( 後席は40対60の分割式、助手席のバックレストも倒すと2.20メートルの長尺が確保される )で、トランクの床下は長方形の収納ボックスがあり、後部座席の下にも容量50リットル の別の収納エリアがあるなど、上位クラスの車両を凌駕する余裕のある空間が確保されています」と説明した。
なおロングホイールベースのIDバズ、ID.7サルーンなどに続いて2026年には新たなコンパクトな電動SUVが登場する予定としており、更に20,000ユーロ未満の電動車の開発にも精力に取り組んでいるとした。
これにより同社は、競合他社に対して最も幅広いラインナップの電動車を揃えるメーカーとなり、これらによって欧州圏の電動車のシェアの8割を手中にする計画を推し進めると結んだ。
シボレーコルベット、生誕70年の節目に電動AWD車を披露
シボレーは米国・東海岸時の1月17日、NYモトラマショーでデビューしたコルベットが70周年を迎えた今年、6.2リッターLT2スモールブロックV8エンジンに電動AWDシステムを組みあわせた史上初のモデル「コルベットE-Ray」の2024年型モデルを発表した。(坂上 賢治)
トヨタ、中国でbZシリーズ第2弾を発表
一汽トヨタ、BYDとの連携でシリーズ初・セダンタイプのバッテリーEVを発表へ
トヨタ自動車は10月24日、bZシリーズの第2弾となるTOYOTA bZ3を発表した。このシリーズ第2段にあたるモデルは、トヨタと比亜迪股份有限公司(BYD)が合弁で設立したBYDトヨタEVテクノロジーカンパニー有限会社( BTET )と、一汽トヨタ自動車有限会社( 一汽トヨタ )が共同で開発。セダンタイプのBEVとして一汽トヨタが生産・販売する。( 坂上 賢治 )
そのクルマづくりでは、BYDのリチウムイオンLFP電池( リン酸鉄リチウムを使用 )をベースに、トヨタがHEV開発で蓄積してきた電動化技術・冷却システム・制御システムなどの安全監視機能を融合。より安心・安全な製品づくりを目指したという。
この結果、最長航続距離は600キロメートルを超え、電池の耐久性についても10年後でも90%の容量を維持する事を開発目標に蓄電池そのものの劣化抑制も磨いた。
トヨタは、このbZ3を世に送り出す事を契機に国際連携を加速させ、今後は、シリーズ初代モデルbZ4X開発で獲得した知見を糧に、より競争力あるクルマづくりを目指す構えを見せている。
bZ3で電・動・車の3つの角度から「新しい自由」「新しい体験」を提供する
トヨタは、このbZ3の開発・発売の経緯について「当社は、自動車メーカーとして80年以上の歴史を持ち、世界で初めてハイブリッド車の量産を実現。電動車の累計販売台数は世界規模で2,000万台を超えています。
その結果、〝先進的な電動化技術〟〝安全性・信頼性・高品質〟及び〝Fun To Drive〟などを強みに全世界のお客様にご愛顧頂いています。その信頼を背景とした遺伝子は、このbZ3にも受け継がれています。
一方、BYDは1995年に電池事業で発足して以来、電動車や電池を含む新エネ分野で包括ソリューションを提供する企業へと成長を続けています。同社は電動化技術で業界トップレベルの企業であり、bZ3に安全で信頼性の高い電池技術を提供しています。
そんな今回のbZ3は、トヨタとBYDが合弁で設立した電動車技術会社BTETと一汽トヨタの3社連携で開発。トヨタのデザイン、生産、技術、品質管理等の分野から100名以上のエンジニアが参画する体制下でご提供します。
これらの3社が〝開発体制〟〝クルマづくり〟〝電池技術〟について、それぞれ学びあい、強みを融合し開発を行い誕生したbZ3は、これまでにない新しい価値と体験を提供出来るBEVに仕上がっています」と述べている。
TOYOTA bZ3主要諸元
全長: 4,725mm
全幅: 1,835mm
全高: 1,475mm
ホイールベース: 2,880mm
Cd値: 0.218
乗車人数: 5
F1GP、レッドブルのフェルスタッペンが王座を連覇
2022のF1GP、最終戦を待たずにフェルスタッペン選手が王座を連覇
2022年のFIAフォーミュラ・ワン世界選手権、第18戦日本GP( 開催地:三重県鈴鹿市、開催期間:10月7~9日 )の決勝レースが10月9日( 日曜日 )に1周5.807kmの鈴鹿サーキットを53周する規定で行われた。同レースでオラクル・レッドブル・レーシングチームのマックス・フェルスタッペン選手( オランダ )が優勝。これにより2022年のドライバーズ選手権の王座を獲得( 2年連続 )した。( 坂上 賢治 )
2位はセルジオ・ペレス選手( レッドブル/メキシコ )、3位はシャルル・ルクレール選手( フェラーリ/フランス )が続き、角田裕毅選手( アルファタウリ/日本 )は善戦したもののタイヤ交換のタイミングを逸してトップ集団には絡めず13位に終わった。 続きを読む F1GP、レッドブルのフェルスタッペンが王座を連覇
ソニー・ホンダモビリティ設立発表のライブ中継が決まる
先の6月、〝高付加価値を持つEV販売〟と〝モビリティ向けサービスの提供〟を担う新会社の設立に係る合弁契約書を締結した「ソニー・ホンダモビリティ株式会社( Sony Honda Mobility Inc. )」は来たる10月13日、新会社設立発表会を介して経営の方向性について説明するべくYouTube上でライブ中継を行う。( 坂上 賢治 ) 続きを読む ソニー・ホンダモビリティ設立発表のライブ中継が決まる
SKYグループ、ブガッティW16ミストラルの予約販売を開始
「ブガッティ東京( BUGATTI TOKYO )」から世界限定99台を予約販売へ
スカイグループ( SKY GROUP )は9月9日、自社傘下拠点の「ブガッティ東京( BUGATTI TOKYO )」で世界限定99台の「ブガッティW16ミストラル( Bugatti W16 Mistral )」の予約販売を開始した。( 坂上 賢治 )
ホンダ、新型シビック タイプRを発売
本田技研工業は9月1日、新型「CIVIC TYPE R(シビック タイプアール)」を翌9月2日(金)に発売すると発表した。( 坂上 賢治 )
新型CIVIC TYPE R 製品サイトは、https://www.honda.co.jp/CIVICTYPE-R/
新型シビック タイプRは、同社がスポーツモデルとして仕立てたゆえの純粋な「速さ」と、官能に響く「ドライビングプレジャー」が両立する究極のピュアスポーツ性能を目指した。
例えばパワーユニットでは、VTEC TURBOエンジンを磨き上げる事で出力とトルクの向上を実現。これに併せて運転に夢中になる事が出来る様な操舵や、シフトフィールでのダイレクト感と質を追求。
更にタイプR専用のデータロガー「Honda LogR(ホンダ ログアール)」を介して車両の運動情報をリアルタイムに伝えるなどで新たなドライビングプレジャーの提供も目指すという。
車両概要で、まずエクステリアでは、ローアンドワイドを強調したデザインとした。勿論クルマとしての機能も研ぎ澄まし、冷却性能向上を求め、グリル開口部を拡大すると共に、サイドシルガーニッシュやリアスポイラーなどで空力特性を支えた。
対してインテリアでは、車両に乗り込む際の高揚感を醸成するべく、赤と黒を用いたハイコントラスト表現を多用した。またサーキットでの限界走行時でも運転に集中できるよう、直感認知性を向上させたノイズレスな視界を追求しつつ、反射を抑えた偏光ガンメタリック塗装を採用したインストルメントパネルとしている。
以下、各部機能毎の説明は以下の通り
・先代モデルの2.0L VTEC TURBOエンジンの骨格をベースに、ターボチャージャーの刷新などにより、最高出力243kW、最大トルク420N・mへと向上させた。
・冷却性能向上のためにフロントグリル開口面積を大きくし、ラジエーターの有効開口面積を48%拡大させた。またグリル開口部から取り込んだフレッシュエアを、コアサイズとファン能力を向上させたラジエーターに効率良く通した上で、ボンネットに設けたフードベントから排出するエアフロ―レイアウトとする事で、排熱と空力性能を向上させた。
・旋回性能を高め、車両パフォーマンスをより向上させるため、ミシュランとTYPE R専用のチューニングタイヤを共同開発。タイヤ幅を265mmまで拡げた上で、ミシュランの独自技術による特性の異なるトレッドコンパウンドを組み合わせる事で、ウエット性能や耐摩耗性能を維持したまま優れたドライグリップ性能を実現した。
・ホイールは、通常に対してインナーとアウターのリム形状を反転させた「リバースリム構造」を採用。ホイールイン側の歪みを低減し、旋回Gや加減速時にタイヤ内側の接地圧を安定させる事で、更なる接地性向上を目指した。
・ペダル操作で足裏に吸いつくようなアクセルワークを追求するため、エンジンECUの駆動力制御マップを設定。これによりクセルペダル開度に対しエンジンレスポンスを向上させ、トルクも早期に立ち上がるようにしてアクセル操作に対する駆動力応答性を高めた。
・骨格は、シビックのシャシーをベースに足まわりの支持剛性を高めた。足元を固める4輪独立電子制御ダンパーのアダプティブ・ダンパー・システムの制御は、車体のモーションとタイヤ4輪の接地性を連携してコントロールするロール・ピッチ制御とし、荒れた路面でも一体感のあるハンドリングを実現した。
・シフトレバー構造は新設計とし、ダイレクト感と節度感を向上させた。またトランスミッション内部のシフトリンク機構の最適化や、シフトゲートのストレート部分を延長する事で5速から4速などの斜めシフト時のスムーズ感を向上させた。
・なおシフトフィールの進化に合わせてクラッチのフライホイールを軽量化しレスポンスの向上も実現させた。エンジンサウンドは、回転上昇時の中周波音を増強し迫力ある排気原音とした。
サイレンサーの中央配管には、アクティブ・エキゾーストバルブ機構を新たに採用してエンジン回転数に応じて最適なバルブ開度にしていく事で、迫力ある排気サウンドを実現した。
・サーキットでも安定したブレーキフィールを実現するために、2ピースディスクブレーキシステムを先代モデルから継承。マスターパワーの特性を変更し、低速から高速に至るコントロール性の向上を追求した。またブレーキへの導風効率を高めたことで安定したブレーキ効力と耐フェード性を実現した。
・エンジンの水温・油温など車両自体の情報に加え、ステアリング舵角やブレーキ圧、アクセル開度、ヨーレートなど、運転操作やそれに伴う車両の状態に関する情報をインパネに表示。これまで知る事の出来なかった車両情報を表示する事でスキルの向上に貢献する。
・スマートフォンにインストールしたHonda LogRアプリでも、走行データをいつでも確認する事が出来るようにした。またHonda LogRアプリで走行動画を撮影すると、走行データと同期させた1つの動画を作成してSNSなどでシェアする事も出来る。
最後に希望小売価格は4,997,300円。乗車定員は4名。エンジンは2.0L VTEC TURBOに6速マニュアルトランスミッションを組み合わせた。ボディカラーは、チャンピオンシップホワイト、ソニックグレー・パール (消費税10%抜き38,500円高)、クリスタルブラック・パール、フレームレッド、レーシングブルー・パール。販売計画台数(月間)400台。車両の生産工場は埼玉製作所・完成車工場となる見込み。
ステランティス、マッスルカーらしさ満載のBEVを初公開
ステランティスの傘下ブランド「ダッジ( Dodge/1914年創設のダッジ・ブラザーズ由来 )」は米国東部時間の8月17日、ミシガン州ポンティアックで行われたファン向けイベント〝ダッジ・スピードウィーク〟の3日目に4座席( 後席を折りたたむ事でラゲッジルームを確保する )クーペスタイルの電動マッスルカー「ダッジ ・チャージャー・デイトナSRTコンセプト( Dodge Charger Daytona SRT Concept )」を初披露した。(坂上 賢治)
退屈過ぎる既存の電気自動車像を破壊する独創的個性
ダッジ は、今から56年前の1966年に〝初代チャージャー〟を誕生させて以降、永きに亘って米国内に於いて、随一のマッスルカーブランドとして孤高の地位を築いてきた。
そんな同ブランドで、初のBEV( 二次電池式電気自動車 )が〝ダッジ ・チャージャー・デイトナSRTコンセプト〟と命名されたのは偶然ではない。この新型車には、1970年のストックカーレース「NASCAR」で、時速200マイルを突破を記した同名モデルに匹敵する破壊的実力を詰め込んだとダッジでも謳っている。
この新たなダッジ製BEVは、既存の〝スマートだが退屈過ぎる〟電気自動車像を破壊して、誰もが見た事も、乗った事も無い、全く新しいBEVの姿を提案する。
そんな同車に搭載された電動パワーユニットは、新開発の4WD・800Vユニット( 最大 350kW の急速充電をサポート )であり、かつてのSRTヘルキャットエンジン( V型8気筒OHVスーパーチャージャー )を大きく凌駕する動力性能を持つという。
マッスルカー独特のレトロ感とモダンな走りを両立
ちなみに一般的なBEVは大抵、無音で走るものだが同車はそれらとは全く異なる。その様子はダッジらしい走り、ダッジらしい迫力で、退屈ではない未来のBEVを示唆させるものとなっている。
そんなダッジ ・チャージャー・デイトナSRTコンセプトのエキゾースト音はなんと126dBに到達。内燃エンジンのヘルキャットに勝るとも劣らない押し出し感を運転するドライバーのみならず、周囲へも伝える。
実はこのサウンド、ダッジで新開発された〝フラッツォニック・チャンバード・エキゾースト( Fratzonic Chambered Exhaust )〟によって生成される合成音だ。その構造は、車両車後部に搭載したアンプとチューニング・チャンバーを介して独自のサウンドを造り出す〝EV界初のシステム〟だとしている。
またワイドで盛り上がったリアフェンダー、ノッチバックのルーフラインなど、マッスルカーの遺産をシッカリ受け継ぐエクステリアは、イルミネーション付きのフロントグリのルレトロ感と相まって絶妙にダッジらしさを醸し出す。
未来のマッスルカーが〝どんなもの〟なのか
一方で、格納式ドアハンドルなどエアロダイナミズム理論に裏打ちされた現代車らしい空力特性も備える。同じく時代に相応しく搭載される灯火類はフルLEDであり、足元には21インチのセンターロックホイール( フロントタイヤ305mm、リアタイヤ325mm )に対抗6ピストン・ブレーキが奢られる。
対してインテリアデザインは、湾曲した16インチのインストルメントクラスターと、ほぼ10度の角度を持つ12.3インチのセンタースクリーンがドライバーを取り囲む様に配置され、ドライバー中心の没入感を提供する。また8.3インチのヘッドアップ ディスプレイ( HUD )にはドライバーが必要とする車両情報を刻々と表示する。
ステアリングホイールは上下がフラット形状の新デザイン。ステアリングホイールのプッシュ・トゥ・パス・ボタンを押すだけでディスプレイ上の演出が変化。更に2速式の変速システムも備えており、一時的に出力を高める〝パワーショット〟機能を駆使する事によって、ドライバーに未来のマッスルカーらしさとは〝どんなもの〟かを教えてくれる。
アキュラ、プレシジョンEVコンセプトを米モントレーで披露
本田技研工業傘下の米国現地法人アメリカン・ホンダモーター(本社:カリフォルニア州トーランス、社長:貝原 典也、アキュラ<Acura>ブランド)は、米国カリフォルニア州ぺブルビーチ開かれるペブルビーチ・コンクール・デレガンス(開催8月21日)の会場で、プレミアム電動車のショーカー「プレシジョンEVコンセプト(Acura Precision EV Concept)」を公に世界初披露すると日本時間の8月19日に発表した。(坂上 賢治)
このモントレーカーウィーク(Monterey Car Week)は、毎年8月にカリフォルニア州モントレー郡のモントレー半島で行われる全米注目の自動車イベントのひとつ。全米からの来訪のみならず、世界から自動車愛好家とモータースポーツファンが集結する。
2022年の開催スケジュール進行では、キックオフが8月12日の金曜日。以降、プレレユニオンを経て、8月21日・日曜日のペブルビーチコンクールデレガンス、同レトロオート迄10日間に亘るカーウィークイベントが続く。
同イベントに於いてアキュラは、イタリア製のラグジュアリーパワーボートからインスピレーションを得て、電動車としてのパフォーマンス能力に重点を置いた車両を提案するのだと言う。
アキュラでエグゼクティブ・デザイン・ディレクターを務めるデイブ・マレック氏は同車について「アキュラプレシジョンEVコンセプトは、これまでのデザイン言語を更に進化させた造形であり、電動化時代の未来を指し示す不動の北極星のようなものです。
その表現方法は例えば、イタリア製パワーボートの造形にインスパイアされた〝流麗で特徴的なフォルム〟、EVらしく開口部がないノーズ部に〝LEDで光る新しいダイヤモンド・ペンタゴン・グリル〟、鋭角でシャープな形状のデイタイムランニングライトや〝パーティクル・グリッチ〟独特の抽象的なパターンを前後の造形やホイールにも配しています。
またカリフォルニアの強い日差しに合わせて最適化されたマット塗装の〝ダブル・エイペックス・ブルー〟という名称の鮮やかな特別塗装を纏っています」と語った。
ちなみにインテリアでは、フォーミュラ1レースカーのコックピットに着想を得た低めのドライビング ポジションと2グリップヨークスタイルのステアリングホイール、赤いアンビエント ライトとパイプライトなど、ドライバーの感覚を刺激する没入型体験コンセプトが盛り込まれた。
一方、スピリチュアルラウンジモードに切り替えると、ステアリングホイールが格納されて心地良い香りと安らかな「水中アニメーションプロジェクション」で温かく落ち着いたイメージに変わりドライバーはリラックスした室内空間が愉しめると言う。
なおプレシジョンEVコンセプトを初披露した日、2024年中に北米で発売を予定しているブランド初のEV量販モデルの名称が「Acura ZDX(ズィーディーエックス)」となる事も発表された。
このAcura ZDXは、今回披露したプレシジョンEVコンセプトのデザインを具現化する最初のモデルとなるだけでなく、GM(ゼネラルモーターズ)のアルティウムバッテリーを搭載したGMとの共同開発モデルとなり、TypeS(タイプエス)も設定されると言う。
メガウェブ、BEV戦略発表車群を12月20日まで展示中
トヨタの「MEGA WEB」22年の足跡を残して閉館
トヨタ自動車が東京・お台場に体験型テーマパーク「MEGA WEB」(メガウェブ)を開設して22年、その使命を終え、この12月末に幕を閉じる。併せて森ビルを中心に事業展開してきた複合施設パレットタウンの中核を担う施設だった商業施設(ヴィーナスフォート)や、ライブハウス(Zepp Tokyo)、大観覧車などの営業も順次終える。
施設の跡地には、トヨタグループ会社の東和不動産が手掛ける大型複合アリーナ(2025年6月竣工予定)が建設される。また御殿場には、来秋開業予定で富士モータースポーツミュージアム(富士スピードウェイホテル併設)が始動するなど、メガウェブが紡いできた夢は形を変え、これらの施設に引き継がれていく。(佃モビリティ総研・間宮 潔)
メガウェブの運営会社「アムラックストヨタ」の田中均社長 続きを読む メガウェブ、BEV戦略発表車群を12月20日まで展示中
三菱自動車、新型アウトランダーを4月から北米で発売
三菱自動車工業株式会社(本社:東京都港区、代表執行役CEO:加藤 隆雄、以下三菱自動車)は2月17日、同社のクロスオーバーSUVの旗艦モデル〝アウトランダー〟をフルモデルチェンジして4月から米国・カナダ・プエルトリコで発売する。
出光興産とタジマモーター、超小型EVの新会社設立会見を開く
新会社の出光タジマEVは、年間100万台の潜在需要に相当する新モビリティ市場の開拓を目指す
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:木藤俊一、以下、出光興産)と、株式会社タジマモーターコーポレーション(本社:東京都中野区、代表取締役会長:田 嶋伸博、以下、タジマモーター)は2月16日に「株式会社出光タジマEV」(代表者:田嶋 伸博)の設立会見を開いた。(坂上 賢治)
日産、GT-R50 by Italdesignテスト車をNISSAN CROSSINGに展示
日産自動車(本社:神奈川県横浜市西区、社長:内田 誠)は1月12日、ニッサンブランドのグローバル発信拠点「ニッサン クロッシング(NISSAN CROSSING)」にイタルデザインとの初共同開発車となった「Nissan GT-R50 by Italdesign(日産GT-R50 by イタルデザイン)」のテスト車両を3月31日迄の期間限定で展示している。
トヨタ自動車、進化したe-Paletteをオンライン公開
実用化に対応し、運行管理システムに新たにAMMSとe-TAPを開発、追加し、運用
トヨタ自動車は12月22日、未来のモビリティサービス専用EV(電気自動車)である「e-Palette(イーパレット)」の進化型をオンラインで公開した。運行管理システムに新機能を開発・追加し、実際に羽田イノベーションシティ内で運用した実証実験の映像を紹介。実用化に一歩近づいた近未来のモビリティサービスの姿を披露した。(佃モビリティ総研・松下次男)
2021年1月1日付でCISO(最高情報セキュリティ責任者)、CSO(最高ソフトウェア責任者)を兼務する山本圭司コネクテッドカンパニー・プレジデントはオンライン発表会で進化型イーパレットは2021年夏の東京オリンピック/パラリンピックの選手村で「最初に実用化する」と述べた。
引き続き静岡県裾野市に建設する実験都市「Woven City(ウーブンシティ)」で運用、進化に取り組むとともに、複数のエリア・地域で2020年代前半に商用化を目指す。山本プレジデントはすでに複数の自治体と話し合いを始めているという。
進化したイーパレットは運行管理ステム「モビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)」の新たな機能として、クルマとつながるAMMS(オートノマス・モビリティ・マネジメントシステム)、ヒトとつながるe-TAP(イーパレット・タスク・アサイメント・プラットフォーム)を開発、追加することにより実用化に前進した。
イーパレットは2018年1月のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で豊田章男社長がコンセプトを発表。また、イーパレットなどを活用したモビリティサービスを展開するプラットフォームMSPFを合わせて公表した。
さらに2020年1月のCESで、こうしたモビリティを走らせ、新しいモビリティ社会を提案する実験都市としてウーブンシティを豊田社長が発表した。ウーブンシティは2021年2月23日に鍬入れ式を行い、いよいよ建設が始まる。
ウーブンシティは「未完成の街、実験の街」と位置付けて、常に進化を目指すエリア。人を中心に据え、自動運転、MaaS、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能(AI)技術などを導入、実験する。
2021年夏の東京オリンピック/パラリンピックの選手村で最初に実用化
イーパレットは当初、2020年夏の東京オリンピック/パラリンピックで運用、披露する予定だった。それがコロナ禍で機会を喪失。しかし、開発は進めていたとし、延期となった21年のオリンピックで改めて選手や関係者の移動手段に活用する。
また、コロナ禍で人々の生活様式も大きく変化した。山本プレジデントは「人と接触せずに移動する。また、人が移動するのではなく、人やモノが来ることが求められる」ようになったと述べ、モビリティに新たな条件が加わったと強調。
そこで期待されているモビリティサービスは「必要な時に必要な場所へ時間通りに行ける」「必要な時に、必要なサービスやモノが時間どおりに提供される」ことだとし、言い換えれば「ジャスト・イン・タイムのモビリティサービスだ」との見方を示した。
まさにトヨタ生産方式(TPS)をモビリティサービスで実現するもので、進化したMSPFにはこうしたTPSの考え方を織り込んだという。
運行のベースとなるMSPFはイーパレットが提供する様々なサービスを支える仕組み、技術である。新機能のAMMSは「必要な時に、必要な場所へ、必要な台数だけ」イーパレットを配車する。これにより、リアルタイムの移動ニーズに基づき運行計画をフレキシブルに変更、車両を自動で投入、回収する。
e-TAPは、TPSにおける“自働化”の考えに基づき「目で見る管理」を実現する。車両やスタッフの「異常の見える化」により、車両を一人一台監視するのではなく、一人で複数台管理でき、限られたスタッフでの運行が可能になる。
山本プレジデントは「イーパレットをウーブンシティで運行する。人々が住むリアルな環境のもとで走らせることにより、より安全・安心・快適なサービスが提供できるよう進化を続ける」と述べた。
取材・執筆:松下次男
1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。
米トヨタ、新型MIRAIのFCユニット搭載の大型トラックを公開
トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田 章男)傘下のトヨタ・ノース・アメリカ(Toyota Motor North America/以下、TMNA)は12月11日未明(米国時間 : 12月10日)、燃料電池大型商用トラック(以下、FC大型商用トラック)の最新プロトタイプを米国内に於いて初公開した。(坂上 賢治) 続きを読む 米トヨタ、新型MIRAIのFCユニット搭載の大型トラックを公開
新型MIRAI、元町工場・混合品種組立ラインでの生産開始
トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田 章男)は12月9日、実態としては既に公表済みだった新型FCV(燃料電池自動車)「MIRAI(ミライ)」のフルモデルチェンジをようやく公式発表(6年振りの刷新となる)した。併せて同日の12月9日よりトヨタの車両販売店を通じて販売を開始すると発表した。(坂上 賢治)
三菱自動車工業、新型エクリプスクロスをオンライン会見で発表
7月発表の中期経営計画で掲げた環境製品強化の第1弾
三菱自動車は12月4日、クロスオーバーSUV「エクリプス クロス」のデザインを一新するとともに、新たにPHV(プラグインハイブリッド)モデルを設定し、同日から発売したと発表した。同車は7月に発表した中期経営計画に盛り込んだ環境技術を生かした商品強化策の第1弾となり、三菱自動車の再建を担う重要なモデルに位置づけるものだ。(佃モビリティ総研・松下次男)
ホンダ、自動運転レベル3の型式指定を国交省から取得
本田技研工業(本社:東京都港区、社長:八郷隆弘、以下ホンダ)は11月11日、予てより国土交通省に対して申請していたレベル3の自動運行機能を備えた車両の型式指定を取得した。(坂上 賢治)
ボルボトラックス、EVトラックのフルラインメーカーに
スウェーデン・イエテボリに本拠を置くABボルボ傘下のボルボトラックスは11月5日、来る2021年に欧州市場に向け大型電気トラックを発売。生産面に於いても翌2022年から量産体制に入ると宣言した。(坂上 賢治)