パワー半導体デバイスとしての技術確立と次世代モビリティへの搭載を目指す
本田技研工業( ホンダ / 本社:東京都港区、取締役代表執行役社長:三部敏宏 )の研究開発子会社・本田技術研究所は、産総研グループの国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)およびAIST Solutionsと、ダイヤモンド半導体の研究開発の強化に向け、「Honda R&D-産総研ダイヤモンド×エレクトロニクス連携研究室」を設立した。
*写真は設立式に臨む本田技術研究所 大津 代表取締役社長(左から4人目)、 産総研 小原 副理事長(右から4人目)、AIST Solutions 逢󠄀坂 代表取締役社長(右から3人目)ら関係者
同研究室は、産総研が推進する企業名を冠した連携研究室「通称「冠ラボ(企業の名称を冠した連携研究室を指す)」の一つであり、パワー半導体デバイスの材料として注目されるダイヤモンド半導体について、共同研究および将来の実用化に向けた開発を進めていく。
この取り組みに際してホンダでは、主に駆動系を制御し、高電圧や大電流を制御・変換するパワー半導体の省電力性と耐久性を兼ね備えた新たな技術の開発が不可欠であるとした。
なかでも、人工的に作られた合成ダイヤモンドを基材として使用する「ダイヤモンド半導体」は、低消費電力に必要な高耐圧特性や高周波特性に優れ、高温・高放射線耐性などの要素も持ち合わせており、究極のパワー半導体の有力候補であるという。
そうして経緯でホンダは、ダイヤモンド半導体の特性に着目し、ダイヤモンド半導体の豊富な研究実績を持つ産総研と2023年より自動車の駆動に向けた高電圧・大電流対応ダイヤモンドパワーデバイスに関する共同研究を進めてきた。
そこでこれからは、産総研の次世代パワー半導体の中核的な研究拠点であるつくばセンター内に〝Honda R&D-産総研ダイヤモンド×エレクトロニクス連携研究室を設立し、ダイヤモンド半導体の基板技術からデバイス化技術までの研究、次世代電子デバイスの実用化に向けた共同研究を進めていく。
また、イノベーション連携拠点としても活用し、材料や製造など関連領域におけるパートナー連携や、社外の多様な技術・アイデアの活用も見据えた多角的な取り組みも実施していくとしている。
同取り組みに際し本田技術研究所 代表取締役社長 大津 啓司(おおつ けいじ)氏は、「今回の連携研究室の設立は、産総研の豊富な研究実績と充実した研究環境を生かし、ダイヤモンド半導体の研究をこれまで以上に加速させる重要な一歩になると考えています。
本取り組みは、Hondaが目指すモビリティの価値を進化させると同時に、将来の電力消費に関する課題の解決にも寄与するものであり、自由な移動の喜びと持続可能な社会の両立に向けた取り組みを、一層強化していきます」と述べた。
また一方で国立研究開発法人産業技術総合研究所 副理事長 小原 春彦(おばら はるひこ)氏は、「時代を先取りした研究で社会課題の解決を目指すHondaとともに将来価値創造の芽となる技術の社会実装に挑戦させていただくことは、大変大きな喜びです。
産総研が蓄積してきたダイヤモンド基盤技術が花開き、国内関連機関と連携してイノベーション・エコシステムの中核として発展していけるよう、産総研グループ一丸となって取り組みます」と語っている
また更にAIST Solutions代表取締役社長 逢󠄀坂 清治(おおさか せいじ)氏は、「トップ企業の1つとして、自動車産業を牽引するHondaとパートナーとなれたことを、大変うれしく思います。
冠ラボ設置において、AIST Solutionsは研究テーマの検討からコーディネートさせていただきました。今後、Hondaの事業成長につながるコア技術の早期創出とイノベーション連携拠点の発展に向けて、引き続き伴走してまいります」と結んでいる。
研究室の概要
名称: Honda R&D-産総研ダイヤモンド×エレクトロニクス連携研究室
設立日: 2026年2月1日
場所: 産業技術総合研究所 つくばセンター、関西センター
研究体制: 連携研究室長 松村 定晴(株式会社本田技術研究所)
公式ウェブサイト:
https://www.aist.go.jp/aist_j/information/organization/kammuri_lab/index.html![]()
国立研究開発法人産業技術総合研究所 概要
「社会課題の解決」と「我が国の産業競争力強化」を目的に、経済および社会の発展に資する科学技術の研究開発などを総合的に行う日本最大級の公的研究機関
所在地(東京本部):東京都千代田区霞が関1丁目3番1号
研究拠点:つくば、関西ほか国内12カ所
理事長:石村 和彦(いしむら かずひこ)
創立:2001年