ヤマハ発動機、2026年のモータースポーツ活動体制を発表

ヤマハ発動機( 本社:静岡県磐田市、代表取締役社長:設楽元文 )は2月10日、2026年のモータースポーツ活動体制と主要チームの布陣、ライダープロフィールなどを発表した。

それによると今季の布陣も、1955年に自社第一作製品の「YA1」が国内最大の二輪レースの富士登山レースで優勝した時の気持ちを忘れず、常に「挑戦するこころ」を抱きつつ、「ブランディング」「技術のフィードバック」「普及活動」という3つモータースポーツ活動の基本方針を背景に取り組む。

またこれに併せて今季は組織変更を実施、モータースポーツの企画管理機能を持った「MS価値創造部」を新設するなど、モータースポーツ活動を通じてステークホルダーへの価値創造を還元していく体制を構築していく。

中でも最も力を入れるのはMotoGP世界選手権での活動となる。

ちなみに昨年2024年には「変革」を掲げ、グローバルな人材登用、開発体制やシステムの変更など新しい組織を整えた。

これを踏まえて2025年と続き今季も、「Monster Energy Yamaha MotoGP」と「Prima Pramac Yamaha MotoGP」のダブルファクトリー体制とする。

また今季は「実行」のシーズンとしてMotoGPマシン「YZR-M1」には、直列4気筒エンジンとV型4気筒エンジンの同時開発にチャレンジしてきた昨年まで取り組みを前提に、「YZR-M1」のエンジンをV型4気筒に完全移行していくことを決断。

より具体的には、4名のライダーと共に V型4気筒エンジン搭載マシンを発展させ勝利を目指しながら、2027年のレギュレーション変更に向けたプロトタイプの開発を並行して進める。

また、こうした一連の開発活動の中で、組織の強化や人材育成はもとより、エンジン、車体、制御、空力といった技術と、これらを高い品質で生み出す製造・生産技術など、さまざまな領域で新しい価値を生み出していく年を目指す。

一方、Moto2世界選手権を戦う「BLU CRU Pramac Yamaha Moto2」の活動は、今年で2年目を迎える。

そもそも同チームは、ロードレースの最高峰を目標とする世界中の若手ヤマハライダーが目指す場所であり、契約ライダーはMotoGPライダーに必要な心技体を培う場所となっている。

従って今年も若き2名のライダーが参戦。その成長をPramacと協力しながらサポートしていく。

プロダクションレースについては、スーパーバイク世界選手権、世界耐久選手権、モトクロス世界選手権MXGP/MX2、北米のAMAスーパークロス/モトクロス、MotoAmerica AMA/FIM北米ロードレース選手権に参戦する。

これらのチームは欧米のグループ会社が主導し、商品であるYZF-Rシリーズ、YZシリーズを世界トップレベルのライダーに託し、チャンピオンを目指す。

舞台を転じて日本国内では、昨年に続きロードレース、モトクロス、トライアルという3カテゴリーに、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」が参戦する。

2025年、ロードレースではウィングレットを採用した新型「YZF-R1」を駆る中須賀克行選手が、通算13回目のチャンピオンを獲得しその性能を証明。

トライアルでは2023年から、カーボンニュートラルの実現やライバルのエンジン車を上回るための技術開発と全日本チャンピオン獲得のため、電動トライアルバイク「TY-E」で参戦してきた。

3年目を迎えた2025年、黒山健一選手が「TY-E 3.0」で国内最高峰クラス史上初のチャンピオンに輝き目標を達成した。

そうした実績を踏まえ2026年は、3カテゴリーでの三冠達成にを果たすことによって、「YZF-R1」、「YZ450FM」、「TY-E」というファクトリーマシンの性能を証明しながら、ライバルたちと切磋琢磨する姿でモータースポーツの活性化に貢献していく。

最後に、同社は傘下のグループ企業と共に、モーターサイクルやモータースポーツの普及など多岐に亘る役割を担う「BLU CRU(ブルー・クルー)」活動を展開している。

特にモータースポーツ部門は、オン・オフ両カテゴリーで才能ある若手ヤマハライダーを発掘し、将来は共にチャレンジしてくれる若手の育成を重ねてきた。

特に近年はロードレースの「BLU CRU」活動を強化。グループ会社「Yamaha Motor Europe N.V.」が、スーパーバイク世界選手権の併催レースとして、「YZF-R3」を用いる「Yamaha R3 BLU CRU FIM World Cup(R3 FIM World Cup)」を立ち上げた。

これに呼応する形で、アジア・オセアニアは「Yamaha R3 BLU CRU Asia-Pacific Championship」、南米は「Yamalube R3 BLU CRU América Latina」という「YZF-R3」によるワンメイクレースを開催。これらを勝ち抜いたライダーを欧州に派遣するなど、グループ一丸でグローバルなステップアップ機構を築き上げてきた。

「R3 FIM World Cup」を勝ち抜いたライダーは、新設されたスポーツバイク世界選手権(WorldSPB)に派遣。

WorldSPBの次のステージとしてはスーパースポーツ世界選手権に育成シートを設定しており、その後はスーパーバイク世界選手権や、「BLU CRU」の最上位チームとしてMoto2に参戦する「BLU CRU Pramac Yamaha Moto2」を整備し、世界最高峰を目指すより道筋を完成させている。

日本国内でもそれは同じで、全日本ロードレース選手権に併催の「MFJカップ JP-SPORT選手権」で、「BLU CRU」活動として、若いライダーたちに新たな挑戦の機会を提供する「YAMAHA YZF-R3 スカラシップ」を実施。

なお、昨年のJP250インタークラスでチャンピオンに輝いた竹本倫太郎選手は、今年、欧州に派遣。新たな環境でチャレンジを促していく。

また全日本モトクロス選手権では、ファクトリーライダーのジェイ・ウィルソン選手が指導を行う、「YAMAHA BLU CRU RACING TEAM」を継続。

このチームで成長を遂げ、昨年2年連続でIA2チャンピオンを獲得した中島漱也選手には、更なる成長機会を提供すべく、オーストラリア選手権に派遣することを決定した。

同時に全日本では中島選手に続くライダーの育成を進め、将来、日本のモトクロス界を背負うトップライダーの継続的な輩出も目指す。

これらの「BLU CRU」活動は、レース活動に留まることなく、車両の開発や後進の指導など、モータースポーツを支え・拡げ、新しい価値を生み出す人材の育成にも視野に入れていくとしている。