スズキのハンガリー子会社で生産が始まったばかりの新型SUV
スズキ株式会社（本社：静岡県浜松市、社長：鈴木修、以下スズキ）が欧州で販売する新型「VITARA（ビターラ）」。同車は、スズキがジムニーを出発点に、脈々と培ってきた本格四輪駆動SUVの資質を受け継ぎながら、デザイン、走行性能、安全性能、環境性能などを新世紀に合わせ、進化させてきた新コンパクトSUVである。
このVITARAは、2013年のフランクフルトモーターショーに出展されたコンセプトモデル「iV-4」をベースに開発が始まり、2014年のパリモーターショーの会場でワールドプレミアされたモデル。先頃、スズキのハンガリー子会社・マジャールスズキでの生産も始まったばかりの次世代SUVだ。当地のラインオフではハンガリーのヴィクトル・オルバーン首相も出席して式典も行われた。
車両の特長は、時代に見合う走行性能を純粋に追求しただけでなく、欧州の自動車ユーザーのライフスタイルを反映して開発されたもの。そんな同車が、この度、欧州新車評価プログラムの「ユーロNCAP」の安全性能総合評価において、最高の評価となる5つ星を獲得した。
「ユーロNCAP 2015」5つ星獲得車は、今のところ2車種のみ
このユーロNCAPとは、欧州諸国の運輸関連省が定めた新車の評価基準だ。ユーロNCAPの安全性能評価は、「乗員（成人）保護」、「乗員（こども）保護」、「歩行者保護」、「安全補助」の4項目の評価スコアを元に、0～5星の総合評価が行われる。
ちなみに、これらの評価方法がより厳格になったは本年2015年から。以降において初めて5つ星を獲得した車は、今のところ2車種だけであるが、そのひとつが新型「VITARA」である（もう１台はルノー・エスパス）。
新型「VITARA」は、衝突時の衝撃を効率よく吸収・分散する軽量衝撃吸収ボディー[TECT]に加え、ミリ波レーダー方式による衝突被害軽減システム「レーダーブレーキサポート」を採用するなど、パッシブセーフティとアクティブセーフティの両面から安全対策を図っている。
なおユーロNCAPに、新評価システムが導入され始めたのは2009年からだが、同年以降でスズキ車は、2010年に「スイフト」欧州仕様車、2013年に「SX4 S‐CROSS」の欧州仕様車が5つ星を獲得している。
ちなみにVITARAは、本年ハンガリーでの生産規模で７万台の生産が予定されており、欧州各国での販売が開始されている。スズキによると、今後は世界戦略車として、ハンガリーから欧州外にも輸出する予定という。
新型SUV「VITARA」の主な諸元と特長（欧州仕様）
諸元
1.6Lガソリン/ディーゼルエンジン
全長4,175mm×全幅1,775mm×全高1,610mm
特長
スズキSUVの伝統を継承したデザイン。
軽量化による優れた燃費性能。
新世代4WDシステム「ALLGRIP」をはじめ、ミリ波レーダー方式による衝突被害軽減システム「レーダーブレーキサポート」や、レーダーで前方車両との距離を測り自動で加減速するアダプティブクルーズコントロールなどの先進技術を採用。（坂上 賢治）
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