電気に夢を託したシトロエンの100年間に渡る物語
ステランティス傘下のシトロエン・ブランド(CITROËN)は4月28日、今からおおよそ100年前の1925年7月「エッフェル塔に自社メーカー名を電灯で灯す」という当時の一大プロモーションを実施した。
2025年4月28日、同ブランドはこれを引き合いに出し、パリと世界に衝撃を与えたシトロエンは、現代に於いても電気に賭ける並々ならない想いを持ち続けているとしたプロモ戦略を打ち出している。
ちなみに日本国内で、電気が普及し始めたのは1910年代初頭(日本で電気事業が始まったのは明治初期)。この1910年代には一般家庭に電球による電灯が普及し始めたと言われている。
そうした時代に於いて、フランス・パリでの電気の普及も日本国内と大差なく、1925年頃のパリでの街頭照明は、ガス灯やアーク灯(放電発光を利用した電灯)が一般的であった。
そうしたなかでシトロエンの創業者アンドレ=ギュスタヴ・シトロエン(ndré-Gustave Citroën/ユダヤ系フランス人の実業家・1878年2月5日生 – 1935年7月3日没)は、初めてエッフェル塔をライトアップしてパリと世界に衝撃を与えた。
そんなシトロエンが、今日に於いても「独創性」に拘り続けているその理由は、そのアンドレ・シトロエンの精神性にある。
彼は、当時の技術エリート養成校のエコール・ポリテクニークでエンジニアリングを学んだ後、1908年にヘンリー・フォードが大量生産したT型フォードで刺激を受けた。
そこでフランスに於いても自動車を大量生産して、大衆消費社会をフランスでも実現しようとしたのだ。
決して、自動車趣味人ではなかったシトロエンの創業者
但し、彼自身は実のところ、同時代を生きたルイ・ルノー、フェルディナント・ポルシェ、W.O.ベントレーのような自動車趣味人ではなく、産業の先進性自体に着目した人物であった。
従って学び舎を卒業し、技術将校となって退任した後の1904年、友人たちと小さな工場を構え歯車を作り始める。これが現在の〝ダブル・シェヴロン〟として知られるシトロエンのマークの源流になっている。
そんな彼が思い描いた夢は、製品やサービスを大量かつ広く安価に供給し、人々の暮らしを変えるというもの。
その想いが、1925年のエッフェル塔に25万個の電灯をつけてCITROËNの文字を灯すという一大プロモーションに辿り着いた。以降10年間、パリのシンボルは100メートル先からでも見えるシトロエンの巨大な広告塔となった。
しかし当のシトロエン社は、1930年代に米国から押し寄せる大恐慌の影響下で一旦、破産の憂き目をみる。以後、シトロエンの債権はミシュランに移った。またアンドレ・シトロエンは、1935年パリの病院で失意のなか世を去った。
シトロエンの新たな時代の始まりは、第二次大戦後の2CV、DSが引継ぎ、それが多くのシトロニストを生んだ。
つまり今日、シトロエンというブランドが飽くなき先進性に拘り、当時、最先端のエネルギー源だった電気に拘っている背景には、消費社会が生み出す大衆文化を夢見たアンドレ・シトロエンの精神が引き継がれているということになる。
これを踏まえてシトロエン・ブランドは、新型Ami、新型C3、そしてe-ROUTESアプリなど、モビリティ人気を復興させるべくシンプルで手頃な価格のソリューションを展開しているという訳だ。
望んだのは、移動の自由を標榜し自動車体験を広めること
上記を受けてシトロエンブランドは、「1925年7月4日土曜日の夜、エッフェル塔にシトロエンの名が光の文字で投影されました。
アンドレ・シトロエンは、エンジニアのフェルナン・ヤコポッツィの奇想天外なプロジェクト、フランスの首都で最も有名なモニュメントをライトアップするというプロジェクトに参画しました。しかし、アンドレ・シトロエンはライトアップというプロモーションに魅了されたわけではありません。
彼は、この技術的挑戦の大胆さ、事業の世界的な影響力、そして莫大な広告効果を理解していました。
アンドレ・シトロエンはこの能力を活かし、生産、技術、スタイル、販売およびアフターサービス、人材管理、コミュニケーションなど、多くの分野で驚きと革新をもたらし、人間生活の限界を押し広げることを望んだのです。
社会に深く根ざした彼の野心は、移動の自由と自立性を高めるための自動車体験を促進することでした。エッフェル塔点灯100周年を機に、シトロエンはエネルギー転換に於ける主要プレーヤーとなるという野心を改めて表明し、人々の利益のために電化の障害を取り除く取り組みを継続しています。
この野心は、100年以上にわたり、あらゆる側面におけるブランドの活動の原動力となり、今もなお力強く続いています。それは人々に寄り添い、ニーズに合ったモビリティソリューションを提供する人気のブランドになることです。
今日、エネルギー転換とそれに伴う格差が課題となっており、多くのお客様が車の買い替えをためらっています。責任あるモビリティと手頃な価格を両立させるには、イノベーションは電動化とコネクテッド化を両立させる必要があります。
このような状況に於いて、シトロエンはタイムリーかつ自発的な電動化のパイオニアとしての地位を確立しています。電動化へのアクセスを提供するため、シトロエンの全モデルは、使いやすく燃費効率に優れたハイブリッドソリューションを提供しています。
更に2020年には、C4でCセグメントの電動セダンをいち早く提供し、同年にはAmiで、環境に優しく経済的な電動マイクロモビリティソリューションを初めて提供しました。
2024年には、新型C3で、広さや快適性を損なうことなく、欧州で手頃な価格の電動Bセグメントハッチバックを生産する最初のブランドとなり、ステランティスグループのe-ROUTESアプリケーションは、移動を容易にする真のコネクテッドアシスタントとして提供されます。
100年経った今も、シトロエンは世界を電化し続けており、数々の新製品を発表して前進を続けています」と結んでいる。
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さて以下はプロモの一環ではあるが、今後投入する新車となる
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シトロエン・アミ・バギー:発売から4年を経て、シトロエン アミは真の社会現象となり、75,000人以上に初めてゼロエミッションのマイクロモビリティを提供した。
2024年末のパリモーターショーで発表される新型アミは、アクセシビリティと実用性、そして7,990ユーロから始まる非常に競争力のある価格設定を維持しながら、更に魅力と個性を加えている。
できるだけ多くの人々に自律性と自由を提供することを目指し、複数のカラーパックでカスタマイズでき、カーゴパックまたはアミ フォー オールパックで様々な用途に利用できる。
2025年のもう1つの新機能は、シリーズに加わる新しいアミ バギー バージョンとなる。お茶目な冒険家の外観で、楽しく遊び心のあるレジャー志向のモビリティを提供。そして、更に個性的なアミ バギーには、非常に刺激的な究極バージョンであるパルメイラが用意されている。2025年5月に注文開始
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シトロエン ë-C3:シトロエンのベストセラー電気自動車が、更に求め易くなる。2024年に発売されたë-C3は、多用途で広々とした快適な空間と充実した装備を備えた、欧州生産のモデルで、電気自動車をより身近なものにすることで、真のブレークスルーを実現した。
価格は23,300ユーロから。既に135,000人以上の顧客を獲得しているë-C3の成功を受け、シトロエンは、より求め易い価格のë-C3(19,990ユーロ)で、電気自動車の魅力をさらに高める。
ë-C3のデザイン、快適性、革新性をすべて備え、航続距離は200km*。市街地や郊外の日常の交通を安心して走ることができる。30kWhのLFPバッテリーと82馬力の電気モーターを搭載し、オプションで30kWの急速充電も利用できる。2025年夏までに注文受付開始
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シトロエン ë-C3 エアクロス:航続距離400 kmに到達するシトロエン初の100%電気コンパクトSUVは、既に44kWhバッテリーを搭載し300km以上の航続距離*を実現する手頃な価格のモデルで提供されている。
2025年には、より強力なバッテリーを搭載し、最大400kmの航続距離を実現する予定。C3エアクロスは、Bセグメントの電気SUVの中で最も手頃な価格でありながら、広々とした空間を実現し、誰もが期待するあらゆる個性とパワーを備え、54kWhのLFPバッテリーと136馬力のパワーにより、その多用途性をさらに高める。2025年夏までに注文受付開始
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新型シトロエン ë-C5 エアクロス: C-SUVセグメントで最も快適なモデルである新型シトロエン ë-C5 エアクロスは、73kWhバッテリー搭載車で520km、97kWhバッテリー搭載車で680kmという航続距離を稼ぐ。
また「動くリビングルーム」とも言えるこのクルマは、日常のドライブは電動モードで、長距離ドライブも安心してこなすことができる。2025年4月29日に披露予定だ。