3月期通期の営業利益は、2兆7505億円。利益率は10.1%に
トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市、社長:豊田章男、以下、トヨタ)は、5月8日の午後、2015年3月期決算(2014年4月~2015年3月)の決算発表を行った。
売上高は、27兆2345億円(前年同期比6.0%増)、営業利益2兆7505億円(同20.0%増)、純利益は2兆1733億円(同19.2%増)となった。
自動車販売台数は、国内・海外の合算で897万2000台と、前年度比で14万4000台の減少。この要因は国内成績にあって国内販売台数は215万4000台と、前年度比で21万1000台の減。
一方、海外は北米、欧州で販売が拡大し、数字は681万8000台と前年度に比べ6万7000台膨らんだ。
好決算は、グループ一丸の原価改善活動や円安、顧客のおかげ
営業益の増加要因は、原価改善の努力が2800億円、為替変動の影響が2800億円、その他の要因が1284億円。対して、減益要因は、諸経費の増加等が1600億円、販売面における数字への影響が700億円ほどあったと述べた。
2016年3月期の業績予想に関しては、売上高27兆5000億円で、1.0%増を見込み、営業利益は、2兆8000億円の1.8%増、都合、純利益2兆2500億円と3.5%増と予想している。
席上で、同社豊田章男社長は、過去最高益を達成した理由を「グループ一丸となった原価改善活動の成果や、また為替が円安方向で推移したことが大きい」と語った。
加えて「これらはひとえに販売店、仕入れ先を筆頭とする関係者皆様の尽力ならびに、世界中でトヨタの車をご愛用頂いているお客様のおかけです」と述べた。
会見内容は、本記事冒頭、ならびに動画サイトなどから閲覧出来る。(54分39秒)また会見に於いてトヨタ社長が述べた概要は以下の通り。
2015年3月期 決算発表 豊田社長挨拶
2015年3月期の決算は、グループ一丸となった原価改善活動や、為替が円安方向で推移したことなどから、2兆7,505億円の営業利益を 確保することができました。
これもひとえに、販売店、仕入先をはじめとする関係者の皆様のご尽力のおかげであり、何よりも、世界中でトヨタのクルマをご愛用いただいているお客様のおかげと深く感謝申しあげます。
今回の決算は、1秒単位、1円単位での生産性の向上に必死で取り組む生産現場や、いいクルマづくりの思いをこめて黙々と図面に向かう開発メンバーなど、現場の一人ひとりの努力の積み重ねの結果でもあると思っております。彼らの頑張りにも改めて敬意を表したいと思います。
株主の皆様への期末配当は、1株当り125円を 本年の株主総会へ提案させていただく予定です。
これにより、当期の1株あたり配当金は、中間配当75円とあわせ、年間では200円となります。
また、3,000億円を上限とする自己株式取得も新たに実施する計画です。
株主の皆様に、トヨタの株を持っていて良かったと言っていただけるようこれからも安定的・継続的な配当に努めるとともに、自己株式の取得についても、機動的に検討してまいります。
私たちは、これまで、クルマづくりを根本から見直すトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャーや、ビジネスユニットの導入など、持続的成長の基盤づくりを進めてまいりました。
昨年には、北米本社機能の統合やディーゼルエンジン事業の集約など、会社や組織の枠を越え、グループの力をより結集して戦える体制づくりにも取り組み始めました。
そして、私たちが「トヨタ再出発の日」として定めた2月24日、公聴会から5年目の節目となる年に、燃料電池自動車「MIRAI」をラインオフし、100年先の未来に向けたイノベーションの第一歩を踏み出すことができたとも感じております。
しかし、ここから先のトヨタを考える時、やらなければならないことは、まだまだあります。
私たちは、リーマンショック後の赤字転落やリコール問題を通じて、企業が持続的に成長するためには、いろいろな競争力を磨かなければならないということを学びました。
企業に求められる競争力には、販売力やコスト低減力など、販売台数や収益に直結するものもあれば、魅力ある商品を開発する力や品質を維持・向上させていく力、考える力、仕事に対するオーナーシップを持った人材を育成し続ける力など、目に見えにくく、目先の数値には表れにくいものもあります。
また、お客様や投資家、地域社会の皆様に、愛され、応援される企業であるということも、大変重要な要素になります。
私は、これらの全ての要素を包含したものが「真の競争力」であり、持続的成長を目指すためには必要不可欠であると考えております。
では、今のトヨタに「真の競争力」は備わってきたのか?成果が出始めているもの、まだまだ道半ばのものなど、様々です。
しかし、大切なことは、投資の原単位低減や生産性向上、原価改善などの努力を通じ、継続的に改革の原資を生み出し、それを「もっといいクルマづくり」や「人材育成」に投入していく、そのサイクルをぶれることなく回し、常に進化し続ける強い現場をつくることだと考えております。
その意味で、今年はトヨタが持続的成長に向けた歩みを着実に踏み出すのか、それとも、これまで積み重ねてきた努力にもかかわらず元に戻るのか、大きな分岐点になると言えます。
メキシコの新工場や中国の新ラインでは、3年間の新工場凍結期間に磨いてまいりました革新的な生産技術を可能な限り導入し、一目見て変わったことが分かる競争力のある工場づくりに取り組んでまいります。
既存の工場においても、規模拡大だけではなく、質のともなう成長につなげていくために、従来の延長線ではない新たな取り組みや工夫、努力がなされているか、こうした視点で、意志ある投資を進めてまいりたいと思っております。
4月より発足した新しいマネジメント体制では、成長のエンジンである現場の努力をすぐに経営に反映できる体制を目指してまいります。
そのために、ビジネスユニットや地域・機能の業務を、より現場に近い各ユニットのプレジデントや本部長が統括する体制に変更し、また、海外、技能系職場、グループ企業出身のリーダーを新たに役員に登用致しました。
様々なリーダー達が、現場の仲間とともに、現地現物で迅速に意思決定をしていくこと、そして、従来のトヨタには無かった価値観や考え方で、トヨタを変えていくこと。
そうした中で、一人ひとりが新たなチャレンジを続けていくことが組織として、必ず、昨日よりも今日、今日よりも明日へと、成長できる原動力になると考えております。
繰り返しになりますが、トヨタが目指す、持続的成長と、その軸となる「もっといいクルマづくり」と「人材育成」その真価が問われる重要な局面を迎えています。
今年後半からTNGA車の投入が始まります。2020年頃までには、世界で販売するクルマの約半分をTNGA車に切り替えてまいります。
2018年から2019年には新工場も稼働し、魅力あるクルマを賢く作るための取り組みもいよいよ実行段階に入ります。
次世代環境技術の開発や、最先端のIT技術・社会インフラと協調した高度運転支援技術の実用化、ロボット事業の強化など、未来のモビリティ社会の実現に向けた新たな成長分野での投資もまったなしです。
より安全で、環境にやさしく、そして、よりワクワクドキドキするようなもっといいクルマを作るために、どんな時でも自ら考え、チャレンジし続ける人材の育成に努めてまいります。
「真の競争力の向上なくして、持続的成長なし」。私自身、現場のリーダー達と心をあわせて、トヨタが持続的に成長することができるよう「真の競争力向上」に向けた取り組みを進めてまいります。
皆様の変わらぬご理解、ご支援をお願い致します。
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なお本件に関わるトヨタ株主総会は以下で開催される予定。
1. 日時:平成27年6月16日(火):午前10時
2. 場所:愛知県豊田市トヨタ町1番地:トヨタ自動車株式会社本店
3. 会議の目的事項
報告事項:
第111期(平成26年4月1日から平成27年3月31日まで)事業報告、計算書類、連結計算書類ならびに会計監査人および監査役会の連結計算書類監査結果報告の件。
平成27年3月31日を 基準日とする剰余金の配当を行うことの承認を求める議案。
以上
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