ドバイのNWTN、大手パキスタン企業とEVの世界販売を目指す

中国資本のNWTN Inc.(本社:ドバイ/UAE)は8月11日(米・東部標準時)、パキスタン大手産業グループのJWコーポレーションと提携(資産拠出および株式発行契約/SPA)し、新エネルギー車の共同生産で合意した。

上記JW コーポレーションは、パキスタンを拠点に世界的なブランド構築を目指すコングロマリット企業。自動車、エネルギー、不動産など他分野に亘る製造・流通ネットワークを活かして事業を展開している。

またNWTN Inc.は、スマートモビリティに係る製造技術、ブロックチェーンソリューションに注力してきたNASDAQ上場企業。なお目下、同提携を契機にRobo.ai Inc.への車名変更を見据えている。

上記契約によりNWTNは、ラホールの中国・パキスタン経済特区(JW-SEZ)にあるJWコーポレーションの完全ノックダウン(CKD)自動車組立工場の独占使用権と、パキスタン全土に展開するJWコーポレーションの400を超える販売店ネットワークへのアクセスを取得した。

ちなみに生産車両は、先の2023年8月20日付に発表したSUVタイプの乗用SUVではなく、新型商用車になる見込み。両社によると同提携は、NWTNのグローバル戦略を「UAE本社+南アジア生産+グローバル販売」で補完するものとしている。

563,000平方フィートのCKD施設とJWコーポレーションの流通ネットワークを活用し、NWTNは市場競争力の高い新エネルギー商用車を世界市場に投入する。結果、この提携は EV生産を通じてグリーン移行技術をUAEから他国へ輸出して、パキスタンを南アジア、中東、アフリカを結ぶ輸出拠点として確立させることになる。

従って同連携は、UAEの国家ビジョン「We the UAE 2031」およびドバイのD33経済アジェンダに合致するものとなる。

このD33経済アジェンダは、先の2023年1月4日にUAEから明らかにされた戦略で、ドバイの経済を発表年以降10年間で倍増させ、世界トップレベルの都市になることを目指すもの。

またNWTNにとっても、既存のCKDインフラストラクチャの活用による資本効率の高い製造と、製品ラインの国際展開による世界的なブランド拡大の加速化に繫がるため、自社をUAE国内での中核的な戦略的価値を醸成できることになるという目論みにも叶う。

パキスタン側のJWコーポレーションでCEOを努めるムハンマド・ジャヴェド・アフリディ氏は、「今回の提携により、パキスタンの製造業エコシステムに先進的なEV技術が導入されます。

これを契機に我々企業グループは、JW-SEZでのCKD事業を通じて、南アジア有数の新エネルギー商用車輸出拠点の構築を目指します」と述べている。

一方でNWTNのベンジャミン・ザイCEOは、「この提携は、UAEの国家ビジョンに基づく持続可能な製造業を目指すという当社の目標を前向きに推し進めると共に、ドバイの貿易ハブとしての立ち位置を活用。

OEMパートナーのブランドをグローバル化させることにも役立ちます。これによりNWTNはスマートモビリティブランドからグローバルなインテリジェント製造プラットフォームへと進化していくことでしょう」と結んでいる。

 
 



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