ボルボ・グループ・オーストラリアは4月14日、小売事業に投資し西オーストラリア州全土に8拠点を持つトラックディーラーネットワークを買収したことを公式に発表した。これに伴いボルボ・トラックは、オーストラリアでの販売網を大きく拡大させていく構えだ。
より具体的には、ボルボ・トラックがオーストラリアで事業を展開するボルボ・グループ・オーストラリアが、パースに本社を置き8拠点を展開する小売事業会社トラックセンター・ウエスタン・オーストラリアを買収した。
この買収により、ボルボ・トラックはオーストラリアに於ける完全所有の小売ネットワークを6拠点から14拠点へと倍増することになる。
ちなみに西オーストラリア州は、鉄道や海上貨物輸送インフラが整備されておらず、貨物輸送は主に道路で行われている。現在、この地域では鉱業が拡大しており、輸送需要の増加が見込まれる。
また元よりボルボ・トラックは、オーストラリアで強力なプレゼンスを築いており、2024年に当地へ3,000台以上のトラックを納入した。またボルボは1972年にブリスベンのワコルに生産拠点を設立しており、現在、ワコルの生産拠点はオーストラリア最大の自動車製造施設となっている。
今回の買収についてボルボ・トラックのロジャー・アルム社長は、「これはボルボ・トラックにとって重要な投資です。オーストラリアの小売市場に於けるシェアを拡大し、西オーストラリア州のお客様、特に成長著しい鉱業業界のお客様に、より良いサービスを提供できるようになります。
ボルボ・トラックは世界約130の市場で事業を展開するグローバル企業です。今回の投資は、より魅力的な製品・サービスを提供することを目指し、バリューチェーン全体にわたって継続的に投資を行っていることを示す好例です。
トラックセンター ウエスタン オーストラリアは、南はアルバニーから北はポート ヘッドランドまで、約 2,000 キロメートルの距離にわたる地域全体に支店を展開しています」と述べた。
これを受けてボルボ・トラック・インターナショナルで上級副社長を勤めるペル・エリック・リンドストローム氏は、「今回の投資は特別なものです
なぜなら、トラックセンター・ウエスタンオーストラリアは、オーストラリアにおけるボルボの父とも言えるマックス・ウィンクレス氏によって設立され、60年前にオーストラリアに最初のボルボトラックを持ち込んだからです。
マックス・ウィンクレス氏と彼のチームは、ボルボをオーストラリアで強力なブランドに押し上げる上で大きな役割を果たしました」と語り、買収の合理性について説明した。
なお所有権の移転は、必要な規制当局の承認を条件に、2025年第3四半期に実施される予定という。その後、トラックセンター・ウエスタンオーストラリアは、ボルボ・グループ・オーストラリア傘下の事業体となる。300名を超える従業員は事業の所有権移転に伴い、新会社に移行する予定。また取引金額の詳細は非公開だ。