Joby、2空港の管制空域間で有人エアタクシー飛行を初達成

旅客向け商用電動エアタクシー( eVTOL )を開発するJoby Aviation, Inc.( Joby / ジョビー・アビエーション インコーポレイティッド )は8月15日の午前8時( 東部夏時間 )、カリフォルニア州マリーナ空港( OAR )とモントレー空港( MRY )の2空港間を初飛行した。その結果、FAA(米国連邦航空局)管制空域下で、他の航空機との共同運航でも成功できたことを明らかにした。

この成功によりJobyは、競合他社に先駆けて商業市場への準備を整えたという意味で、記録的な一歩を記したことになる。

実際、来るべき商業運行を前提とした安全運航、航空管制、認証取得など、商業化に係る進捗過程で自社能力の高さと成熟度を示したと言えるだろう。

そんなJobyのOARからMRYまでに至る今飛行距離は10海里(約10キロメートル)、これを約12分で飛行した。

ちなみにこれには、MRYでの航空交通間隔確保のための5分間のホールドパターン(航空管制官からの指示で、航空機が特定の空域で円を描くように旋回しながら待機する飛行手順)が含まれている。

結果、今有人飛行では、垂直離陸、翼上飛行への移行、MRY周辺の管制空域への統合、上空待機、そして垂直着陸が行われ、これによりJobyは、有人電動垂直離着陸( eVTOL )型エアタクシーで公共空港間を飛行した全米初の快挙を成し遂げた。

なお同飛行実証では社内チームが、拠点から離れた場所に於いても並列させつつ、同様の飛行試験を実施したことで、自社単独でも完全な地上支援業務を提供できることも併せて示した。

これらの成果に、Jobyの航空機OEM担当社長のディディエ・パパドプロス氏は、「この度の初商業実証にあたって、近隣のモントレーを訪れるのが我々にとっては最適な場所でした。

加えて今回、マリーナからモントレーへの実証飛行に成功したことで、当社のeVTOLが広範な輸送ネットワークに統合される運航下でも充分な対応能力をお示しできたことになります。

また、それは商業運航の初期段階から我々が、高品位なサービスを提供できるだけの準備を整えていることも併せてお示しできたことになります。

そもそも当社は長年、着実かつ慎重な飛行試験を積み重ねてきたことにより、自社eVTOLの安定性能を示し続けており、これからも、今でも、また将来に於いても、考え得る多種多様な環境下での更なる幅広い実証実験を重ねていく所存です。

一方で、これまで多種多様な飛行試験プログラムを幾度も消化してきた後の自然な流れとして、我々としては、更なる上位段階へと移る時期が来たものと考えています」と話している。

中でも今飛行に於いては特に先の通り、モントレー空港上空で他の大型航空機の滑走路進入に掛かる、eVTOLによる待機パターンの消化・実証を成功したことで、自社eVTOLの安定した飛行性能をアピールできた。

これはeVTOLが初めて、大手航空会社の航空機と同じ航空管制プロトコルに沿って待機できたことになり、Jobyの航空機システム、パイロット資格、訓練の成果が十二分に発揮されたと言える。

それはとりもなおさず連邦航空局(FAA)が、eVTOLに対しても公共空港上空で他の航空機と等しい運航能力を求めていることを意味している今、その要求能力を示せたことが次ステップへの信頼を勝ち得たことになった。

なお、このeVTOLを用いた全米初の成功事例は、延べ4万マイルを超える飛行実績を含むJoby社の足跡に紐付いたものだ。

これを踏まえJobyは早くも、 FAA認証取得に向けた最終ステップのひとつでもある型式検査承認用・初号機の最終組立を開始しており、来年初めにはFAAパイロットによる飛行試験も開始予定だ。更に将来的に認証が取得できた後、Joby社はロサンゼルスとニューヨーク市の試みを皮切りに、全米で商業サービスを始動させたい意向だ。

 
 



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