メイド・イン・イタリアのブランド「アルカンターラ」、１億ユーロの価値と評価される

わずか9年でブランド価値が15倍に拡大

自動車内装材としても著名なイタリアの素材メーカーのアルカンターラ社は、このほど世界をリードするブランド・コンサルティング会社であるインターブランド社に自社ブランド「アルカンターラ」の評価を依頼。各国での調査を経て、そのブランドの価値は総額1億ユーロになることが明らかになったと発表した。

この金額は2006年に同じインターブランド社が実施した前回の評価額（650万ユーロ）の15倍となったことを意味している。今評価において、インターブランド社はアルカンターラの主要市場国（イタリア、ドイツ、フランス、米国、中国、日本）で定量的な分析調査を実施。同ブランドの競争力は、特にアジアにおいて、他の国より高いことが判明した。

すでに売上の90パーセントはイタリア国外への輸出に

アルカンターラによると「この結果は、アルカンターラが直接の顧客および消費者の両方に価値を創出する力があることを証明しています。すなわち、この素材を用いた製品はイメージが上がり、消費者の選択を左右するブランド力があるということが、今回の調査で明らかになっています。これは「成分ブランディング」の模範的な例といえます」と述べている。

アルカンターラ社は、2009年との比較で売り上げで約2倍（2009年の6,430万ユーロから2014年の1億2,380万ユーロに）、営業利益で3倍となっている。また販売の地理的な広がりも進み、すでに売上の90パーセントはイタリア国外への輸出によるものとなっている。

好結果は世界のデザイン界との特別な連携が背景

アルカンターラ社会長兼CEOのアンドレア・ボラーニョ（Andrea Boragno）は、「今回の調査結果には非常に満足しています。ブランド価値の増大は、当社の策定した戦略が正しかったことを証明しており、売上の増加と市場のグローバルな拡大も反映しています。

さらにアルカンターラの成功の秘訣について、この数年間に投資してきた主要各分野で成果があったこともこの調査は明らかに示しています。

その秘訣とはイタリアの卓越性、サステナビリティへの真剣な取り組み、無限の可能性を秘めたカスタマイズの提案、製品の優れた感性、世界のデザイン界との特別な連携などにあります」と語っている。

今結果はアルカンターラブランドの可能性のごく一部

インターブランド社のEMEA／ラテンアメリカ担当最高戦略責任者、マンフレディ・リッカ（Manfredi Ricca）は「アルカンターラと共同で行った今回の調査プロジェクトには、2つの面がありました。

まず一方で、アルカンターラ社は顧客の作る優れた製品に対しそれにふさわしい価値を与えたいという思いで取組んできたため、同社の素材は世界の最高級ブランドの多くにとって不可欠なものとなりました。

また他方で、今回の結果が示しているのはアルカンターラというブランドの可能性のごく一部にすぎないということです。私たちの分析は、このブランドが今後発展していくための明確な道筋を示しています。

すなわちアルカンターラはイタリア製品として客観的に見て傑出したものですが、その本当の価値はさらに大きいということです」と述べた。

アルカンターラホームページ（日本語）: http://www.alcantara.com/ja/index.do

アルカンターラとは：
1972年に設立され、本社をミラノに置き、生産拠点とR&Dはウンブリア州・ネラ・モントロに置くアルカンターラ社(Alcantara S.p.A.)が保有している登録商標「アルカンターラ® (Alcantara®)」は、東レがエクセーヌとして開発・展開しているスエード調人造皮革のブランドでもある。
現在、同素材はファッション、アクセサリー、自動車、インテリアデザイン、家具、コンシューマ・エレクトロニクス、などさまざまな分野のリーダー企業により選ばれ、採用されている。