BSの月面探索車用タイヤ、革新的なコンセプトが評価され栄冠獲得

宇宙モビリティを支える未来技術が評価される

ブリヂストンが開発した月面探査車用タイヤが4月9日( ドイツ発 )、Tire Technology EXPO ( タイヤテクノロジーEXPO )2025の壇上で「タイヤ・コンセプト・オブザイヤー( Tire Concept of the Year )」を受賞した。

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より具体的には、英UKiメディア&イベント社発行のタイヤ産業雑誌「タイヤ・テクノロジー・インターナショナル( Tire Technology International )」が主催する「タイヤ・テクノロジー・インターナショナル・イノベーション&エクセレンスアワード2025( Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence 2025 )」で栄冠を獲得したもの。

同賞は、最も革新的かつ先進的なコンセプトデザインのタイヤに贈られる賞典だ。この受賞は、月面という地球上のどの環境とも異なる「極限」の環境に対応し、スペースモビリティを足元から支える独創的なタイヤの開発が、タイヤに関わる産業界だけでなく、学術機関の専門家にも評価されての結果となった。

ドイツのタイヤテクノロジーEXPO2025の壇上で開かれた授賞式には、ブリヂストンの欧州グループ会社ブリヂストンヨーロッパ エヌヴィー エスエーでコンシューマー向けタイヤ開発責任者を努めるシモーネ・ランドー氏( Head of Consumer Tire Development )が出席した。

ブリヂストンの月面探査車用タイヤのコンセプトモデル

受賞の栄冠に輝いた月面探査車用タイヤは、月面を走るモビリティに求められる厳しい走破性と耐久性に対応するべく、空気充填が要らない次世代タイヤ「AirFree」で培ってきた技術を活用。

 

タイヤテクノロジーエキスポの創設者トニー・ロビンソン氏

金属製スポークを採用して組み立てられた。同構造により、真空状態で激しい温度変化や放射線にさらされる「極限」の月面環境下に於いても耐久性を保ちながらも柔らかく変形。月面上のレゴリスと呼ばれる微細な砂の上での走破性を確保する。

また、岩などの障害物に対し衝撃を吸収して乗り越えて走行することも可能となっている。この高い走破性と耐久性により、月面で走るモビリティの安心・安全と人類の挑戦を足元から支える。

ブリヂストンは、「タイヤは生命を乗せている」の大原則に沿って2019年より月面探査車用タイヤの研究開発に取り組んでおり、開発を通じて「自ら極限へ挑戦する姿」を示し、パートナー企業にも共感して貰える体制を組む共創活動を推進している。

ブリヂストンでは、今後も月面という新たな「極限」の環境に挑戦することで、モビリティの未来になくてはならない存在となることを目指すという。

加えて月面探査車用タイヤの開発を通じて、宇宙上のモビリティの進化を支え、自らの企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment(8つのEを掲げたブリヂストンの未来への約束/Energy、Ecology、Efficiency、Extension、Economy、Emotion、Ease、Empowerment)」で掲げる「人とモノの移動を止めず、更なる革新を支えていくこと」にコミットしていくと結んでいる。