ハースF1チーム
は12月4日、来季に向けてトヨタ自動車のモータースポーツ競技および研究開発部門「TOYOTA GAZOO Racing(TGR/トヨタ・ガズー・レーシング)」とタイトルスポンサー契約を結ぶ。これにより2026年FIAフォーミュラ・ワン世界選手権に向けて、同チームは『TGRハースF1チーム(TGR Haas F1 Team)』に改称される。
今回のTGRによるタイトル・パートナーシップ権の獲得は、去る2024年10月に、トヨタと複数年に亘るテクニカルパートナーシップを締結してきた関係性を引き継いだもの。
トヨタによると、その関係はハースF1チームとTGRの関係を示す核心「3P(People(人)、Product(製品)、Pipeline(目的達成に至る一連のプロセスの把握と改善)」を、更に進化・革新させるものであり、ドライバー、エンジニア、メカニックなど、持続可能なモータースポーツ産業と文化の構築、そのための人材育成に取り組んでいくのに不可欠だとしている。
そもそもトヨタは、過去60年以上に亘るモータースポーツの歴史を保有。現在ではTOYOTA GAZOO Racingを通じてFIA世界ラリー選手権とFIA世界耐久選手権で上位ランクを記録し続け、チャンピオンシップも獲得している。
そうしたなかで両社の関係は、先の2025年シーズン於いて実施されたTPCプログラムで育まれた関係を介してより強固なものとなったという。なお同プログラムは、2026年から正式に「TGR ハース ドライバー育成プログラム」と呼ばれる。
さてそんな昨年のTPCはハースVF-23を使用し、シルバーストーン、ポール・リカール、富士スピードウェイ、イモラ、ムジェロといった有名サーキットを14日間にわたって行われた。
この際は平川亮選手、宮田莉朋選手、坪井翔選手、小林可夢偉選手といった日本人レーサーもTGRとの提携を通じて参戦した。こうしてTGRは、才能あるドライバーたちがF1で活躍する夢を応援してきた。
そんな関わりを介したトヨタとの関係についてハースF1チーム代表の小松綾雄氏は、「この新たなタイトルパートナーシップ契約を通じて、TGRとの関係を深めることができ、大変光栄です。
これまでの私たちの協力関係は、まさに私たちが期待していた通りのものでした。今シーズンのTPCでの成功がそれを証明していますが、舞台裏でも、2026年に向けてバンバリー施設へのシミュレーターの開発と設置など、多くのことが起こっています。
ハースF1チームとTGRが協力して取り組む人材育成は、私たちにとって大きなメリットであり、パートナーシップが成熟するにつれて、今後は更に強化されるでしょう。
ドライバープログラムなどでも成長できることに興奮しており、その過程でTGRが支援している才能の深さを目の当たりにするのは心強いことです」と語った。
対してトヨタ自動車の豊田章男会長は、「2025年シーズンの挑戦を通して、若いTGRドライバーとエンジニアが自分の可能性を信じ始め、さらに大きな夢を見始めるのを目の当たりにしました。
これを目の当たりにし私は深く感動しました。そして今日、自信を持ってこう言えます。トヨタは遂に動き始めたのです。本当に動き始めたのです。
若いメンバーに寄り添い、彼らの可能性を信じ、同じ情熱と視点で未来に立ち向かってくれたジーン・ハース氏と小松綾雄氏に、心から感謝申し上げます」と述べた。
そのような経緯から両社は、口を揃えて、次世代が世界の舞台へと第一歩を踏み出す時が来たと話し、来季パートナーシップを更に前進させることでTGRの3Pは、かつてないほど加速していくだろうという。
最後にジーン・ハース氏(チームオーナー)、小松綾雄氏(チーム代表)、豊田章男氏は、TGRハースF1チームの全員と共に、未来に向けた自動車文化とチームを築いていくと結んだ。
なお今後の同チームの予定としては、1月23日(金)にVF-26のカラーリングをオンラインで公式発表し、その後、1月26日から30日までスペインのバルセロナ・カタルーニャ・サーキットでプライベートF1テストを行う。
この際、来季のF1参戦を約束された各チームは3日間の走行が許可され、その後、2月にバーレーン・インターナショナル・サーキットで2回の公式テストが行われる。

