「移動する音と光」による生体感が、クマの警戒心を刺激。ランダムな刺激で慣れを防止
マルチベンダー・ロボプラットフォーム「ROBO-HI® OS」の開発を手掛けるROBO-HI(本社:東京都中央区、代表取締役社長:谷口 恒)は12月16日、当社の自律走行警備ロボ「PATORO®(パトロ)」に於いて、近年被害が拡大しているクマなどの野生動物対策に特化した新機能を強化・展開する。
今回、自律走行警備ロボ「PATORO®(パトロ)」を提案した背景には、従来の「固定式」の忌避(きひ)装置が抱えていた最大の課題である「動物の慣れ(馴化)」に対し、自律移動ロボならではの不規則な「動き・音・光」の組み合わせでアプローチし、人と動物の棲み分けを支援するという考え方に基づいている。
開発の背景:深刻化する被害と「固定式忌避装置の限界」
同社によると近年、クマ被害が深刻な社会問題となっている。これまでLEDライトや超音波、爆音機などの設置型対策機器が導入されてきたが、野生動物は学習能力が高く、場所が変わらず刺激が一定である「固定式」の装置には、時間が経つと危険がないと判断し、慣れてしまう(馴化する)という課題がある。
そこでROBO-HIは、自律走行ロボ「PATORO」の機動性を活かし、「場所を特定させない」「刺激パターンを読ませない」 ことで、この馴化問題の解決を図る。
▷AIとロボを活用したクマ対策ソリューション:https://www.robo-hi.jp/solution_for_bear![]()
▷自律走行警備ロボ「PATORO」:https://www.robo-hi.jp/products/lrb/patoro![]()
▷マルチベンダー・ロボプラットフォーム「ROBO-HI OS」:https://www.robo-hi.jp/robo-hi![]()
クマ対策ソリューションの3つの特長
「PATORO®(パトロ)」を利用した同ソリューションでは、以下の3つの要素を複合的に組み合わせることで、クマ等の野生動物に対して「得体の知れない生物(脅威)がいる」と認識させる。
自律移動による圧倒的な「生体感」
従来の固定式と異なり、PATOROはエリア内を自律的に動き回る。クマを含む野生動物にとって、静止している物体よりも「動いている物体」の方が脅威として認識されやすく、ロボが実際に移動することで、まるで生き物が巡回しているかのような“生体感”を演出する。
PATOROは、一般社団法人ロボットデリバリー協会の「安全基準適合審査」に合格しており、地域の警察へ届け出だけで公道走行ができる。私有地を含めて地域の生活圏を広く巡回も可能。
AIスピーカーによる「音の移動情報」
搭載されたAIスピーカーからは、オオカミの遠吠えや人間の会話音声、破裂音などをランダムに再生する。 単に大きな音を出すだけではなく、ロボが移動しながら発音することで、「音が近づいてくる」「遠ざかる」といった方向性が生まれる。この聴覚的な“動きの情報”は、クマの警戒心を強く刺激し、接近を躊躇させる効果が期待できる。
回転灯による「視覚的な威嚇」
高輝度の回転灯(パトランプ)を作動させながら走行する。暗闇の中で光源そのものが移動し、光の当たり方が刻一刻と変化することで、動物に強い違和感と警戒心を与える。
最大の強み:ランダム化による「馴化(慣れ)」の防止」
「PATORO」の最大の強みは、上記の1〜3の要素を ランダムに組み合わせられる点にある。
・走行ルートのランダム化: 毎回決まったルートではなく、不規則なルートで巡回。
・刺激のランダム化: 音の種類、音量、発音のタイミング、回転灯のパターンをAIがランダムに制御。
「いつ、どこから、どんな刺激が来るか分からない」状況を作り出すことで、野生動物の学習・予測を困難にし、長期的な忌避効果の維持を目指す。
今後の展望
今後は、自治体等と連携し、実証実験および導入エリアを拡大していく。ROBO-HIでは、ロボティクス技術を通じて、人間と野生動物が適切な距離を保ち、共存できる社会の実現に貢献していくと結んでいる。
問い合わせフォーム:https://www.robo-hi.jp/contact/other_contact![]()


