本田技研工業(ホンダ/本社:東京都港区、取締役代表執行役社長:三部敏宏)は、12月7日に行われたFIAフォーミュラ・ワン世界選手権・最終戦となる第24戦アブダビGPを以て、Red Bull Powertrains(RBPT/レッドブル・パワートレインズ)へのレースに於けるF1パワーユニット(PU)技術支援を終了したことを公表した。
ホンダは、2021年シーズンを以てPUサプライヤーとしてのF1参戦を終了した後も、自社傘下のホンダ・レーシング(HRC)による、RBPTへのF1 PU技術支援を通じ、Oracle Red Bull Racing(オラクル・レッドブル・レーシング )およびVisa Cash App Racing Bulls(ビザ・キャッシュアップ・レーシング・ブルズ )に対し、F1活動のサポートを行ってきたが、これにてレッドブル・グループとのパートナーシップは当初の契約通り、区切りを迎えたことを改めて明らかにした。
ホンダとレッドブル・グループのパートナーシップは2018年にScuderia Toro Rosso(スクーデリア・トロロッソ、現・RB)へPUを供給したことから始まり、翌2019年にはRed Bull RacingにもPU供給を開始。
2021年にはマックス・フェルスタッペン選手がドライバーズタイトルを獲得し、ホンダに30年ぶりのF1タイトルをもたらした。
2022年以降はHRCによるRBPTへの技術支援を行っており、2023年にはRed Bull Racingが22戦中21勝という圧倒的な成績で2年連続となるドライバー&コンストラクターのダブルタイトルを獲得。
2024年にはフェルスタッペン選手がドライバーズタイトル4連覇を達成するなど、数々のドラマと偉業を生み出してきた。
ホンダでは、「これまでF1活動を通じて培ってきた技術と人材の発展と展開により、モータースポーツ活動の強化ならびに、さまざまな商品と先進技術の開発に取り組んでいきます」と話している。
これまでの足跡についてホンダ・レーシング 代表取締役社長 渡辺康治氏は、「8年間にわたり、両チームおよびRed Bull Powertrainsとの強い協力関係のもとで、F1の最前線に関わり続けられたことを誇りに思います。
この期間にOracle Red Bull Racingが達成した数々の勝利とチャンピオンシップ獲得に、Hondaの技術と人材が貢献できたことは大きな喜びです。
関係者の皆様に心より感謝申し上げます。HRCはこれまでの経験を糧に、今後もモータースポーツの発展とHondaの技術革新を推し進めていきます」と話している。
なおこの公表に係る来季の体制についての表明は無かった訳だが、来季については「アストンマーティンF1(Aston Martin Formula One)」PU供給していく予定。
ちなみにアストンマーティンは、1959年から1960年に掛けてF1世界選手権に参戦していた。その後の2021年に改めて、当時、レーシング・ポイントとして活動していたチームを獲得・改称し、61年振りにブランド名が復活している。チームの本拠はイングランド・ノーサンプトンシャー州シルバーストン。
Hondaとレッドブル・グループのパートナーシップの歴史は以下の通り
2018年
HondaがScuderia Toro RossoにPUの供給を開始
戦いの中でPUをアップグレードさせていく
2019年
Red Bull RacingにもPU供給を開始
第9戦オーストリアGPでの第4期Honda F1初優勝を含め、3勝を挙げる
2020年
Scuderia AlphaTauri(スクーデリア・アルファタウリ 旧Scuderia Toro Rosso)が
第8戦イタリアGPにて悲願の初優勝を達成。Red Bull Racingと合わせて3勝を挙げる
2021年
Red Bull Racingのマックス・フェルスタッペン選手がドライバーズタイトルを獲得
Hondaに30年ぶりの栄冠をもたらす
2022年
HRCによるRBPTを通じた技術支援を開始
Red Bull Racingがコンストラクターズ、ドライバーズのダブルタイトルを獲得
2023年
Red Bull Racingがコンストラクターズ、ドライバーズのダブルタイトルを連覇
22戦中21勝という偉業を達成
2024年
Red Bull Racingのフェルスタッペン選手がドライバーズタイトル4連覇を達成
2025年
Red Bull Racingがコンストラクターズ3位、フェルスタッペン選手がドライバーズランキング2位、
Visa Cash App Racing Bullsがコンストラクターズ6位でシーズンを終了
ホンダとレッドブル・グループのパートナーシップ情報まとめ(2018年~2025年)
総レース数:172戦
勝利数:72勝
表彰台:141回
ポールポジション:51回
ドライバーズタイトル:4回
コンストラクターズタイトル:2回
ドライバー、参戦マシン、PUについて:
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▷シーズン:2018年
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チーム(略称):Scuderia Toro Rosso
ドライバー:
ピエール・ガスリー
ブレンドン・ハートレー
マシン:STR13
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PU:RA618H
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▷シーズン:2019年
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チーム(略称):Red Bull Racing
ドライバー:
マックス・フェルスタッペン
ピエール・ガスリー
アレクサンダー・アルボン
マシン:RB15
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チーム(略称):Scuderia Toro Rosso
ドライバー:
ダニール・クビアト
アレクサンダー・アルボン
ピエール・ガスリー
マシン:STR14
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PU:RA619H
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▷シーズン:2020年
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チーム(略称):Red Bull Racing
ドライバー:
マックス・フェルスタッペン
アレクサンダー・アルボン
マシン:RB16
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チーム(略称):Scuderia AlphaTauri
ドライバー:
ピエール・ガスリー
ダニール・クビアト
マシン:AT01
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PU:RA620H
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▷シーズン:2021年
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チーム(略称):Red Bull Racing
ドライバー:
マックス・フェルスタッペン
セルジオ・ペレス
マシン:RB16B
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チーム(略称):Scuderia AlphaTauri
ドライバー:
ピエール・ガスリー
角田裕毅
マシン:AT02
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PU:RA621H
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▷シーズン:2022年
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チーム(略称):Red Bull Racing
ドライバー:
マックス・フェルスタッペン
セルジオ・ペレス
マシン:RB18
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チーム(略称):Scuderia AlphaTauri
ドライバー:
ピエール・ガスリー
角田裕毅
マシン:AT03
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PU:RBPTH001
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▷シーズン:2023年
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チーム(略称):Red Bull Racing
ドライバー:
マックス・フェルスタッペン
セルジオ・ペレス
マシン:RB19
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チーム(略称):Scuderia AlphaTauri
ドライバー:
角田裕毅
ニック・デ・フリース
ダニエル・リカルド
リアム・ローソン
マシン:AT04
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PU:Honda RBPTH001
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▷シーズン:2024年
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チーム(略称):Red Bull Racing
ドライバー:
マックス・フェルスタッペン
セルジオ・ペレス
マシン:RB20
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チーム(略称):Visa Cash App RB
ドライバー:
角田裕毅
ダニエル・リカルド
リアム・ローソン
マシン:VCARB 01
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PU:Honda RBPTH002
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▷シーズン:2025年
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チーム(略称):Red Bull Racing
ドライバー:
マックス・フェルスタッペン
リアム・ローソン
角田裕毅
マシン:RB21
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チーム(略称):Visa Cash App Racing Bulls
ドライバー:
角田裕毅
アイザック・ハジャー
リアム・ローソン
マシン:VCARB 02
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PU:Honda RBPTH003
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*太字はチャンピオン獲得
*スプリントレースは含まず

