パイオニアとマイクロソフト、次世代車載IVI向けAIエージェント開発へ

AI×クラウドにより、幅広い車両で革新的UXと安全性を実現

パイオニアは12月12日、2023年に開始したMicrosoft Corporation(マイクロソフト)との技術検証を基盤として、生成AIを活用した新たなモビリティ体験の創出を目指している。具体的には「Microsoft Foundry」を活用し、自社製品・サービスのユーザーエクスペリエンス(UX)向上に向けた取り組みを推進していく。

より具体的には、マイクロソフトとの協業を通じて、次世代車載インフォテインメント(IVI)向けAIエージェントを開発した。

近年、コネクテッド化やAI活用が進む自動車業界では、特にローコストが求められる新興国市場に結い手、コックピットシステムのAI・デジタル化が進み、エントリーモデルにも高度なUXを求める声が高まっている。

今回開発するエージェントは、スケーラブル設計とマイクロソフトのAIとクラウド技術による汎用性と拡張性を兼ね備え、エントリーモデルからプレミアムモデルまで、幅広い車両に対応しており、自然で洗練されたユーザーエクスペリエンス(UX)の提供が可能という。

次世代IVI向けAIエージェントの特徴は以下の通り

(1)シームレスな統合と拡張性
パイオニア製IVIに搭載するAIエージェントは、当社のAIマネージメントソフトウェアモジュールとMicrosoft Foundryを統合することにより、車両システムとクラウドサービスをシームレスに連携させる。Microsoft Foundryが提供する多言語対応機能により、エントリーモデルからプレミアムモデルまで多様な車両や、地域ごとに異なる言語に対応可能。将来の機能拡張にも柔軟に対応する。

(2)安全性を高める多彩な音声コマンド
AIエージェントに統合された多彩な音声コマンドで、ドライバーはエアコンや目的地検索・ルート案内などのナビゲーションサービス*をはじめ、音楽再生、メッセージ送信など、多様な操作を行える。* Here Technologies社のSDKに対応

(3)運転中のストレスを軽減
自然言語認識を備えた音声コマンド機能により、ドライバーは不要な車載機器のボタンやスイッチを手動で操作する必要がなくなり、安全な運転に集中できる。

「Microsoft Foundry」データセキュリティ・プライバシーへの配慮
ユーザーがMicrosoft Foundryにアップロードしたデータは非公開であり、安全な環境内で管理される。OpenAIモデルのトレーニングに使用されることはなく、ユーザーの同意なしに第三者と共有されることもない。

Microsoft Foundryは顧客定義モデルとの統合が可能であり、そのセキュリティ設計は国際的なデータセキュリティ基準に準拠し、グローバル市場における信頼性とユーザーセキュリティを確保する。

*MicrosoftのAIクラウドサービスは多言語サポートを提供し、多様な地域での利用を可能にする。またパイオニアは、AIとクラウドソリューションを統合し、世界中のドライバーにとってより安全で快適なモビリティ体験を実現させる。

両社コメントは以下の通り

マイクロソフト コーポレートバイスプレジデント(製造・モビリティ担当)のDayan Rodriguez(ダヤン・ロドリゲス)氏、「当社の最先端技術であるMicrosoft Foundryとパイオニアの業界をリードするモビリティソリューションの統合は、モビリティ体験の未来の方向性を示すものと確信しています。世界中の多くのドライバーが、より安全で便利な環境における強化されたユーザー体験の恩恵を受けることを期待しています。」

パイオニア 執行役員、事業開発・戦略パートナーアライアンス担当、種澤成治氏、「このたび、マイクロソフトと、革新的なモビリティソリューションをグローバルに展開できることを大変嬉しく思います。同社のMicrosoft Foundryを活用し、パイオニアはAIとクラウドソリューションを組み合わせることで“移動の自由”を再定義し、世界中のドライバーに自然なUXを提供していきます。」

 
 




 
 

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