ライフサイクルの短い製品の生産にロボット導入の新提案
川崎重工業株式会社(本社:東京都港区海岸・神戸市中央区東川崎町、代表取締役社長:村山滋、以下、川崎重工)は6月3日、人共存型の革新的な双腕スカラロボット“duAro”(デュアロ)を発売した。
これまで産業用ロボットは、ライフサイクルの長い量産分野の製品を中心に導入が図られ、発展してきた。
その一方で、電気・電子業界など、製品ライフサイクルが短く、数ヶ月単位でのモデルチェンジを繰り返す分野では、ロボットを必要としながらも、準備期間や費用対効果の面で自動化が難しいと考えられてきた。今回、同社はこのような分野に導入可能なロボットを新提案していく。
新発売の“duAro”(デュアロ)は、人の動作に必要な領域や両手の動き、それぞれの腕の独立した動きなどをそのまま再現できる新たな双腕構成のロボット。
使い易さを徹底的に追求した結果、水平方向に動作するシンプルな動きの水平多関節ロボットを双腕にし、さらにダイレクトティーチ機能を搭載することで、教示が簡単で実用性の高いロボットとした。
また、ロボット本体とコントローラを、台車一体のパッケージ構造にすることで、設置や移設が極めて容易となった。
ロボット本体は、胴体から水平に伸びた2本のアームが対になって動くことで、人が両腕で行っている作業を、人一人分のスペースで簡単に置き換えることが可能。
また、衝突検知機能や人の近くでは低速で動作する安全機能を装備しており、作業者のすぐ横に設置しても安心して共存作業をさせることが出来る。
双腕ロボット“duAro”(デュアロ)の名前の由来となったのは、英語の“Dual”と“Robot”を組み合わせた造語。2本のアームを持つ安心・安全なロボットというイメージで、親しみやすい愛称とした。
【特 長】
1)人一人分のスペースに設置可能
従来のスカラロボット2台を並べて設置する場合、設置スペースが大きくなるが、デュアロは同軸上に配置した2本のアームと1台のコントローラをパッケージ化しており、人一人分のスペースに設置出来る。
また、同軸双腕構造としたことでアームの干渉が起きにくくなることから、従来のスカラロボット2台では不可能な協調動作も可能。
2)簡単設置
アームを設置した台車の中にコントローラを収納することで、台車ごと移動させて簡単に設置出来る。
また、2本のアームを使うことによる治具レス対応、ロボット同士の置き換えや人との置き換えが容易になるため、これまでライン変更に時間を要したシステムの立ち上げやロボットが停止した場合の緊急時に素早く対応することが可能。
3)人との共存作業
低出力モータの採用、エリア監視による速度低減機能などにより、人との共存作業が可能。また、万が一、人とロボットが衝突した場合にも、瞬時にロボットが停止する衝突検知機能などの安全対策が施されている。
4)簡単教示
製品のライフサイクルが短い場合、プログラムやティーチングの変更が頻繁に必要になることが、ロボット導入の高いハードルになっていたが、簡単な教示を徹底的に追及したシンプルな水平多関節構造とダイレクトティーチ機能の採用により、誰でも簡単に教示動作を行うことが可能となった。
5)豊富なオプション
ダイレクトティーチに加えて、タブレット端末やティーチペンダントによる教示も可能。1台の端末で複数の機体に対応できる仕様とした。
また、ビジョンシステムと組み合わせることも可能。標準ハンドオプションも用意しており、アーム長の変更や回転軸の追加など、さまざまな作業に合わせて最適なアーム構成にカスタマイズ出来る。今後はクリーン仕様やシングルアームにも対応予定で、さらに幅広い用途にも対応していく。
主要諸元
・シリーズ名:duAro
・ロボット名:duAro 1
・型式名:WD002N
・発売日:2015年6月3日
・国内販売価格(※):280万円
・アーム形式:水平多関節
・動作自由度:
4軸×2
(最大 6軸×2)
・標準リーチ:760mm
・最大可搬質量:片腕2kg
・位置繰り返し精度:+/-0.05mm
※販売価格は、メーカー希望小売価格(オプション含まず)
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