米カルフォルニアに本拠を置く、シンガー・ヴィークル・デザイン(Singer Vehicle Design)は2月13日に最新サービス「Porsche 911 Carrera Cabriolet Reimagined by Singer(ポルシェ 911 カレラ カブリオレ リイマジンド バイ シンガー)」を発表した。
同メニューは、シンガー社の日本に於けるパートナーのコーンズ・モータース(所在地:東京都港区、代表取締役社長:林誠吾)を介してサポートが行われるもの。
より具体的には、カリフォルニアを拠点にクラシック・ポルシェ911のレストア・リイマジンを担うラグジュアリースペシャリストとして知られるシンガーの最新サービスとなる。
そのサービスプロセスは、ポルシェ 911 カブリオレ(Type 964)のオーナーが、レストアの依頼と共に、ベース車両をシンガーに送るところから始まる。
レストアのプロセス
以降、最初のステップでは、ドナー車両を慎重に分解。内装、外装のボディワーク、および全ての機械部品を取り外し、スチールモノコック(シャシー)を露わにする。
シャシーは綿密に評価、清掃、準備され、次のレストア段階に最適な状態に整えられる。このフェーズでは、オリジナルのType 964モノコックの剛性を高めるため、シャシー強化が施される。
エンジンとトランスミッション
その後、シンガーの911に関わる長年の経験と専門知識により、タイプ964のフラットシックス・エンジンの性能を高めていく。
そのためにシンガーは、可変バルブタイミング、燃焼室設計、吸排気経路の分野などでCosworth(コスワース)のエンジニアリング協力を得て実した最高出力420馬力の4.0リッター自然吸気水平対向6気筒エンジンを仕上げていく。
この工程により低速域での運転性と高回転域でのパワーを最適化。併せてシンガーがレストアした自然吸気エンジンとしては初めて水冷シリンダーヘッドと空冷シリンダーを組み合わせた上で、電動ファンを採用した仕様へ。より広いエンジン回転数範囲に於いてトルク伝達を拡大させる。
結果、エンジンは8000rpmを超える回転数を誇り、ドライバーにその領域を探求して貰うべく最適化された6速マニュアルギアボックスを組み合わせる。
この際、エンジニアリングの匠の技を際立たせるため、露出したシフトメカニズムを備えたレイズドギアシフターを指定することもできるようにしていくという。また新開発のチタンエキゾーストシステムは、フラットシックスとその名高いサウンドトラックに新たな鼓動を与えることになる。
シャシー
オリジナルのType 964モノコックは、車両の心臓部であることからシンガーは、このシャシーに関わるシミュレーションと構造解析に投資してきた。
その成果が、レストアプロセスの初期段階のモノコックに施される、複合材とスチール補強を使用したシャシー強化システムとなる。
この強化により補強されたシャシーは、その後のレストアの各段階に於ける最適化された基盤となり、ねじり剛性の向上は、ハンドリング、ブレーキング、および全体的な洗練性に恩恵をもたらす。
ヘリテージと最先端
シンガーのカーボンファイバーに関する経験は、1980年代のGモデル車両にインスピレーションを得ており、最適化したカーボンファイバーの使用により、軽量化と剛性の向上を実現し、ユーザーが期待するダイナミックかつシャープなレスポンスを提供する。
その工夫は骨格だけに留まらず、新開発の軽量「Zパターン」折りたたみ式ルーフ機構にも反映されており、シンプルかつ滑らかな操作を可能にしつつルーフを上げた状態でも下げた状態でも端正なプロファイルを維持する。
またディープフロントスポイラーは車両前部に於ける冷却とエアフローを最適化し、リアフェンダーのリーディングエッジにあるインテークは、冷却空気をスムーズにエンジンコンパートメントへ導く。
なお当時の911カレラ カブリオレは、有名なホエールテール・リアウィングの有無を選択できるため、シンガーのレストアサービスも同様の選択肢が用意される。
固定式ウィングまたは速度作動式ウィングは、高速走行時の安定性のため車両後部を流れるエアフローを制御。高性能の補助ドライビングライトも搭載可能で、これは作動時にフロントフードから上昇し、使用しない際はフラットに格納される。
グランドコントロール
当時の911カレラ車両と同様に、エサスペンション、ブレーキ、ホイール、タイヤへのアプローチも強化された。
シンガーのターボチャージャー付きサービス用に開発されたサスペンションは、しなやかでスポーティなハンドリングの基盤を提供。電子制御ダンピング機能を備えた新しい4ウェイ調整式ダンパーは、運転席から調整可能でノーズリフトシステムを組み込んでいる。
DLSサービスを通じて開発されたカーボンセラミックブレーキは、18インチのセンターロックホイールの内側にご指定でき、強力な制動力を提供する。
タイヤ技術は20世紀の終わり以来飛躍的に発展しており、最新のミシュラン パイロット スポーツタイヤの使用により、レストアされた車両はそのパワーを効果的に路面へ伝達する。
ドライバーは、路面状況と自身の技量に応じて、トラクションコントロールとエレクトロニックスタビリティコントロールの介入レベルを調整できるため、5つのドライブモード(ロード、スポーツ、トラック、オフロード、ウェザー)から選択可能とした。
ドライバー重視のインテリア
オーナーはビスポークのペイント、レザー、および素材の仕上げを通じて、個人の嗜好に合わせて車両の内装をパーソナライズできる。軽量のスポーツシートまたはトラックシートをリクエストでき、レイズドギアシフターメカニズムと組み合わせることで完璧な運転姿勢を提供する。
パーソナライゼーション
シンガーによってリイマジンされた全てのポルシェ911は、個々の要望に従ってオーナーによってパーソナライズ。
これらのリイマジン化のためのテストカーは、英国のミルブルック、スペインのIDIADA、イタリアのナルド、ドイツのニュルブルクリンクなど、世界で最も著名なロードコースで数千マイルに亘る集中的な評価を完了。全てのサービスはTÜV認証が反映されている。
価格と入手可能性
限定75台と定められた同メニューの提供を受ける当該オーナーは、自身の911をパーソナライズするべく個々人の嗜好と受けた上で、ビスポークエンジニアリングの要望を共有。従ってこうしたシンガーのレストアサービスの価格は、各車両のオーナーがリクエストされた仕様によって異なる。
最後にシンガーは、ポルシェ・カーズ・ノースアメリカ社、またはDr. Ing. h.c. F. ポルシェAGとは、スポンサー、提携、承認、保証、またはその他いかなる形でも関連付けられていない。
Dr. Ing. h.c. F. ポルシェAGは、ポルシェクレスト®、ポルシェ®、およびモデル番号と名称、そして連邦登録された911自動車などのポルシェ自動車の特徴的な形状を含むが、これらに限定されない、登録済みおよび未登録の多数の商標の所有者となる。
ポルシェ・カーズ・ノースアメリカ社、またはDr. Ing. h.c. F. ポルシェAGの商標名またはその他のマークへの言及は参照目的のみと謳われている。












