「featured」タグアーカイブ

新コンパクトオープン 「BMW 2シリーズ・カブリオレ」発表

bmw-2series-cabriolet-20150326-1

エレガントなのに硬派なオープン・カー

BMWジャパンは、先頃、パリ モーターショーでワールドプレミアを行ったコンパクトオープンモデル「2シリーズ・カブリオレ」を4月11日より発売する。

この2シリーズ・カブリオレは、全世界で13万台以上を売り上げた1シリーズ・カブリオレに変わるモデルとして誕生したもの。今回はBMWの世界戦略により、骨格設計上はすでに日本発売済みの「2シリーズ・クーペ」のオープン版として開発を重ねてきた。

スポーティなデザインと優れた機能性を併せ持つ

このためボディサイズやエクステリアデザインのみならず、インテリアデザイン等の快適装備、そしてドライビングにおいて発揮されるパフォーマンスも、現行の2シリーズ・クーペに準じたものだ。

bmw-2series-cabriolet-20150326-2

上記の様な訳で車体骨格が2シリーズベースであるから、そのボディサイズは従来の1シリーズベースよりも大きく拡大された。

例えばエントリーグレードとなる「220iコンバーチブル」で、全長4,432mm×全幅1,774mm×全高1,413mm、ホイールベースは2,690mm(欧州値)に設定されている。これは先代の1シリーズ・カブリオレよりも、全長で72mm、全幅で26mm、ホイールベースで30mm拡大されていることが見て取れるだろう。

立体的なキドニー・グリルに流れ込むボンネットライン

大きくなった車格から誰が見ても2シリーズだと分かるスタイルバランスとなった2シリーズ・カブリオレ。それゆえにエレガントな佇まいでありながら、BMWらしい精悍さを持ち合わせている2ドアクーペを連想させる。

bmw-2series-cabriolet-20150326-3

若干薄型になったキドニーグリルや、切れ長気味に伸びるヘッドライト、ドアサイドからリアフェンダーにかけて立体的に浮かび上がるウエストラインの絞り処理も2シリーズクーペ譲りである。

フロントからトランク・リッドまで繋がるショルダー・ライン

ウエストラインから上部に目を移すと、ソフトトップの標準カラーがブラックであることが確認できる。但しこれはオプションで光沢感のあるシルバーとブラウンカラーからも選べる。いずれのオプション素材も、太陽光を反射させ金属的に輝く光沢仕上げが施されている。

bmw-2series-cabriolet-20150326-4

またソフトトップは、走行中でも時速50km以下なら僅か20秒で開閉可能。畳まれた電動ソフトトップはリアデッキに完全にフラット状態で収まり、後は爽快なオープンエアドライビングを堪能するだけだ。

bmw-2series-cabriolet-20150326-5

快適性と実用性に優れたフルオートマチック・ソフトトップ

気になるソフトトップの素材は、従来より断熱材をさらに追加しているので断熱性や静粛性が大きく向上している。実際に1シリーズコンバーチブルとの比較では、フロントの着座位置で5dB、リアシートでは7dBも静かになっているという。

bmw-2series-cabriolet-20150326-6

また電動ソフトトップを閉めた状態で335ℓとクラス最大のラゲッジルーム容量を備えながらも、後席を犠牲にしない高い実用性も持ち合わせている。

bmw-2series-cabriolet-20150326-7

スポーティで俊敏なハンドリング性能の実現

基本骨格が2シリーズクーペ譲りゆえに、ドライバーズシートにおける操舵性能でもBMWらしさをとことん体感できる。その理由は明白で、このセグメントでは唯一の後輪駆動車であるからだ。

bmw-2series-cabriolet-20150326-8

さらに前後タイヤの接地荷重はドライビングブレジャーを重んじるBMWゆえに前50:後50の理想的な重量配分も実現している。

優れた運動性能と高い動力性能を融合した走り

ボディ重量では同じ220i同士の比較で、クーペ1,425kgに対してコンバーチブルが1,510kgと約85kg程重くなっているが、その分、先代モデルに比べると約20パーセント増加したねじり剛性と、Cd値0.31というオープンカーとしては良好な空力特性のおかげでクーペとさほど変わらない走りが楽しめる。

bmw-2series-cabriolet-20150326-10

優れた安全性や利便性を提供する標準装備品

また万一の際は、充分なクラッシャブルスペースを持つボディ構造と、リアシート後方からせり出すロールオーバーバーなどの横転保護システムで充分な生存空間も確保してくれる。

bmw-2series-cabriolet-20150326-9

サスペンションは全車共通であるが素材・構造共に不足はない。具体的にはフロントにアルミ製のダブルジョイントスプリング、リアに5リンク リアアクスルストラットを採用。電動パワーステアリングやDTC、電子ロック付きのDSCも標準装備されている。

bmw-2series-cabriolet-20150326-11

さらにM235iコンバーチブルでは、可変スポーツステアリングやMスポーツブレーキ、電子制御式ダンパー付きアダプティブMサスペンションもオプション装着可能である。

bmw-2series-cabriolet-20150326-12

ダイナミックな走りを提供しながらも15.8km/ℓの低燃費を実現

パワーユニットは、エントリーモデルの「220iコンバーチブル」に総排気量1,997ccで最高出力135kW(184ps)、最大トルク270Nm(27.5kgm)のBMWツインパワーターボ テクノロジー(ツインスクロールターボチャージャー、高精度ダイレクトインジェクション、バルブトロニック可変バルブタイミング、ダブルVANOS)を採用。低燃費性能も達成した直列4気筒のガソリンエンジンが搭載される。

bmw-2series-cabriolet-20150326-13

もうひとつのエントリーモデル「220dコンバーチブル」には、BMWツインパワーターボ テクノロジー(2,000bar電磁弁インジェクター、可変吸気口形状、コモンレールダイレクトインジェクション、ターボチャージャー)を採用した直列4気筒のディーゼルエンジンが搭載されている。

このディーゼルエンジンは、総排気量1,995ccで最高出力140kW(190ps)、最大トルク350Nm(35.7kgm)を発揮。0-100km/h加速7.5秒(ATは7.4秒)、最高速度225km/hとおそらく不足を感じることはないはずだ。

bmw-2series-cabriolet-20150326-14

さらに高性能版を希望する硬派には、総排気量1,995ccで最高出力180kW(245ps)、最大トルク350Nm(35.7kgm)の実力を持つ直列4気筒のターボエンジンを搭載する「228i コンバーチブル」や、総排気量2,979ccで、最高出力240kW(326ps)、最大トルク450Nm(45.9kgm)を発揮する直列6気筒ターボエンジンを搭載した「M235i コンバーチブル」が控えている。

特にM235iコンバーチブルは、0-100km/h加速が5.2秒(ATは5.0秒)、最高速度250km/hと、もはやスポーツカーと呼ぶに相応しい存在だ。これらすべてのラインナップとも、6段MTまたは8段ATとの組み合わせとなる。

bmw-2series-cabriolet-20150326-15

装備面では、人間工学に基づき最適な運転環境を実現した「iDriveナビゲーション・システム」、歩行者検知機能付き「衝突回避・被害軽減ブレーキ」、車載通信モジュールを利用し乗員の安全と車両の状態を見守る「BMW SOSコール」、「BMWテレサービス」など、利便性と安全性に優れた数々の機能を標準装備されている。

MOTOR CARS.jp サイトTOPに戻る

————————————————–

BMW新2シリーズカブリオレの主な標準装備品
■ ドラインビング・パフォーマンス・コントロール(ECO PROモード付)
■ サーボトロニック(車速感応式パワー・ステアリング)
■ バイ・キセノン・ヘッドライト(光軸自動調整機構/LEDスモールライト・リング/LEDアクセント・ライン付)
■ ドライビング・アシスト
・ レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)
・ 前車接近警告機能
・ 衝突回避・被害軽減ブレーキ
■ BMW SOSコール/BMWテレサービス
■ フルオートマチック・ソフトトップ
■ コンフォート・アクセス
■ 17インチ アロイ・ホイール
■ マルチ・ファンクション・スポーツ・レザー・ステアリングホイール(シフト・パドル付)*1
■ マルチファンクションMスポーツ・レザー・ステアリングホイール(シフト・パドル付)*2
■ クルーズ・コントロール(ブレーキ機能付)
■ 電動フロント・シート(運転席&助手席、運転席メモリー機能、後席へのコンフォート・エントリー機能付)
■ オートマチック・エア・コンディショナー(AUC[オートマチック・リサーキュレーティング・エア・コントロール]、マイクロ・フィルター
[花粉除去機能付]、左右独立温度調節機能、後席用エア・アウトレット[風量・温度調節機能付]、パーキング・ベンチレーショ ン)
■ 8.8インチ・ワイド・コントロール・ディスプレイ
■ HDDナビゲーション・システム(VICS3メディア対応)
■ iDriveコントローラー(コントロール・ディスプレイ用、ダイレクト・メニュー・コントロール・ボタン、タッチ・パッド付)
■ インテグレイテッド・オーナーズ・ハンドブック
■ USBオーディオ・インターフェース、ハンズフリー・テレフォン・システム
■ スピーチ・コントロール(音声入力システム)
■ ITSスポット対応DSRC車載器(ルーム・ミラー内蔵、ETC機能付)
*1 : BMW 220iカブリオレ SportおよびLuxuryに標準装備(Sportはレッド・ステッチ付)。
*2 : BMW 220iカブリオレ M Sportに標準装備。

————————————————–

新BMW 2シリーズ カブリオレをBMW Group Studioで特別展示
2015 年3月26日(木)から4月14日(火)まで、BMW Group Studio(住所:東京都千代田区丸の内1-9-2、グラントウキョウ・サウスタワー1階)にニューBMW 2シリーズ カブリオレが展示される予定。

————————————————–

東京ミッドタウンに4月3日(金)にオープンする「イセタンサローネ」でも特別展示を開催

2015年4月3日(金)から9日(木)まで、イセタンサローネ(住所:東京都港区赤坂9-7-4 ガレリア1階/2階)にニューBMW 2シリーズ カブリオレが展示される予定。

————————————————–

BMW M235i Convertible│ビー・エム・ダブリュー M235i カブリオレ
ボディサイズ│全長 4,454 × 全幅 1,774 × 全高1,403 mm
ホイールベース│2,690 mm
トレッド 前/後|1,516 / 1,534 mm
最低地上高|130 mm
重量|(6MT)1,600 kg  (8AT)1,620
エンジン│2,979cc 直列6気筒DOHC Mツインパワーターボ(ツインスクロールターボ)
ボア × ストローク|84.0 × 89.6 mm
圧縮比|10.2
最高出力│240 kW(326 ps)/5,800-6,000 rpm
最大トルク│450 Nm/1,300-4,500 rpm
駆動方式│FR
トランスミッション│6段MT / 8段AT
サスペンション 前/後|ダブルジョイント スプリング ストラット / 5リンク
タイヤ 前/後|225/40R18 / 245/35R18
ブレーキ 前/後|ディスク / ディスク
0-100km/h加速|(6MT)5.2 秒  (8AT)5.0 秒
最高速度|(6MT)250 km/h  (8AT)250 km/h
最小回転半径|5.45 メートル
トランク容量|280-335 リットル
燃費(EU)|(6MT)8.5 ℓ/100km(およそ11.8km/ℓ)  (8AT)7.9 ℓ/100km(およそ12.7km/ℓ)
CO2排出量|(6MT)199 g/km  (8AT)184 g/km

BMW 228i Convertible│ビー・エム・ダブリュー 228i カブリオレ
ボディサイズ│全長 4,432 × 全幅 1,774 × 全高1,413 mm
ホイールベース│2,690 mm
トレッド 前/後|1,521 / 1,556 mm
最低地上高|140 mm
重量|(6MT)1,535 kg  (8AT)1,555
エンジン│1,997cc 直列4気筒DOHC ツインパワーターボ(ツインスクロールターボ)
ボア × ストローク|84.0 × 90.1 mm
圧縮比|10.0
最高出力│180 kW(245 ps)/5,000-6,500 rpm
最大トルク│350 Nm/1,250-4,800 rpm
駆動方式│FR
トランスミッション│6段MT / 8段AT
サスペンション 前/後|ダブルジョイント スプリング ストラット / 5リンク
タイヤ 前/後|205/50R17
ブレーキ 前/後|ディスク / ディスク
0-100km/h加速|(6MT)6.1 秒  (8AT)6.0 秒
最高速度|(6MT)250 km/h  (8AT)250 km/h
最小回転半径|5.45 メートル
トランク容量|280-335 リットル
燃費(EU)|(6MT)6.8 ℓ/100km(およそ14.7km/ℓ)  (8AT)6.6 ℓ/100km(およそ15.2km/ℓ)
CO2排出量|(6MT)159 g/km  (8AT)154 g/km

BMW 220i Convertible│ビー・エム・ダブリュー 220i カブリオレ
ボディサイズ│全長 4,432 × 全幅 1,774 × 全高1,413 mm
ホイールベース│2,690 mm
トレッド 前/後|1,521 / 1,556 mm
最低地上高|140 mm
重量|(6MT)1,510 kg  (8AT)1,530
エンジン│1,997cc 直列4気筒DOHC ツインパワーターボ(ツインスクロールターボ)
ボア × ストローク|84.0 × 90.1 mm
圧縮比|11.0
最高出力│135 kW(184 ps)/5,000-6,250 rpm
最大トルク│270 Nm/1,250-4,500 rpm
駆動方式│FR
トランスミッション│6段MT / 8段AT
サスペンション 前/後|ダブルジョイント スプリング ストラット / 5リンク
タイヤ 前/後|205/55R16
ブレーキ 前/後|ディスク / ディスク
0-100km/h加速|(6MT)7.5 秒  (8AT)7.6 秒
最高速度|(6MT)231 km/h  (8AT)226 km/h
最小回転半径|5.45 メートル
トランク容量|280-335 リットル
燃費(EU)|(6MT)6.5 ℓ/100km(およそ15.4km/ℓ)  (8AT)6.2 ℓ/100km(およそ16.1km/ℓ)
CO2排出量|(6MT)152 g/km  (8AT)144 g/km

BMW 220d Convertible│ビー・エム・ダブリュー 220d カブリオレ
ボディサイズ│全長 4,432 × 全幅 1,774 × 全高1,413 mm
ホイールベース│2,690 mm
トレッド 前/後|1,521 / 1,556 mm
最低地上高|140 mm
重量|(6MT)1,535 kg  (8AT)1,555
エンジン│1,995cc 直列4気筒DOHC ツインパワーターボ ディーゼル
ボア × ストローク|84.0 × 90.0 mm
圧縮比|16.5
最高出力│140 kW(190 ps)/4,000 rpm
最大トルク│400 Nm/1,750-2,500 rpm
駆動方式│FR
トランスミッション│6段MT / 8段AT
サスペンション 前/後|ダブルジョイント スプリング ストラット / 5リンク
タイヤ 前/後|205/55R16
ブレーキ 前/後|ディスク / ディスク
0-100km/h加速|(6MT)7.5 秒  (8AT)7.4 秒
最高速度|(6MT)225 km/h  (8AT)225 km/h
最小回転半径|5.45 メートル
トランク容量|280-335 リットル
燃費(EU)|(6MT)4.7 ℓ/100km(およそ21.3km/ℓ)  (8AT)4.4 ℓ/100km(およそ22.7km/ℓ)
CO2排出量|(6MT)124 g/km  (8AT)116 g/km

MOTOR CARS.jp サイトTOPに戻る

小林可夢偉、トヨタWECのテスト兼リザーブドライバーに

toyota-ts040hybrid-wec20150326-2

トヨタ・レーシング、WECチャンピオン連覇とル・マン勝利へ

トヨタ・レーシングは2015年の世界耐久選手権(WEC)に、マニュファクチャラー/ドライバーの“ダブルタイトル”ホルダーとして参戦する。

車両は、昨年版マシンを改良したLMP1マシンTS040ハイブリッド。2015年3月26日、フランスのポール・リカール・サーキットで、2015年のチーム体制と共に発表した。

アンソニーとセバスチャンがドライバーズ選手権のタイトル獲得

トヨタ自動車は、2014年にWECで好成績を挙げた結果、日本の自動車メーカーとして初めて世界耐久選手権を制した企業となった。同時にトヨタ車を駆ったアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミがドライバーズ選手権タイトルを獲得した。

昨今の世界耐久選手権は、スピードだけでなくエネルギー効率が性能を決める重要な要素になり、TS040 HYBRIDは8戦中5勝という記録を達成した。これを踏まえて、2015年型TS040 HYBRIDは、2014年にタイトルを獲得したTS040 HYBRIDの進化モデルとして再挑戦を果たしていく。

toyota-ts040hybrid-wec20150326-3

THS-Rのパワートレーンは総出力1000ps以上

ただし進化型とはいえ、空力を最新のものに改良したのを始め、ボディ前端のクラッシャブルストラクチャーを含めて見直し、タイヤを今まで以上に効率良く使える様にサスペンションを設計し直し、加えて重量の軽減を実現している。

2015年型TS040ハイブリッドは、トヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)のパワートレーンを採用。システムの総出力1000ps以上。ERS(エネルギー回生システム)は2014年同様に放出エネルギー量6メガジュール・クラスを選択しているが、スーパーキャパシタの構造変更も行なって、今年はさらなる性能向上を狙っている。

TS040 HYBRID #1号車の運転席に中嶋一貴

ちなみに2015年は、WECのレギュレーション変更で、エンジンはシーズンを通して5基までの使用しか許されなくなる。しかしトヨタレーシングは過去3シーズンを通して5基以上のエンジンは使用していない。タイヤに関してはバーレーン、上海、ル・マン以外のレースでは、練習走行ではスリックタイヤは最大4セット、予選と決勝では6セットまでしか使用できない。バーレーンと上海は予選・決勝で8セット、ル・マンは11セットまでの使用が許される。

TS040 HYBRID #1号車の運転席には、2014年のチャンピオン・コンビであるアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミ、そして今年は初めてWEC全戦出場となる中嶋一貴が乗り込む。

#2号車にはアレックス・ブルツ、ステファン・サラザンに加え、2014年はテスト/リザーブ・ドライバーとして第7戦バーレーン6時間レース優勝の一角を担ったマイク・コンウェイが全戦参加する。

小林可夢偉はテスト/リザーブ・ドライバーとして採用

小林可夢偉は、昨年までテスト/リザーブ・ドライバーとしての役割を務めたマイク・コンウェイのレース参戦に伴い、新たにテスト/リザーブ・ドライバーに採用された。

toyota-ts040hybrid-wec20150326-1

またTMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)でも人事異動が行われ、永らくTMGの社長を務めた木下美明氏が4月1日付けで日本に帰国、代わってトヨタがF1グランプリに参戦していた時期にエンジン担当技術者としてTMGで活動していた佐藤俊男氏がTMGとWECチーム代表として就任する。

世界チャンピオンとして挑戦を開始する2015年シーズン、トヨタ・レーシングの開幕戦は4月12日のシルバーストーン6時間レース。カレンダーは以下の通り。

第1戦4月12日
シルバーストーン6時間
第2戦5月2日
スパ・フランコルシャン6時間
第3戦6月14~15日
ル・マン24時間レース
第4戦8月30日
ニュルブルクリンク6時間
第5戦9月19日
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間
第6戦10月11日
富士6時間
第7戦11月1日
上海6時間
第8戦11月21日
バーレーン6時間

【以下は各チームメンバーのコメント】

木下美明 チーム代表
TMGとモータースポーツプロジェクトから離れることになったの
は寂しいです。しかし、今後も出来る限りレースを近くから見守り、チームをサポートしたいと思っています。

我々が参戦を開始した2012年以来、励まし、サポートをしてくれたWECの関係者に感謝すると共に、耐久レースを戦う仲間の一員になれたことを誇りに思っています。今季、ゼッケン1を付けた我々のTS040 HYBRIDを見られるのは本当に素晴らしいことで、残る目標はル・マン24時間レースの制覇です。

今シーズンは、4チームに増えたLMP1のマニュファクチャラー全てが異なる技術アプローチで参戦するということで、挑戦はこれまで以上に素晴らしいものになるでしょう。我々は懸命にTS040 HYBRIDの改良を続けてきました。今のところ、テストでの結果は勇気づけられるものです。

しかし、まだ長い戦いは始まったばかりですし、ライバル達の最初のパフォーマンスを知りたいところですが、まず開幕戦としてのシルバーストーンがとても大切だと思っています。

村田久武 モータースポーツユニット開発部部長
我々はTS040 HYBRIDをアップグレードするために努力を重ねてきました。そして、パワーユニットを含む、多くの領域で進化を遂げました。

これはトータルでの最大出力が1000馬力以上になり、パワーユニットのパフォーマンスがかなり向上したことを意味しています。我々の開発目標は、トータルでの最高出力と安定性を昨年よりも高めることです。ハイブリッドシステムのパフォーマンス向上は、特にレースで距離を走行したときに、全てのサーキットにおいて見ることが出来るでしょう。我々の2015年シーズンへ向けたアップグレードは、より良いハイブリッドカーを生み出すためのステップであり、何度も言っていますが、TS040 HYBRIDによって培われたコンポーネントおよび技術は将来、トヨタの市販車に活かされることになります。

パスカル・バセロン テクニカル・ディレクター
車両規則が大きく変わらなかったので、我々のコンセプトは明快で、2014年シーズン以上のパフォーマンスを出すことです。そのため、2015年型のTS040 HYBRIDは、完全な新型ではありませんが、ほぼ全ての面で進化を遂げていると言えます。

一見あまり変わっていないように見えるかもしれませんが、部品の80%はデザインし直しました。今年も我々はハイダウンフォース仕様とローダウンフォース仕様を用意します。理由は例年と同じく、ル・マンは他の多くのコースとは要求される性能が大きく異なるからです。

現行の車両規則では、空気抵抗を低く保ったままこれらのパッケージにおいて最大の効果を得るには、リアウィングやエンジンカバー、そして車両先端部の変更が有効となります。これまでのところ「1チームだけのレース」であるテストにおいて、満足行く結果を得ています。我々は、残された数週間で、開幕戦へ向けた準備を終えなくてはなりません。

アンソニー・デビッドソン (#1 TS040 HYBRID)
ゼッケン1を自分たちの車両に付けられるというのは本当に素晴らしいことで、これを堅守したいと思っています。昨年はチャンピオンを獲得し最高の気分でしたが、最大のレースであるル・マン24時間で勝てませんでした。

私個人よりも、チームとして、この6月の偉大なレースに勝つことが目標です。競争がさらに厳しいものになることは分かっており、昨年以上に運に恵まれることを望んでいます。

ル・マン24時間レースでは運を味方につけることも必要です。現行の規則になって2年目のシーズンなので、我々のTS040 HYBRIDは多くの領域で正常進化を遂げました。第一印象は良好で、今重要なことは改良を続け、チャンスを逃さないことです。

セバスチャン・ブエミ (#1 TS040 HYBRID)
ゼッケン1番を付けてのシーズンスタートはいつでも嬉しいものです。それは昨年の我々が成し遂げたことを表しているからです。

今年も出来る限り多くのレースで勝ちたいとは思っていますが、最大の目標は間違いなくル・マン24時間での勝利です。ル・マン24時間は獲得ポイントも倍なので、シリーズタイトル争いにも大きな助けとなります。

我々には昨年の時点で既に、素晴らしいTS040 HYBRIDがあるので、大きな変更をすることなく、さらなる進化を目指しています。全ての領域で少しずつ改良を重ねていけば、それはラップタイム向上につながります。我々の努力が報われ、昨年同様に上位争いが続けられることを期待しています。

中嶋一貴 (#1 TS040 HYBRID)
WECのシリーズにフル参戦出来ることになって最高の気分です。昨年は何戦かをTVで観戦することになり、チームと共に戦うことが出来ませんでした。

それだけにシルバーストーンでの開幕戦が待ち切れません。今年はアンソニー、セバスチャンと組むということで、きっと楽しいものになるでしょう。チーム構成は変わりますが、我々は2台で一つのチームとして同じ目標を持っています。今年は昨年同様、全てのレースでトップを狙い、ゼッケン1を守れればと思っています。

ゼッケン1が付いた自分の車両を見るのは素晴らしいことです。これまでのところ、アップデートされたTS040 HYBRIDの感触は良く、自信もありますが、まだやらなくてはならない作業も残っており、最良の状態で開幕戦を迎えられるよう準備をしなくてはなりません。

アレックス・ブルツ (#2 TS040 HYBRID)
希望に満ちた新シーズンがスタートします。我々はチームとして昨年タイトルを獲得しました。
今年の目標はそれに加えてル・マン24時間でも勝つことです。私自身にとっては3度目となるル・マンでの勝利を切望しています。我々は既に最初のテストを改良型のTS040 HYBRIDで行っており、2014年よりも早いラップタイムをマークし、加えて信頼性でも改良は進んでいます。

これらの面から見て、全てが順調と言えます。もちろんライバルもハードワークを重ねて来ていることは分かっていますが、全体的に見れば、それが耐久レースをさらに素晴らしくしてくれます。驚くべき技術で多くの開発が進んでいますが、それがライバルよりも上手く行っていることを願っています。

ステファン・サラザン (#2 TS040 HYBRID)
2014年はタイトル獲得など、信じられないようなシーズンでしたが、もちろん今年はさらに良いシーズンにしたいと願っています。

我々は既にTS040 HYBRIDの改良を進めており、テストは本当に上手く行っています。改良型TS040 HYBRIDの感触は非常に良く、思い切り攻めることが出来ます。チームは驚くほどの仕事ぶりでアップデートをこなしてくれました。我々は再び強さを見せられると思います。ライバルメーカーからの挑戦は激しく、厳しいものになると予想されるので、我々は集中してハードワークに励まなくてはなりません。

ドライバー、エンジニア、メカニック、我々全員がベストを尽くせば、必ず良いシーズンが過ごせると思います。我々の素晴らしいチームスピリットがあれば、再び力強いシーズンが戦えるはずです。

マイク・コンウェイ (#2 TS040 HYBRID)
自分が世界チャンピオンを目指して戦えることにとても興奮しています。チームのタイトル防衛に貢献できると確信していますし、楽しみです。アレックス、ステファンと共にまた戦えることも嬉しいですし、互いに多くを学べると思っています。

共にプッシュし合って、我々のパッケージからベストを引き出せるはずです。私自身は昨年バーレーンで初勝利を挙げることが出来ましたが、今年の目標は、昨年以上の勝利です。

そしてもちろん全員が、最大のレースであるル・マン24時間を見据えています。戦いがどれだけ厳しいものかを伝えるのは難しいですが、2015年仕様のTS040 HYBRIDは良好ですし、開幕戦を楽しみにしています。

小林可夢偉 (テスト兼リザーブ・ドライバー)
トヨタチームに戻れて喜んでいますし、チームと共に戦えるチャンスを与えられたことに感謝しています。チームスタッフの多くが、私がトヨタF1で戦っていた時を良く知っているメンバーなので、我が家に帰って来たような気分です。

すでにTS040 HYBRIDでのテストは行っていますが、最新のハイブリッド技術には感銘を受けました。チームにとって今年も重要な年となりますが、チームスタッフ全員との強力な協力体制を築いて、TS040 HYBRIDの開発に貢献出来ることを楽しみにしています。

MOTOR CARS.jp サイトTOPに戻る

経産省、トヨタを水素・燃料電池自動車の世界技術規則対応業者に登録

mirai-meti-approval20150323-4

登録により協定に加盟する31の国と地域で市場投入が可能に

経済産業省は平成27年3月23日付けで、トヨタ自動車を高圧ガス保安法に基づく「水素及び燃料電池に関する世界技術規則(gtr)」に対応する容器等製造業者として登録したと発表した。

行政は燃料電池車の普及を視野に、現行の高圧ガス保安法下で、安全性を確保しながら技術基準の改正を行ってきた。

行政側も水素・燃料電池車の技術基準改定に腐心

これを踏まえ経済産業省は「水素及び燃料電池の自動車に関する世界技術規則」を国内法令に取り込むため、高圧ガス保安法に基づく容器保安規則、器保安規則に基づく表示等の細目、容器再検査の方法等を定める告示などを平成26年(2014年)5月30日付けで改正した。

mirai-meti-approval20150323-3

一方でトヨタは経済産業省中部近畿産業保安監督部に対して、世界技術規則に対応する容器(国際圧縮水素自動車燃料装置用容器)に関して高圧ガス保安法に基づく容器等製造事業者の登録を申請。このほど経済産業大臣名により容器等製造業者として登録された。

トヨタ自動車のFCVの開発・製造に追い風

本来トヨタは、2014年8月に高圧水素タンクの「登録容器製造業者」として経済産業大臣の認可を取得済みであったが、今回の製造事業者登録により「車両並びに車両への取付け又は車両における使用が可能な装置及び部品に係る世界技術規則の作成に関する協定」に加盟する31の国と地域で、自ら高圧ガス保安法に基づく容器検査や刻印等を行い市場へ送り出せるようになる。

mirai-meti-approval20150323-1

このため、国際圧縮水素自動車燃料装置用容器について、高圧ガス保安協会等の容器検査を受ける必要がなくなり、同社が開発する「MIRAI(ミライ)」のようなFCV(水素・燃料電池自動車)の生産効率化に拍車が掛かる見込み。

「車両並びに車両への取付け又は車両における使用が可能な装置及び部品に係る世界技術規則の作成に関する協定」に加盟する国と地域は以下の通りとなっている。

オーストラリア、アゼルバイジャン、カナダ、中国、EU、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、インド、イタリア、日本、カザフスタン、韓国、リトアニア、ルクセンブルグ、マレーシア、モルドバ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ルーマニア、ロシア、スロバキア南アフリカ、スペイン、スウェーデン、タジキスタン、チュニジア、イギリス、アメリカ

なお水素スタンドでの充填時における最高充填圧力は87.5MPa(約860気圧、温度約85度)で、容器自体の使用期限は15年となっている。

mirai-meti-approval20150323-2

MOTOR CARS.jp サイトTOPに戻る

以下参考

【トヨタ既存リリース動画】新しい未来について豊田章男氏語る

ピレリワールドチャレンジ開幕戦、新型キャデラックATS-V.Rは3位スタート

1426149419125 のコピー

新型「キャデラックATS-V.R」今シーズン開幕を3位で飾る

キャデラックレーシングは、3月6日~8日に米国テキサス州オースチンで開催されたSCCAピレリワールドチャレンジ開幕戦で新型キャデラック『ATS-V.R』がデビューした。初日の7日はカーナンバー3番のジョニー・オコネル選手が3位、2日目はカーネンバー3番のジョニー・オコネル選手が7位となった。

キャデラックATS-V.Rは、新型キャデラック『ATS-V』をベースとしたレーシングカー。最高出力600psを発揮する3.6リットルV6ツインターボ「LF4.R」エンジンを搭載し、FIA GT3レギュレーションを満たすもの。

cq5dam.web.1280.1280 (1)

1986年から続くSCCAピレリワールドチャレンジ

SCCAピレリワールドチャレンジは1986年から続くシリーズ。キャデラック・レーシングは2004年にチームを立ち上げて以来、チーム・キャデラックは26勝し、91度の表彰台と22度のポールポジションを獲得している。
チームは2005年、2007年、2012年、2013年、2014年と5度のワールド・チャレンジ・マニファクチャラー・チャンピオンシップを獲得。ワールド・チャレンジ・ドライバーズ・チャンピオンシップでは、2005年にアンディ・ピルグリム選手。2012年、2013年、2014年は、ジョニー・オコネル選手が獲得した。

cq5dam.web.1280.1280

次回レースは、3月27日~29日にフロリダ州のセントピーターズバーグにあるSt. Petersburg Cadillac Grand Prixで開催。

MOTOR CARS.jp サイトTOPに戻る