メルセデス・ベンツ、44年振りの「新型Sクラス カブリオレ」欧州において公表


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ダイムラーAG(本社:ドイツ・ヴュルテンベルク州・シュトゥットガルト、取締役会会長:ディーター・ツェッチェ、以下、ダイムラー)は欧州時間の9月2日、Sクラスに44年振りの登場となるオープントップ車がラインナップに加わると公表した。

これでメルセデス・ベンツブランド最高峰のSクラスにオープントップモデルが遂に加わり、総勢6モデルのSクラスファミリーが完成した。

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この新しいSクラスカブリオレは、マグネシウム製の荷室隔壁など、随所にアルミ合金を含む軽量素材を採用。これらの軽く強靱なボディ構造材の採用により、Sクラスクーペに匹敵する車体剛性と、これまでの常識を覆す軽量ボディシェルを実現しているという。

また安全面に於いては、リアヘッドレスト後方に万が一の際、ガス発生器によって瞬時に立ち上がるロールオーバープロテクションシステムを搭載した。

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もちろんそうした安全面等の基本設計の高さは、今更云うに及ばすで、Sクラスカブリオレでは、車両設計上の課題をさらに高みに置き、例えオープントップモデルであったとしても、シリーズ最上級に相応しい居住空間の実現を目指したと云う。

具体的には、走行時に発生する風の巻き込みを最大限抑制する配慮で徹底した拘りを見せている。それは秋から冬に掛けて必要となるシートヒーターの搭載はもちろん、アームレストなど乗員が直接触れる各部全てに加熱ヒーターを内蔵したことからも見て取れる。

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さらに外気温が特に低下する冬期に合わせて、ヘッドレストから乗員の頭頸部周りの空気の循環を積極的に温めることで、これまでのオープントップモデルでは成し得なかった快適な運転環境を可能にした。

トップをひとたび格納してしまえば、常に外気にさらされる宿命のオープンモデルでありながら、乗員の居住空間は空調機能で完全に制御される。

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これらの制御にあたっては、12個のセンサーが車載コンピューターと通信を行い、四季折々の考えられる全ての条件で、理想的な快適性を維持・確保する。

搭載されるセンサーのタイプは、室内および外部温度の計測に加え、ダッシュボード上とリアシェルフ部には、太陽放射のレベルを検出するセンサーも備えている。

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露点センサーも備えており、これはフロントガラス上の湿度を測定し、刻々と変化する室内または外気温を監視、視界の確保という面で重要なフロントガラスに適切なブロワレベルと温度を提供していく。

この際もドライビングシートとパッセンジャーシートまわりは、空調温度だけでなく、キャビンを流れる空気の整流分配も制御していく。

例えば、足元の温度はドライビングシートと、パッセンジャーシートは、互いに独立して5段階で流動的に変化させていく。センターコンソールやドア、アームレストを含めた座席まわりは、モードボタンを押すだけで3つの異なる加熱レベルの間で最適感度を自動選択することができる。カブリオレ専用に用意された芳香をイオン化させた活性炭フィルタによる空気清浄機能も搭載可能である。

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またSクラスゆえに雨・風など様々な環境下、例えオープン4シーターであっても、走行中のノイズ低減には細心の注意を払われた。

ソフトトップは、三層構造のアコースティックソフトトップを標準搭載しており、外側の布カバーは、内側に水分バリアとしてブチル層を内蔵。以前のネオプレン層に比べ、大幅に騒音レベルを低下させている。

ソフトトップ自体の開閉は、センターコンソールにあるスイッチにより、毎時60km/hの速度以下であれば、移動中に開閉することが可能、開閉に掛かる時間は約20秒だ。

オープン走行時、ソフトトップ格納の際は、トップそのものを囲む電動格納式カバーが設定されており、荷室空間と格納されたソフトトップを完全に分離した状態で格納する。

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ソフトトップが閉じられた時には、先のソフトトップを覆う荷物室との仕切り部分は、トランクリッドの内側のパネルのボタンを押すことによって後退し、利用可能な荷物スペースを増加させることも出来る。またソフトトップは黒、ダークブルー、ベージュとダークレッドから選択可能だ。

話題をソフトトップから、ボディまわりのエクステリア面に移すと、まずフロントエンドは、単一のルーバーを搭載したブラックダイヤモンドのラジエーターグリルが目に留まる。

そこから2つの力強いキャラクターラインがボンネット上面へと伸びる。フロント下回りのバンパー部は、中央に大型のエアインテークが設けられ、ターンシグナルとデイタイムランニングランプには、スワロフスキークリスタルのLEDインテリジェントライトが装着される。

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全長5027mm・全幅1899mm・全高1417mmのボリュームを持つボディのCD値は0.29をマーク。これはこの種のオープントップ・セグメントで新しいベンチマークとなる数値である。

この優れた空気流特性は、空力上最適化されたリップ・スポイラー形状や、サイドミラー形状といった表面的な外観上の特徴は云うに及ばす、エンジンコンパートメントや、アンダーボディパネルの形状など、あらゆる部分の空力特性を最適化した結果である。

S500カブリオのV8エンジンは、335kW(455hp)の出力を有し、1800rpmで700Nmのピークトルクを発生。

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NEDC複合モードで、199g/kmのCO2排出量と、100kmあたりのプレミアムグレードのガソリン消費8.5リットルという高燃費を達成した。

このエンジンに組み合わされる9速オートマチックトランスミッションは、ダイナミックな走りと、省燃費運転の両方を細やかにサポートしていく。

また足回りでは、モード設定可変式の減衰制御を備えたセミアクティブエアサスペンションを標準装備した。
新しいSクラスカブリオレは、メルセデスベンツの高級コンバーチブルとして、かつて先代が存在した1960年代には切望して止まなかった夢の車を体現したモデルとなったと云えるだろう。

新しいメルセデスAMG S 4MATIC 63カブリオレ
併せてメルセデス・ベンツは、カブリオレにAMGモデルも追加された。S 63 4MATICカブリオレによりAMGは、その48年の歴史上で初めてのSクラス4シーターのカブリオレを提供することになった。

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その動力性能は、5.5リッターのV8 BITURBOエンジンを介して430kW(585hp)の出力を持ち、ピークトルクは900Nm、0-100km、3.9秒のパフォーマンスを発揮する。

コンバーチブルモデル特有の重量の増加に対しては、高度な鍛造プロセスによって製造されたAMG軽合金製ホイールや、高性能複合材料をボディ各部に使用することで極限まで抑えられている。

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NEDC燃料消費量は、100kmあたり10.4リットル。これは2ドア高性能モデルの競合セグメントの中では、最も燃料効率の高いモデルとなる。なおAMG S 4MATIC 63カブリオレは、フランクフルト国際モーターショーで正式なワールドプレミアとなり、市場投入は2016年の春に開始される予定という。

 

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