Bentley Motorsは9月9日、同社がSUVセグメントの概念を塗り替えると謳う新型モデル、Bentaygaを発表した。
Bentley Bentaygaは、高いラグジュアリー性にエフォートレスなパフォーマンスと日々の使いやすさを融合した新型SUVだ。
新設計のW12パワートレインを搭載し、設計、エンジニアリング、手作業による製作をCrewe本社で行うBentaygaのスタイリングは、躍動感と風格とが調和した佇まいを見せている。
https://www.youtube.com/watch?v=9RLol0mweX8
丸型のLEDヘッドライト4個と大型のマトリックスグリルから特徴的なパワーラインを通って逞しいリアハンチまで、BentleyのDNAを余すところなく表現したという。
Bentaygaの心臓部には、新設計の6.0リッターツインターボW12エンジンを搭載。この強力な12気筒ユニットは、圧倒的な出力とトルクに効率性と燃費性能も兼ね備えている。
実際、発揮する最高出力は、608 PS(447 kW)、最大トルクは、900 Nmを発生し、0-100 km/h加速は4.1秒、最高速度は301 km/hと世界最速のSUVとなった。
Bentaygaの走行テストは五大陸に渡って行われ、Bentleyブランド史上最も過酷なものとなった。
南アフリカの泥道や砂利道からドバイの砂丘、英国チェシャーのぬかるんだ土地、マイナス30°Cの凍り付くようなノールカップ、さらには焼けつくような50°Cの砂漠でテストを実施した結果、Bentaygaは、どのような路面でも、どんな過酷な環境でも、持てる性能が十二分に発揮されることが証明されたという。
またBentaygaは、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェサーキットも400周以上走行し、そこでシャシーの動的性能の向上とそれに関連するコントロールシステムおよびスタビリティシステムの微調整が行われた。
なおBentaygaには、Bentley Dynamic Rideが導入されている。これは、世界初となる電動式アクティブ・ロール・コントロール技術で、他の市販車では例を見ない48Vのシステムを採用。
先駆的に採用したこの48Vシステムにより、瞬時の反応と十分なパワーが得られ、あらゆる路面に対応できる。
こうした高度に洗練されたシャシー技術と、エレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)を組み合わせることにより、クラストップの快適な乗り心地、操舵感、操縦性を可能にしている。
Bentley MotorsのWolfgang Durheimer会長兼CEOは、「BentaygaはBentleyらしさを追求したSUVです。
細部への徹底したこだわりと高い走破性、そして最先端技術が融合したこの車は、SUVセグメントにおけるラグジュアリーという概念を再定義するとともに、どのような環境でも真のBentleyらしさを体感することができます。
この素晴らしい車が、Bentleyの成長と売上に貢献することを期待しています。Bentaygaは当ブランドのさらなる飛躍への第一歩なのです」と述べている。
Bentaygaは、9月15日~27日まで開催されるIAAフランクフルトモーターショーにて初公開され、納車開始は2016年初めとなる予定。
インテリアと各種装備
・選び抜かれたウッドパネルの種類は7種類。Bentleyの職人が一枚一枚加工した15枚のウッドパネルは、Bentleyらしく細部にまでこだわって仕上げられている。
手作業で製作され、磨き上げられた金属部品もダッシュボード、センターコンソール、ドライブモードセレクター、シフトノブ、伝統のブルズアイベント、オルガンプルにはBentleyのトレードマークであるローレット加工を施し、洗練された雰囲気と触れたときの心地良さを追求した。
・Creweでひとつひとつハンドクラフトされたフロントシートはクッションとバックレストボルスターが調整式で、シート全体で22通りの調整が可能。
座り心地の良さをさらに引き立てるため、マッサージシステム、シートヒーターそしてベンチレーションに6種類のプログラムを設定している。
採用したレザー素材は、ヨーロッパの涼しい気候の下で飼育された雄牛から採取し、自然素材を用いてなめし、余計な加工をしていない状態の革の中から、実際に使用するレザーハイドを選ぶ。
レザーハイドは15色。3種類のデュオトーンカラースプリットとモノトーンカラーが用意された。
・Bentleyのドライブ・ダイナミクス・モードおよびオプションのレスポンシブ・オフロード・セッティングの走行モードは、最大8種類の選択肢がある。
レスポンシブ・オフロード・セッティングでは、ドライバー・インフォメーション・パネルにピッチ、ロール、ホイールアーティキュレーション、ステアリングアングル、コンパス方位、標高が表示される。
一方、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)では、ストップアンドゴー、プレディクティブACC、トラフィックアシストが含まれ、ドライバーは先行車との車間距離を一定に保つことができ、走行状況に応じて車速を増減するなど快適性と燃費を向上させる。
・都市部を走行する際は、各種道路標識を検出してドライバーに表示する道路標識認識システム、駐車スペースからバック発進する際に後方を横切る車両等がないかレーダー技術で検出するリア・クロッシング・トラフィック・ウォーニング、カメラ4台を使って車両全周囲の画像を表示するトップビューなどを組み合わせ、ドライバーをアシストする。
・Bentaygaのために新設計された最先端のインフォテイメントシステムは8インチのタッチスクリーンを装備。
クラストップのナビゲーション技術と、60GBのハードドライブを採用し、30カ国語に対応する。
また後席乗員の利便性を考え、Bentleyエンターテイメントタブレットも導入。これは10.2インチの取り外し可能なAndroid端末で、4G、WiFi、Bluetoothに対応し、車内で高速通信を利用可能にする。
・サウンドシステムは3種類を用意。Bentleyスタンダードオーディオ、Bentleyシグナチャーオーディオ、Naim for Bentleyプレミアムオーディオから選択できる。
中でもNaim for Bentleyプレミアムオーディオは1950Wと、同セグメントで最高の出力を誇り、18スピーカーとスーパーツイーターを採用、可聴周波数の上限まで忠実に再現する。
エクステリア
・自動車業界では最大となるアルミの一枚板を採用。従来の車体構造より236 kgの軽量化を果たしている。
マトリックスグリルの両側にLEDヘッドライト4個を配置。各ヘッドライトは、スーパーフォーミング加工された継ぎ目のないアルミ製フロントフェンダーに段差もなく装着された。
またBentleyのデザインチームは、Bentaygaの高い走破性を印象付けるために、フロントバンパーの下部にスタイリッシュなスキッドプレートを組み込んだ。
一方リアは、区切りのあるデザインのテールライトの中に、一目でBentaygaだと分かるようなBの形に光るグラフィックを採り入れ、夜間に目を引くスタイルに仕上げた。
・テールゲートを自動で開くと、広くて実用的な収納スペースが現れる。
さらに、Bentaygaならではのユニークな装備となる折り畳み式イベントシートを、オプションで取り付けることが可能だ。
車を少し停めて大自然に触れたり気分転換をしたりするときに最適な新感覚の折り畳み式レザーシートは、室内のシートに合わせたデザインで細部にまでこだわって製作され、車両後部にぴったりと収まる。
パフォーマンス
・Bentaygaの心臓部となるのは、Creweで製作された新設計のW12 TSIエンジン。
この6.0リッターツインターボユニットは、効率性と環境性能だけでなく、圧倒的な出力とトルクも兼ね備えている。
新設計のW12エンジンは、直接噴射式と間接噴射式の両方を採用。2種類の噴射方式を組み合わせ、途切れなく切り替えることで、大幅な燃費向上の実現、微粒子排出量の低減、出力とトルクの最大限の伝達を可能とした。
CO2排出量 292 g/kmという優れた効率性を可能にしたのは、一定の条件下で、エンジンの半分の気筒を休止するBentley可変シリンダーシステムのおかげだ。
指定の気筒において、吸気バルブと排気バルブ、燃料噴射、点火などがすべて休止し、6気筒エンジンとして稼働するため、効率性向上につながる。
・こうした世界最先端の技術を採用した12気筒エンジンの最高出力は6,000 rpmで608 PS(447 kW)、1,250 rpm~4,500 rpmで900 Nmの最大トルクを発生。Bentaygaの0-100 km/h加速は4.1秒、最高速度は301 km/hに達する。Bentaygaには今後、ディーゼル搭載モデルとハイブリッドモデルも投入する予定。
・このエンジンに組み合わされるのは8速オートマチックギアボックス。オフロード走行に求められる高いトルクに対応できるようトランスミッションと全輪駆動システムを強化した。
・また最新式のスタート・ストップテクノロジーも採用。車両が停止しているときだけでなく、5速から8速で走行中にドライバーがアクセルペダルを戻したとき(高速道を一定速度で走行中などのとき)、車両がトルクコンバーターを開放することでエンジンがアイドリング状態となり、惰性で走行することができる。
アクセルペダルを再び踏み込むか、下り坂で速度が上昇した場合は、トランスミッションが再び接続される。
BentleyのパーソナライゼーションとMullinerによる特別なオプション
・Bentaygaはエクステリアカラーやレザー、ウッドパネル、そしてライフスタイルに合わせたオプションなどを無限に取り揃え、ユーザーひとり一人に合わせて特別車両を仕立て上げる。
・ボディカラーは、標準のカラーパレットだけでも17色のエクステリアカラーがあり、オプションを含めると最大90色の中から選択可能。
・豪華なカーペットもオプションで15種類。ハンドクラフトされたウッドパネルは7種類、インテリアを彩るレザーハイドは15種類を用意。また、20インチから22インチまでの特注の新アロイホイールも加わる。
・Bentaygaの発売にあわせ、Linley社が特別製作した最高級の磁器製カトラリーと陶器製食器とクリスタルグラスのセット、ボトルクーラー、乾いた物を収納できるスペースなどをひとつにまとめたMullinerハンパーセットも発売する。
さらにBreitling社が特別に製作した機械式時計、Mulliner Tourbillon by Breitlingも設定されている。
腕時計の中でも最も複雑といわれる機構を採用したMulliner Tourbillonは、車両に設けられた精密な巻き上げ機構によって定期的に自動巻される。
この超高級腕時計は純金を機械加工して製作。文字盤はマザー・オブ・パールまたはブラックエボニーのどちらかとし、ダイヤモンドのインデックス8個を配している。
主要諸元
エンジン : 6リッターW12ツインターボTSI
最高出力 : 608 PS / 447 kW @ 5250-6000 rpm
最大トルク : 900 Nm @ 1250-4500 rpm
トランスミッション :
ZF製8速オートマチックギアボックス、常時全輪駆動、トルセン式センターデフ、オープンリアデフ、フロント40対リア60のトルク配分
変速比 :
1速:4.71、2速:3.14、3速:2.1、4速:1.67、5速:1.29、6速:1.00、7速:0.839、8速:0.667、減速比2.85