アクサルタ、世界自動車人気色調査年次報告書2024を公開

液体・粉体塗料の国際サプライヤー、アクサルタ・コーティング・システムズ社(Axalta Coating Systems Ltd.、/本社:米ペンシルベニア州フィラデルフィア、CEO:クリス・ビラバラヤン/Chris Villavarayan)は3月31日、アクサルタ第72回世界自動車人気色調査年次報告書(Axalta’s 72nd Global Automotive Color Popularity Report)を公開した。

今年で創業159年を迎えた(設立は1866年)アクサルタ社の第72回世界自動車人気色調査年次報告書を読み解くと、今日に至る自動車の色の好みがどのように変化しているかを詳しく知ることができる。

それによると業界が進化するにつれて、消費者の好みも変化していることが分かり、かつ幅広いデザイントレンドを反映した色の選択肢の変化や、より個性的でダイナミックなテクスチャーへの欲求が高まっていることが判る。

なお、より具体的には2024年も、ホワイトやグレーなどのクラシックな色調が引き続き優勢となり、洗練されたエフェクト重視の色を好む傾向が強まった。

結果、2024年の世界自動車人気色調査年次報告書では、微妙でありながらインパクトのある変化が明らかになっている。そこでここでは個々の人気色を取りあげて順に紹介していく。

まずホワイトのシェアは31%で引き続き最も人気のある色で、パール仕上げの需要が高まっており、洗練さへの嗜好を反映している。

グレーは23%に上昇したが、ブラックソリッドはダイナミックエフェクト仕上げを選択する消費者が増えたため、わずかに減少し、エフェクトフィニッシュが17%増加した。

かつて優勢だったシルバーは、消費者がより個性的な外観を求めたため、9%に低下にした。

レッド、ブラウン/ベージュ、グリーンは横ばいだったが、ブルーは6%に減少した。

続いてイエロー/ゴールドも減少が続き、1%未満となった。 全体として、2024年のカラーパレットは、クラシックな色合いと洗練された光が変化する状態が好まれる傾向となり、今後は更に、色彩に対する消費者のトレンドが、より複雑になっていく流れを見せている。さて以下は国別・エリア別の傾向について説明していく。

北米(North America)

北米での2024年のトレンドはクラシックな色合いが好まれ、そのなかでホワイトが33%でリードしている。そのうちソリッドは17%と、2023年の11%から増加した。

グレーも根強い人気があり、20%わずかに下回る程度に留まった。 ブラックは19%で安定基調。そのうちエフェクトフィニッシュは12%に増加した。

シルバーは8%下落し、ブルーは9%上昇した。 レッドは6%に減少し、グリーンとイエロー/ゴールドは小粒ではあるが独自の存在感を維持した。 今後はホワイトとグレーが好まれる傾向で、深みのあるブラックと洗練された仕上げへの関心が高まっている。

ヨーロッパ(Europe)

ヨーロッパでの2024年のトレンドはニュートラルで洗練されたテイストに変化した。 但しホワイトは引き続き25%でリードし、17%がソリッド、8%がパール系色彩となった。

グレーは1位を失って24%に後退し、ブラックは23%の僅差で続き、20%がエフェクトフィニッシュ、3%がブラックソリッドとなっている。

ブルーも3%に減少したが、シルバーは9%で安定している。 レッドは3%まで下落を続け、ブラウン/ベージュとグリーンは2%を維持した。 イエロー/ゴールドは1%を下回り、その他の色は2%とった。 パレット上では、クラシックかつ洗練された色彩への欲求が溜まりつつある。

アジア(Asia)

アジアでは、ホワイトが依然として優勢なものの、地域の好みは分散して様々な様相となった。

特にブラック系エフェクトフィニッシュは、むしろ大胆で光沢のあるテクスチャーへの移り変わりを予感させる。

なや日本はパールホワイトを好み、インドはアースカラーに傾倒し、韓国は鮮やかなブルーを好み、中国は印象的なブラックに着目した。但しこれらのトレンドは、伝統と革新を組み合わせたものとなっている。以降は日本にフォーカスを当てて説明していく。

日本(Japan)

日本市場ではホワイトが38%でトップとなり、パール仕上げを好む傾向も強まっている(29%)。 ブラックはソリッド(4%)とエフェクト(14%)に分かれ、グレーは3%、グリーンは1%増加した。

シルバーは7%に低下し、他の色からの比較では、その存在感は小さくなっている。

なお先のブラックのエフェクトフィニッシュが好まれることは、耐久性のあるパールホワイトと共に、高光沢テクスチャーへのシフトを示しているようだ。

アクサルタの世界自動車人気色調査年次報告書の内容は、アクサルタが主要市場に於ける2024年の自動車製造データを分析した結果として纏められているため、現在の市場動向の指標となっている。

アクサルタは、1953年に産業界のコーティングカラーに関するレポートを開始。カラートレンドとカラープリファレンスについてレポートを発行し続けてきた。

その詳細については、アクサルタ社の世界自動車人気色調査年次報告書とカラートレンド報告書と消費者嗜好調査報告書を閲覧されたい。過去の報告書は当該URLから参照することができる。