大成建設グループの道路舗装会社・大成ロテック(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:加賀田健司)と日野自動車(本社:東京都日野市、代表取締役社長:小木曽聡)は7月18日、無人自動運転荷重車両(レベル4相当)を実用化し、大成ロテックが新たに開所した国内民間企業初となる次世代舗装実験施設「舗装のテストコース」で、舗装耐久実験を開始する。
両社は、これまで大成ロテックの舗装のテストコース(福島県田村市)で、無人自動運転荷重車両の実用化に向けた運行テストを重ねてきた。
これらのテストで車両の安全性・有用性を確認できたため、同日から開始する舗装耐久実験で、国内初、24時間無人で運行する自動運転荷重車両5台の実用化実証に入る。
これにより、短期間での舗装の耐久性評価が可能になると共に、省人化による生産性向上にも寄与させていきたい考えだ。
次世代舗装実験施設
施設は、舗装の耐久性を短期間で評価することができる国内民間企業初の施設。
1周909mの舗装のテストコースを5台の自動運転荷重車両を昼夜問わず走行させ、耐久性の評価に要する時間を大幅に短縮することができる。
また、新たな舗装用材料や構造の耐久性を評価する他、理論設計方法の検証や舗装材料の力学試験結果などから舗装の耐久性を予測する手法の確立に向けた実証実験などを行う。
道路舗装の耐久性向上により、舗装の建設から維持管理までのライフサイクルでのCO2排出量削減が期待されている。
自動運転荷重車両
今回使用する自動運転荷重車両は、ベース車両である大型トラック「日野プロフィア」に自動運転技術を搭載し、5台の車両が舗装のテストコースを40km/hで走行させる。
自動運転荷重車両の走行位置や経路はLiDAR※4、GNSS※5データ、カメラで把握し、運行管制システムによって安全な車間距離を保つと共に、人および障害物を検知すると停止する。
また、自動運転荷重車両は、トラックヤードからの入退場(舗装のテストコースからトラックヤード内部まで)も自動運転で移動でき、こうした機能によって一連の走行の無人化を実現している。
各社コメント
・大成ロテック 代表取締役社長 加賀田健司氏
大成ロテックは、舗装分野のさまざまな課題を解決することを目指して、日野自動車様と連携して5台の無人自動運転荷重車両による舗装の耐久性試験を本格的に開始するに至りました。今後は、当該施設での検証を経て次世代の舗装技術を普及させ、人々のためにより良い環境を創造してまいります。
・日野自動車 日本事業COO 佐藤直樹氏
これまで走行試験を重ね、パートナー各社の協力のもと、ようやく無人自動運転荷重車の実用化に至りました。本取り組みは、自動運転技術を活用した日野として初めての事業となります。大成ロテック様の社会インフラ構築に貢献していくとともに、日野はさらなる人流・物流の課題解決に取り組んでまいります。
▼舗装のテストコースでの「無人自動運転荷重車両」紹介動画
日野自動車は、自動運転技術を活用し、今後も物流の2024年問題および労働力不足に伴う社会インフラの機能維持といった社会課題の解決に取り組むことで、持続可能な社会へ貢献していくと結んでいる。