本田技研工業傘下のホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)は7月24日、モントレー・カー・ウィーク(MCW)の期間中に1990年FIAフォーミュラ・ワン世界選手権でアイルトン・セナが使用した最後のホンダV10エンジン、RA100EのV805番をオークションに出品する。
このエンジンはマクラーレン・ホンダMP4/5Bに搭載されていた。オークションは8月15日、カリフォルニア州カーメルのボナムズ・クエイル・オークションで開催される。
2025年4月にHRCが新たな事業として発表したこの記念品事業は、貴重なレースマシン、エンジン、そしてそのパーツを販売することで、世界中のコアなモータースポーツファンに真のモータースポーツ史の一部を所有する機会を提供することを目指している。その事業の第一弾は、セナのV10エンジンとなる。
HRCの熟練メカニックによって丁寧に分解されたエンジンは、すべてのパーツを収めた美しい展示ケースに収められ、オークションに出品される。
このシリアルナンバーV805のエンジンは、1990年10月に鈴鹿サーキットで開催された日本グランプリのウォームアップセッションと、11月4日にアデレードで開催されたオーストラリアグランプリの決勝セッションで、セナによって使用された。
エンジンには真正性を証明するHRC発行のオリジナル証明書が付属する。
通常、この時代のホンダF1エンジンは日本に返却され、分析や摩耗・疲労試験のために分解された後、廃棄されることが多かった。
しかし、1990年はV10エンジンの最終年であり、翌年のV12エンジンの開発が既に開始されていたため、V805は分解されることなくオリジナルの状態で保存された。
これは、アイルトン・セナが実際にレースで使用した最後のホンダF1 V10エンジンであり、非常に貴重な歴史的資料となっている。
毎年8月、カリフォルニア州モントレー半島では「モントレー・カー・ウィーク」が開催される。これは、コンクール、オークション、ヒストリックカーレースなど、1週間にわたるイベント。世界中から愛好家やコレクターが集まり、歴史的に重要な自動車を鑑賞し、入札を行う。
HRCは今後、オークションなどを通じて日本国内でも事業を拡大していく予定。
アイルトン・セナが使用した最後のホンダV10エンジン、1990年ホンダRA100EのV805の写真がケースに展示されている。