ステランティス.N.V(本社:オランダ・アムステルダム、CEO:アントニオ・フィローサ)は7月16日(オランダ・アムステルダム発)、水素燃料電池技術開発プログラムを中止することを決定した。
水素燃料供給インフラの不足、多額の資本要件、そして消費者への強力な購買インセンティブの必要性を鑑み、同社は2020年代末までの水素燃料小型商用車の普及を見込まないとした。
上記を踏まえ同社は、水素燃料の新型Pro Oneシリーズの発売を取りやめた。当初計画が予定通りに進んだ場合、システムの量産はフランスのホルダン(中型バン)とポーランドのグリヴィツェ(大型バン)で今夏開始される予定としていた。
この決定について欧州事業の最高執行責任者(COO)を担うジャン=フィリップ・インパラト氏は、「欧州の厳しいCO2規制への対応に全力で取り組んでいる現状況を踏まえ、当社は水素燃料電池技術開発プログラムを中止することを決定しました。
その理由は、今の段階にあっても水素市場は依然としてニッチな分野であり、中期的な経済的持続可能性は見込めない環境下にあるためです。
まずは今日、現行製品の市場競争力を確保し、電気自動車およびハイブリッド乗用車・小型商用車戦略を通じて、お客様の期待に応えるためには、明確かつ責任ある選択をしなければなりません。
なお、この決定はステランティスの生産拠点の人員配置には影響しません。水素技術に関する研究開発活動は他のプロジェクトに振り向けられます。
なお水素分野の現状は、様々なステークホルダーにとって財務上の課題も抱えています。こうした状況を受け、ステランティスはシンビオの株主と協議を開始し、現在の市場への影響を評価し、それぞれの義務に基づき、シンビオの利益を最大限に確保することを目指しています」と結んでいる。