アウディ、A6 Sportback e-tron / Avant e-tronを発売

アウディ ジャパン(本社所在地:東京都品川区、ブランド ディレクター:マティアス シェーパース)は7月24日、東京都新宿区に報道陣を募り、アウディのプレミアムアッパーミッドサイズの電気自動車(BEV)であるAudi A6 e-tronシリーズとスポーツグレードのAudi S6 e-tronシリーズを同日より全国のアウディ正規ディーラー(126店舗、現時点)を通じて発売することを明らかにした。

Audi A6 e-tronシリーズは、アウディがポルシェと共同開発した、スポーティでハイパフォーマンスな電気自動車プラットフォームPPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)を採用した、Audi Q6 e-tronシリーズに次ぐ2番目のモデル。

PPE採用モデルとして初めてのフラットフロアコンセプトモデルでもある。このPPEにより、優れた走行性能、一充電走行距離、効率、充電、そしてアッパークラスに匹敵する広い居住空間が可能になった。

発売するのは、Audi A6 e-tronシリーズから、4ドアクーペのAudi A6 Sportback e-tron performanceと、ステーションワゴンのAudi A6 Avant e-tron performanceという2タイプで、各タイプにスポーツグレードのAudi S6 Sportback e-tron quattroおよび Audi S6 Avant e-tronを設定した。

エクステリアは空力に優れたパワフルかつ、スポーティプロポーションを持つ。インテリアにはドアからダッシュボードを通ってドアまで機能的な素材で覆ったソフトラップ、エルゴノミクス(人間工学)の観点で最適化された複数の最先端ディスプレイからなるデジタルステージを採用。

これらはアウディの新しいデザイン哲学によって一貫した美意識が形づくられているという。Audi A6 e-tronはオプションで第2世代の電動格納機能付きバーチャルエクステリアミラー、透明/不透明の切り替えが可能なスマートパノラマガラスルーフ、リヤのフォーリングスを赤く点灯させるイルミネーテッドAudi ringsなど、多くの機能も提供される。

特に、一充電走行距離(WLTCモード)で、Audi A6 Sportback e-tron performanceは769km、Audi A6 Avant e-tron performanceは734kmを走破する。

更にAudi A6 Sportback e-tron performanceにオプションのレンジプラスパッケージを装着した場合は、一充電走行距離が846kmとなり、国内で販売の電気自動車の中で最長の一充電走行距離が達成される。

この優れた一充電走行距離の達成には、アウディ史上ベストの空力性能Cd値0.21(Audi A6 Sportback e-tron prformance)も大きく貢献していると謳っている。

エクステリア:エレガントでプログレッシブ

エクステリアは、ダイナミズム、プログレッシブ、エレガントであることに焦点を当てた、クリーンなデザインとした。

Audi A6 e-tronのフロントは、調和がとれた豊かな表情を持ち、スリムなデザインのデイタイムランニングライトと幅の広いグリルにより、フラットかつワイドに見える。

閉ざされたブラックマスクに囲まれたシングルフレームグリルが、アウディの電気自動車e-tronモデルであることを主張している。

Audi A6 e-tronの低く力強いボディがダイナミックなルーフラインを支え、quattro(クワトロ)ブリスターの彫刻的で筋肉質な形状がquattro四輪駆動を強調させている。

車両の心臓部にあたるバッテリーは、シル部分のブラックインサートによって強調。このインサートはフラット、スリム、そしてダイナミックな印象を与え、リヤまで伸びてリフレクターと一体化することで、Audi A6 e-tronの視覚的に伸びやかなエクステリアデザインを実現させる構成要素のひとつとなった。

AvantタイプはDピラーが前方に鋭角に傾斜した非常にフラットなルーフラインが特徴で、Aピラーからルーフスポイラーにかけてのアルミ調のトリムは、Audi A6 Avant e-tronの新しい特徴となっている。

リヤはスポーティなエレガンスとパワフルな印象を融合。クリーンな構造と連続した立体的なライトストリップが組み合わさって、明瞭さと落ち着きを与えている。

特に、Sportbackのスポイラーリップはリヤを印象付け、目を引くリヤディフューザーとともにスポーティでダイナミックな外観をさらに強調する。

Audi A6 e-tronには、エアロホイールとして設計された19インチのプラチナムグレー5アームダイナミックデザインアルミホイールが標準装備され、オプションのS lineパッケージには20インチのブラックメタリックポリッシュ仕上げの5スポークトライポッドデザインアルミホイールが用意された。

Audi S6 e-tronには20インチホイールが標準装備され、21インチのアルミホイールがオプションとして用意される。

卓越したエアロダイナミクス

同車がミリ単位で徹底的に最適化したとするAudi A6 Sportback e-tron performanceの空力ボディは、アウディ史上最も優れたCd値0.21を実現し、これが一充電走行距離(WLTCモード)769kmに貢献した(Audi A6 Avant e-tron performanceはCd値0.24、一充電走行距離726km)。

フロントは空力的に最適化され、エアカーテンがフロントおよびホイール周りの気流に良い影響を与える。

グリーンハウスは非常にスリムで、ルーフラインは後方に向かって傾斜。Audi A6 e-tronのシングルフレーム下にある制御可能な冷却エアインテークにより、このゾーン周辺の空気が最小限のロスで流れるようになっている。

今回アウディは、このシステムを追加コンポーネントで最適化。アンダーボディも高い密閉性と各種コンポーネントの細かな最適化を施した。

より具体的には、特別に用意されたホイールトリムやフロントホイール前方の3Dバンプ(空力最適化パーツ)が、SportbackとAvant用それぞれに最適化され、その他アンダートレイ、バッテリー、リヤアクスル、シルパネルも最適化された。

また幅広く空力的に最適化されたディフューザーにより、リヤアクスルの揚力とCd値の最適なバランスの実現に配慮したという。

加えてAvantには、ディフューザーに追加のスポイラーも装備された。A6 Avant e-tronのリヤにはサイドスポイラーの形をした空力エレメントが装備され、空気の流れをコントロールする。

また、低いルーフエッジスポイラーは、車両後方に小さな「静水域」(空気の流れがほとんどない領域)を作り出し、これもまた空力性能を向上させている。

これに第2世代のバーチャルエクステリアミラーがオプションで用意される。電動で格納できるようになったコンパクトなカメラは、空力が最適化され、車両の前面投影面積を低減させることで、空気抵抗係数を改善し、風切り音を低減させる。

革新的なライティングテクノロジー

Audi A6 e-tronシリーズのヘッドライトとリヤライトは立体的なデザインとなっており、デジタルライトによるシグネチャーが未来感を演出して、現実とデジタルワールドを結びつけた。

フロントにはLEDテクノロジーを備えたデジタルライトシグネチャーを、リヤには第2世代のデジタルOLEDリヤライト(デジタルOLEDリヤライト2.0)をオプションで用意した(Audi S6 e-tronは標準装備)。

マトリクスLEDヘッドライトには45個のLEDセグメントを装備し、オプションのデジタルライトシグネチャー装着時には、MMIから8パターンのライティングを選択することができる。

また、第2世代のデジタルOLEDリヤライトでは、450のセグメントを持つOLEDパネル10枚が使用され、MMIから8パターンのライティングシグネチャーを選び、特別に開発されたアルゴリズムによって毎秒数回新しい画像を生成する。

このアクティブデジタルライトシグネチャーは、アウディのライティングテクノロジーの未来を示している。

また、他のアウディモデルに既に取り入れられている近接検知機能が拡張され、エグジットワーニングが作動する状況や、前方に障害物を検知した時、あるいはハザードランプ点灯時等、車両周辺の状況に合わせて通常のテールライトグラフィックスに加て、警告シンボルを表示して、周囲に注意を促すコミュニケーションライト機能が搭載された。

更にオプションの、リヤのフォーリングスを点灯させるイルミネーテッドAudi ringsにより、アウディのコーポレートアイデンティティが強調され、Audi A6 e-tronに独自の個性が与えられる(Audi S6 e-tronは標準装備)。

インテリアとAudi MMIパノラマディスプレイ

Audi A6 e-tronの3Dかつ高いコントラストを持つインテリアデザインは、要素を意図的に前後に配置して、デザインとエルゴノミクス(人間工学)の観点から、乗員に最適化された空間設計となっている。

MMIパノラマディスプレイは、曲面デザインとOLED技術を備えた11.9インチのAudiバーチャルコックピットと14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成され、オプションのテクノロジーパッケージに含まれる助手席用の10.9インチのMMIフロントパッセンジャーディスプレイと共にデジタルステージを形成している。

MMIフロントパッセンジャーディスプレイでは、アクティブプライバシーモードにより、助手席の乗員はドライバーの運転を妨げることなく、エンターテイメントコンテンツを楽しむことができる。

速度やシートの占有状況に応じて、プライバシーモードをオンにしたり、またはコンテンツを全員が見えるようにすることができる。

OSにはアウディとしてはじめてAndroid Automotive OSを採用し、標準のアプリケーションに加えて、YouTubeなどのサードパーティのアプリをダウンロードして利用することも可能。アプリストアのコンテンツは常に最新に更新される。

オプションのARヘッドアップディスプレイは、ドライバーに向かってフロントガラスに、速度、交通標識、アシスト情報、ナビゲーションシンボルなどの関連情報を、車両から約最大200m先に焦点を合わせた位置に仮想表示することで、ドライバーの視線の移動を最小限に抑えることができる。

インテリアでは、ソフトラップインテリアがドアからドアへとパネル全体にわたって広がり、乗員を包み込むような空間感を生み出す。

素材は機能的な観点から選ぶと共に、様々なエリアを差別化させた。快適さを重視したエリアは、広々とした表面と柔らかい素材でデザインされており、その一方で、操作・コントロール類には高品質なハイグロスブラックを採用し、車両操作に必要な明確さを確保した。

低く配置された細いエアベントは背景に溶け込むように見える。オプションの第2世代バーチャルエクステリアミラーのディスプレイもソフトラップの中に溶け込み、Aピラーとドアシルの明確に見える位置に配置されている。

そして、ミラーからミラーまでデジタルインストルメントパネル全体に広がり、ウィンドシールドのベースにあるダイナミックインタラクションライトを介して接続されている。ミラー調整、ライティング、およびロックシステムなどの主要な機能は、ドライバー側のドアのセントラルコントロールパネルにコンパクトに統合された。

一充電走行距離と充電性能

強力でコンパクトかつ高効率な電動モーターと、PPEのために新たに開発されたリチウムイオンバッテリー(12モジュール、180個のプリズマティックセル、総電力量100 kWh [正味容量94.9 kWh])により、先の通りAudi A6 Sportback e-tron performanceの一充電走行距離は769km、Audi A6 Avant e-tron performanceは734kmを実現した。

両モデルは1基の電気モーターを搭載した後輪駆動で、システム最高出力280 kW∗3 を発揮して、アウディらしいスポーティなドライビングエクスペリエンスを提供する。

0から100 km/hまで5.4秒で加速し、最高速度は210 km/h。これにAudi A6 Sportback e-tronに、新世代のバーチャルエクステリアミラーとアダプティブエアサスペンションを組み合わせたオプションのレンジプラスパッケージを装着した場合は、一充電走行距離が846kmとなり、日本国内最長の一充電走行距離を達成する電気自動車となる(当社調べ:2025年7月時点)。

一方、Audi S6 Sportback e-tron / S6 Avant e-tronは2基の電気モーターを搭載したquattro四輪駆動で、システム最高出力405 kW∗3 を発揮。0から100 km/hまで3.9秒で加速し、最高速度は240 km/h。一充電走行距離は、Audi S6 Sportback e-tronが726km、Audi S6 Avant e-tronが706kmとなっている。

Audi A6 e-tronは、プレミアム チャージング アライアンス(Premium Charging Alliance:PCA)をはじめとする150kWの急速充電器を利用時には、最大135kWの充電が可能で、充電状態(SoC)10%から80%の充電を約35分で行う。AC充電には最大8kWに対応する。

高度な回生システム(回生ブレーキ)は、Audi A6 e-tronの効率と一充電走行距離を向上させる重要な要素となる。このシステムは最大220 kWを回生し、日常のブレーキプロセスの約95%に対応する。

温度とバッテリーの充電状態が重要な役割を果たす。回生はフロント・リヤ両アクスルで行われるが、軽度の減速は効率化のためにリヤアクスルで行われる。また、より強力な電動モーターにより、後軸での回生ブレーキ性能が向上する。

プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)の一環として、従来のe-tronモデルで馴染みのある統合ブレーキシステム(iBS)が大幅に強化され、前後アクスル毎に、機械的な摩擦ブレーキと電動モーターによる回生ブレーキのブレーキブレンディング(最適組み合わせによるブレーキング)が可能となった。

これらは、これまでのe-tronと同様、Audi A6 e-tronには2段階の回生オプションがあり、ステアリングホイールのパドルで調整可能。

コースティングも可能で、ドライバーがアクセルペダルから足を離すと車両は惰性でのコースティング走行する。

もう一つの仕様として「B」ドライブモードがある。このモードでは「ワンペダルフィーリング」に近い、強力な回生減速を行なう。先を見越した予測運転スタイルでは、ほとんどすべての減速を「B」ドライブモードで、ブレーキペダルを踏まずに制御することができる。

精密なドライビングダイナミクスと高い快適性

アウディの典型的なDNAはサスペンションにも反映されている。ここでは、明確に定義されたセットアップの哲学があり、走行ダイナミクスと俊敏な走行感覚を提供する。

オプションのアダプティブエアサスペンション(ダンピング制御付きエアサスペンションシステム)は、優れた乗り心地とスポーティなハンドリングを両立させた。

速度や好みに応じて、特定の道路条件に適応し、車両の高さを4つのレベルで調整する。アウディドライブセレクトのエフィシェンシーモードでは、速度に応じてサスペンションが車体を20mm下げ、空力特性を向上させる。これによりエネルギー消費が最適化され、航続距離が延びる。

Audi S6 e-tronのリヤ重視の四輪駆動システムは、高度に可変なトルク配分で走行ダイナミクスを強化する。

リヤとフロントの電動モーターの異なるサイズにより、フルロード時(最大荷重、最大出力状態)でも、リヤ重視のトルク配分が可能。更にAudi A6 e-tronおよびAudi S6 e-tronは、安定性とスポーティさを高めるため、フロントよりもリヤの幅が広い異なるサイズのタイヤを装着している。

スマートパノラマガラスルーフは、電圧をかけることによってガラスルーフを透明状態にするポリマー分散型液晶 (PLDC) 技術により、ルーフ上部にあるボタン操作により、9つのセクションごとに「透明」「不透明」の選択を行う。

ラゲッジスペースは、通常の後席使用時が502リッター。後席をたためばSportbackは1,330リッター、Avantは1,442リッターまで拡大する。ボンネット下のフランクは27リッターだ。

PCA 1年無料プロモーション

なおe-tronシリーズを新車で購入した場合、PCA(プレミアム チャージング アライアンス)利用登録後の1年間、PCAの月額基本料金/都度充電料金が無料となり、Audi A6 e-tronシリーズも対象となる。

通常 月額基本料金:
1,800円/月 > 無料

通常 都度使用料金:
150kW急速充電75円/分 > 無料
90kW急速充電45円/分 > 無料

※ 月額使用料金、都度使用料金は税込となる。
※ 利用登録は納車後1か月以内に実施する。
※ キャンペーン内容、期間は予告なく変更される場合がある。

各種補助制度

Audi A6 e-tronシリーズは、クリーンエネルギー自動車導入促進(CEV)補助金の対象車。2025年度内に個人でAudi A6 e-tronシリーズを購入した場合、Audi A6 Sportback e-tron performanceで688,000円、Audi A6 Avant e-tron performanceおよびAudi S6 Sportback e-tronおよびAudi S6 Avant e-tronでは528,000円が交付される。

また自動車税に対する「グリーン化特例」および「環境性能割」、自動車重量税に対する「エコカー減税」の税制措置の他、地方自治体が主体の補助金も対象になる場合がある。

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<Audi A6 e-tron>
A6 Avant e-tronhttps://www.audi.co.jp/ja/models/a6-e-tron/audi_a6_avant_e-tron/
A6 Sportback e-tronhttps://www.audi.co.jp/ja/models/a6-e-tron/audi_a6_sportback_e-tron/

<Audi S6 e-tron>
Audi S6 Avant e-tronhttps://www.audi.co.jp/ja/models/a6-e-tron/audi_s6_avant_e-tron/
Audi S6 Sportback e-tronhttps://www.audi.co.jp/ja/models/a6-e-tron/audi_s6_sportback_e-tron/

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モデル:A6 Sportbacke-tron performance
システム最高出力/ 最大トルク:電気モーター:電気モーター 280kW(ローンチコントロール起動時)/ 565Nm
バッテリー総電力量:100kWh
駆動方式:RWD
ステアリング:右
車両本体価格(税込):9,810,000円

モデル:S6 Sportback e-tron
システム最高出力/ 最大トルク:電気モーター:電気モーター 405kW(ローンチコントロール起動時)/ 580Nm
バッテリー総電力量:100kWh
駆動方式:quattro
ステアリング:右
車両本体価格(税込):14,400,000円

モデル:A6 Avant e-tron performance
システム最高出力/ 最大トルク:電気モーター:電気モーター 280kW(ローンチコントロール起動時)/ 565Nm
バッテリー総電力量:100kWh
駆動方式:RWD
ステアリング:右
車両本体価格(税込):10,120,000円

モデル:S6 Avant e-tron
電気モーター:電気モーター 405kW(ローンチコントロール起動時)/ 580Nm
システム最高出力/ 最大トルク:
バッテリー総電力量:100kWh
駆動方式:quattro
ステアリング:右
車両本体価格(税込):14,710,000円