三菱自動車工業株式会社(本社:東京都港区、代表執行役社長兼最高経営責任者 加藤隆雄)は7月22日、中国における瀋陽航天三菱汽車発動機製造有限公司(以下、「SAME」)でのエンジン事業を終了することを決定し、合弁関係を解消した。
SAMEは、1997年8月に設立され、1998年より生産を開始し、拡大を続ける中国の自動車市場で、三菱ブランドの車体メーカー向けのみならず、多くの中国メーカーにもエンジンを供給してきた。
そうたなかで三菱自動車工業では、中国自動車産業の急速な市場変化を踏まえた中国戦略の見直しに伴い、合弁関係を解消することとしたと説明している。
ちなみに1997年、三菱自動車と中国航天汽車は共同でエンジン生産の合弁会社「瀋陽航天三菱汽車発動機製造有限公司」を設立。
翌1998年から本格生産を開始し、中国の自動車市場内で、三菱ブランドの車体メーカー向けに留まらず、多くの中国メーカーにエンジンを供給することで、2017年には生産累計500万基を達成してきた歩みがある。
しかし、昨今、中国当地での電動化の流れが急加速。この影響下で三菱自動車工業は、ハルビン東安汽車動力股份有限公司との合弁会社「ハルビン東安汽車発動機製造(DAE)」の保有株式を売却へ。2019年度に計画していたSAMEへの投資も中止していた。
なお先の2023年の12月には、三菱自動車の北アジア本部長の山崎義則氏が北京を訪問し、航天汽車の張忠栄(ジャン・チョンロン)会長と会談。
この際は、航天三菱の経営と発展の状況、発展の方向性、将来の市場拡大などについて意見交換し、緊密な連携を維持していくとしていた。
そもそも三菱自動車工業ブランドのエンジンは、多くの現地メーカーに好まれて採用されてきた。しかし今後、三菱自動車工業は、自社の資産効率を先鋭化していく決断をしたようだ。