テスラ3、ラゾーナ川崎プラザで日本国内初披露


テスラモーターズジャパン合同会社(本社:東京都港区、職務執行者:トッド・アンドリュー・マーロン)は11月8日にシリーズ中、最新鋭かつ最もコンパクトな新型4ドアEV「テスラ・モデル3」を報道陣に向けて日本国内で披露した。

気になる納車時期については、国内受注が早くも2年以上も前の2016年3月31日から開始されていた訳だが、それがようやく2019年後半以降からデリバリーが開始される運びになったようだ。

写真はモデル3の店頭先行予約で、さしずめApple製品よろしく早朝から青山のテスラ前で行列ができた様子
写真はモデル3の店頭先行予約で、さしずめApple製品よろしく早朝から青山のテスラ前で行列ができた様子

モデル3は、上位モデルで同じくセダンタイプの「モデルS」や、SUVタイプの「モデルX」に比較すれば小柄で、スリーサイズは全長4694mm×全幅1849mm×全高1443mm、ホイールベースは2875mm。

実用面で知りたいリア側のトランクルーム容量は425リッターで、さらに後部座席を60:40で分割可倒できるから、奥行き方向に関しては長尺物の格納自体も可能だ。

さらにフロントノーズ下に無粋なエンジンは搭載されていないから、米国ではもっぱら「フランク(フロント・トランク?)」とテスラ用語で呼ばれているフロント側に広大ではないものの、キャリーオンの旅行カバンがひとつ入るくらいのラゲッジスペースが確保されている。

なおこれまで上位モデルで、普通に公表されていた筈のバッテリー容量が、何故かモデル3では暫定非公開とされており、最も短い距離しか走らない航続距離260マイル(約418km)のモデルバージョンが「ミッドレンジ」と呼ばれる。

航続距離310マイル(約498km)のモデルは「ロングレンジ」。航続距離310マイル(約498km)のモデルが「パフォーマンス」と表現されている。車量はミッドレンジタイプのバッテリー搭載車が約1610kg、ロングレンジバッテリーを搭載した車両タイプは約1847kgである。

加速性能もこのバージョン毎に異なっており、最も廉価なミッドレンジは、駆動モーターを車体後部に搭載した後輪駆動モデルで、0-60mph加速5.6秒・最高速度はおよそ201km/h。

ロングレンジは、4輪駆動モデルで0-60mph加速4.5秒で最高速度は223km。同じくパフォーマンスも4輪駆動車で0-60mph加速3.3秒の俊足を誇り、最高速度は約249km/hである。日本導入モデルが、この3タイプになるかはまだ決まっていないとしている。

このため国内販売時の車両価格も単なる目安にしかならない訳だが、米国内でミッドレンジは4万6000ドル(約519万円)、ロングレンジは5万3000ドル(約598万円)、パフォーマンスが6万4000ドル(約723万円)で販売されている。

EVと言えば日産リーフの件もあり、気になってくるのは搭載バッテリに関する保証だが、これはミッドレンジで8年・10万マイル、ロングレンジとパフォーマンスは12万マイルまで。車体に対する保証は4年・5万マイルまでとなっている。

搭載されているサスペンション構造は、フロント側がダブルウイッシュボーン式で、リア側はマルチリンク式としており、駆動用バッテリーは、基本的にはモデル3などと同じくフロアに敷きつめている。

走行時の安定感の良好さは、このバッテリー搭載のスタイルによる低重心が優位に働いている。

ホイールは米国市場の場合、純正が18インチ。19インチのスポーツホイールもチョイス可能。パフォーマンスは20インチにアップグレードも可能になっている。

さらにパフォーマンスには、低床サスペンションやカーボンファイバー製スポイラーなども用意されているようだ。乗車定員はグレードを問わず、いずれも5人だ。

乗り込むには、カード状のキーを所持して交通系カードのスイカよろしくBピラー部分にスワイプして乗り込む。

乗り込むとインテリアが目に入ってくるが、これらは実にシンプルなもので凝った造りではない。

操作性については、そもそも物理スイッチが限られており、Googleマップをベースとしたカーナビや、インフォテインメント機能の他、車両各部の設定などもインストゥルメントパネル中央のタッチ操作タイプの15インチスクリーンに頼ることとなる。

シートヒーターは前席に用意されている。ステアリング位置は、日本導入時には右ハンドル車が提供される予定だ。

安全装備や運転支援(自動運転)システムについては、カメラ8台・フォワードレーダー・超音波センサー12個を背景に「オートパイロット」や「ブラインドスポット警告」などが利用できる。

但し安全機能のパフォーマンスに関しては、現段階は各国の法規に合わせたレベルでサポート・公開されるという玉虫色な状態。

今のところ「モデルS」などの上位モデルでは、オートパイロットによるゆるやかな直線的な道路上での車両制御はまずまず。

一方で、複合的なカーブを繰り返す際の身のこなし方に関しては、GPSや通信による誘導など、外的環境がテスラに近づいてくるまでは、まだ学ぶ部分もあるかな、という状況にある。

写真はテスラモーターズ ジャパン カントリーセールスダイレクターの吉田篤司氏
写真はテスラモーターズ ジャパン カントリーセールスダイレクターの吉田篤司氏

またオートパイロット時に手を添えるだけでは「S」「X」「3」のいずれのテスラ様も不満を呈してくる。これはこれまでの社会的事件が連発したことによるもので、ステアリングはしっかり握ることを求められる。

搭載機能のアップデートは、自動ブレーキやオートパイロットなど電子的に改善が可能なものであれば、車両に組み込まれた通信機能を利用してソフトウエア更新が行える。車体の構成部品数は驚きの一桁万点規模の範疇で、これは旧来のエンジン搭載車に比べると1割に満たない。

最後に世界レベルの販売状況だか、同社がグローバルに納車したすべてのテスラ車の総販売量は35万台を超えた。さらに2018年の7月~9月期に8万5000台を納車した。今後、10月~12月期には納車台数が加算されていく見込みである。