「オートモビルカウンシル2025」幕張メッセで開幕


オートモビルカウンシル2025(  AUTOMOBILE COUNCIL 2025 / 会期:特別内覧日4月11日、一般公開日4月12日と13日 )」が千葉市美浜区の幕張メッセで開幕した。

同イベントは、自動車文化の成熟を願う主催者( AUTOMOBILE COUNCIL実行委員会 )がヘリテージカーを中心に据え〝自動車文化を愉しもう〟をテーマに2016年に初開催。今年で記念すべき10周年を迎えた。

今年は「Classic Meets Modern and Future( クラシック ミーツ モダン アンド フューチャー )」のテーマのもと、出展企業数は日本車メーカー・インポーター・新世代自動車、ヘリテージカー販売店( SUV販売店を含む )等を加えると、過去最大の131社となった。展示、販売車両台数も186台( 4月9日現在 )に達し、北ホールの全て( 9〜11ホール )を使用した過去最大規模になっている。

会場では、稀少性が高いヘリテージカーのみらず、自動車メーカー( トヨタ、ホンダ、マツダ、三菱 )やインポーター( ポルシェ、マセラティ、ジャガー・ランドローバー、ケータハム、BYD )が新型車も出展。更に音楽ライブやレコードコンサート、著名人によるトークセッション、アート、自動車関連商品の展示販売など自動車を取り巻く多彩な展示物が所狭しと並び、多彩な自動車カルチャーが凝縮したものとなり、自動車文化を広く体感できるイベントに成長した。

また主催者展示、特別展示、メーカー展示は、あくまでも出展車である一方で、多くの事業社出展では実際に購入できる車両もある。

加えて規模自体が拡大された今開催にあっても、人混みのなかで目当てのクルマを追うなどの切迫感はなく、やはりいつも通り、時間を掛けてクルマのある空間をのんびり愉しむ雰囲気は引き続き維持されている。

そうした意味で、10年目を迎えた今回、地に足の着いた大人のイベントとしての独自の立ち位置が確立したと言えるだろう。

なお今回、注目したいのはカーデザイン界のレジェンドであり、イタルデザインの創設者でもあるジョルジェット・ジウジアーロ氏( 86歳 )の訪日がある。

同イベントの10周年を記念したスペシャルゲストとして主催者側の打診を快諾。遠い極東の地に来日してのトークショー( 4月12日10時30分~11時30分 )がいよいよ行われる。

これに伴い〝ジョルジェット・ジウジアーロ展〜世界を変えたマエストロ〟と銘打ち、会場にはアルファロメオ・ジュリア・スプリントGTや初代フォルクスワーゲン・ゴルフのみならず、イタルデザイン・アズテックやバンディーニ・ドーラなどの10台のコンセプトカーも並んだ。

展示車両
・アルファ・ロメオ・ジュリア・スプリント GT(1963年デビュー)
・マセラティ・メラク SS(1972年デビュー)
・フォルクスワーゲン・ゴルフ(1974年デビュー)
・BMW M1(1978年デビュー)
・いすゞ・アアッソ・ディ・フィオーリ(1979年デビュー)
・ランチア・デルタ(1979年デビュー)
・フィアット・パンダ(1980年デビュー)
・DMC デロリアン(1981年デビュー)
・イタルデザイン・アズテック(1988年デビュー)
・バンディーニ・ドーラ(2020年デビュー)

主催者テーマ展示〝THE GOLDEN AGE OF RALLY IN JAPAN〟では、「ランチア・ストラトス」や「アウディ・クワトロ」「ルノー・サンク ターボ」などが並び、その他、〝過去のモダンに学び、未来のクラシックを育む〟が出展テーマとなった展示では、ヴィンテージ期の名車「Delage DI Torpedo Sport」( 1925年 )やウェッジシェイプデザインの先駆となった「Lancia Stratos Zero」( 1970年 )も披露される。

一方で、自動車メーカーやインポーターのブースでも新たな趣向があり、二次元コードを読み込んで情報を入力することでノベルティグッズなどを提供される。

個々の出展でトヨタは、トヨタ・セリカ リフトバック1600GT(1973年~)、A70スープラのなどの復刻車と並んで、1989年・第28回東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「トヨタ4500GT」が出展された。

同車は当時、最先端の40バルブ4.5L-V8エンジン( 300ps / 39kg-m )&6速MTを搭載。空力特性を考慮して車体後部でまとわりつく空気が剥離させるべく、流麗なワゴン風のスタイリングとなったクルマだ。

三菱自動車工業は、初代「デボネア」から三菱ギャランΛスーパーツーリング( 1979年 )、三菱ディアマンテ( 1990年 )、三菱ギャランGTO MR( 1970年 )の他、1989年・第28回東京モーターショーに出展されたコンセプトモデルHSRを出展。

このコンセプトカーには、3L-V6ツインターボエンジンに車速に応じて空力特性を変化させていくエアロシステム、フルタイム4WD、4WS、電子制御サスペンション、ABSなどが投入されたクルマとなる。

マツダは、ユーノス500( 1992年 )、マツダ先駆( 2005年 )、マツダ魁CONCEPT( 2017年 )、マツダVISION COUPE( 2017年 )、イタリアのベルトーネで製作された初代ルーチェの試作モデル「S8P( 1964年モデル )」が出展された。

ホンダブースでは、最新鋭の次世代初代プレリュードが展示される以外に、初代プレリュードを筆答する歴代モデルの姿が見られた。

その他、特別展示の1960年式のプリンス・スカイラインスポーツ、1964年式のダットサン・ブルーバードなどの懐かしい当時の若者達が憧れたクルマも並んだ。最後に今年の会期は、先の通り13日まで。主催者は3日間合計で4万5千人の来場を見込んでいる。