三菱ふそう、川崎工場に日本初の電気トラック用急速充電設備を開設


電気トラック「eCanter」の発表に向け、充電インフラを川崎工場に2か所整備。同時に合計8台のトラックの急速充電が可能

三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:マーク・リストセーヤ、以下 MFTBC)は、環境に優しい、電気小型トラック「eCanter」の量産開始を前に、川崎工場内に充電インフラとして、日本初の電気トラック用急速充電設備を開設し、本日記念式典を実施した。

テープカットの様子(左から 島 国土交通省自動車局次長、糟谷 経済産業省製造産業局長、リストセーヤ MFTBC CEO、松永 MFTBC会長、福田 川崎市長)

記念式典では、政府関係者、川崎市など関係者をお招きし、開設を祝った。

MFTBC代表取締役社長・CEOのマーク・リストセーヤ氏は、「私は、今後電気トラックが今後の都市内の配送を担うと確信しています。

2010年から電気トラックの開発試験を行って参りましたが、今年9月に“eCanter”を発表します。

そして、三菱ふそうは、電気トラック分野におけるフロントランナーとなります。また、東京のような巨大都市において、このような充電設備は、電気トラックの普及に欠かせないものとなります。

当社は、日本政府、充電設備の普及に協力いただけるパートナーの方々、そして電気トラックを導入いただくお客様とともに、地球環境の改善に努めてまいりたいと思います」と述べた。

CHAdeMO協議会調べによると現在、日本国内の電気自動車向け急速充電設備は、約7000箇所(2017年1月11日現在)設置されている。

その多くは、乗用車向けとして、商業施設、高速道路のサービスエリアなど幅広い場所に設置されており、乗用車のEV・PHVの普及に大きく貢献した。

環境に配慮した電気トラックを今後の成長の核として開発に注力

そうしたなか三菱ふそうトラック・バスは、今後量産を予定している電気トラック「eCanter」の販売を前に、日本国内で初めて電気トラック用の急速充電設備を川崎工場内の2か所に設け、電気トラックの顧客大して利用環境を整えた形だ。

この取り組みについてMFTBC代表取締役会長の松永和夫氏は、「私共は、物流ビジネスにおいて、排出ガスゼロの物流を行う、電動トラック・バスの開発を一つのゴールと定めております。

都市をよりクリーンで、静かな空間にする為に、パリ議定書の合意においても、政府・行政関係、そして物流関係のお客様に対して、電気トラック普及の為の充電設備の拡充へのご理解、ご支援を賜りたいと考えております。

なお、川崎工場には、最大出力680kW、面積5000㎡の太陽光発電施設を導入しており、CO2ゼロの充電環境が整っております」と語った。

さらに今回の式典に際し、経済産業省製造産業局局長の糟谷敏秀氏は、「電気トラックは、排気ガスを排出しない、騒音が少ないというメリットがあり、市街地での近距離配送など担う物流企業での導入が期待されています。

電気トラックの普及のためには、充電インフラがカギとなります。今後、充電インフラ補助金の制度運用に当たっては、トラックも含め、幅広い主体が利用できる充電インフラを全国に充実できるよう検討を進めていきます」とコメントした。

加えて川崎市長の福田紀彦氏は、「私たちの生活になくてはならないトラックです。

しかし地球温暖化対策や大気汚染対策が世界的な時代の要請となる中で、今回、環境に優しい最先端の電気トラックが『環境先進都市』を謳うこの川崎の地で開発され、生産までされるということは、私たち行政のみならず市民にとっても大変うれしいことと思っております。

急速充電設備の普及に向けては、両者で連携・協力して取り組んでまいりたいと考えております」と祝辞を述べた。

川崎工場電気トラック向け急速充電設備 概要
名称:EV Power Charger(EVパワーチャージャー)
住所:川崎市中原区大倉町10(三菱ふそうトラック・バス株式会社川崎工場内)2か所
稼働時間:24時間(予定)
充電器仕様:
CHAdeMO方式(出力: 50kW, 直流50-500V, 125A)7台、
CHAdeMO/COMBO方式併用 (出力:50kW, 直流50-500V 125A)1台
充電スペース:小型トラック用 4台×2か所