E-Prix第16戦が7月27日(英国ロンドン発)、エクセル・ロンドンで開催され、ニック・キャシディ選手(ジャガーTCSレーシング)が後続に13.5秒差でフィニッシュラインを通過して優勝を果たし、ニック・デ・フリースリース選手(マヒンドラ・レーシング)とセバスチャン・ブエミ選手(エンビジョン・レーシング)がそれぞれ2位と3位でフィニッシュした。
これによりポルシェはFIAチームズとFIAマニュファクチャラーズの世界選手権のタイトルを獲得した。
ニック・キャシディ選手は、2024/25シーズンの最初の6レースでわずか1ポイントしか獲得していなかったが、この勝利により、今シーズンに於いて連続3連勝を達成。過去に3連勝を達成したのはアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ選手のみだ。結果、ジェームズ・バークレーがチーム代表として率いるジャガーTCSレーシングは6戦中5勝を挙げた。
2位を獲得したデ・フリースの貢献により、マヒンドラ・レーシングは2017/18シーズン以来のチームランキング4位の好成績を収めた。
ジェイク・デニス選手(アンドレッティ・フォーミュラEチーム)は4位、ミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)は5位でフィニッシュした。但しエバンス選手はフルコースイエローの走行中にスピード違反を犯し、5秒のペナルティを受けたため、コース上で獲得していた暫定2位の地位から脱落した。
最終戦までもつれ込んだFIAチームズとFIAマニュファクチャラーズの世界戦タイトルは、日産がポルシェを破るには、2台の日産車がトップ4以内でフィニッシュする必要があった。
しかし今季チャンピオンに輝いたオリバー・ローランド選手が先頭に立とうとしたにもかかわらず、16周目にニコ・ミューラー選手と接触し、リタイアを喫しその望みは叶わなかった。
今レースの結果を迎えたことでポルシェは初のチームおよびメーカーの世界選手権タイトルを獲得。ジャガーTCSレーシングも日産を破って2位のチームタイトルを獲得した。
日産がチームランキング3位、マニュファクチャラーズランキング3位に終わったことについて。日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクターおよびチームプリンシパルのトマソ ヴォルペ氏は、「シーズンを通してリードしていたことを考えると、チームおよびマニュファクチャラーズランキングで3位という結果は悔しいものです。
しかし、振り返れば素晴らしいシーズンでした。表彰台7回、優勝4回、そして最終戦に先駆けてドライバーズタイトルを獲得。最終戦までタイトル争いに加わることができました。チームとして大きく成長し、今季の経験は来季さらに強くなるための糧となるでしょう」とのコメントを残した。
以下は最終戦でポディウムに立った選手達のコメントとなる
ジャガーTCSレーシング37号車のニック・キャシディ:正直、この場所でレースをするのが大好きなんです!ここ数年はなかなか良いレースではありませんでしたが、今週末は本当に素晴らしいレースでした。このスタジアムが満員の観客でいっぱいになると、ここでレースをするのは本当に楽しいですし、フォーミュラEにとっても素晴らしいことです。
それに、チームでの最後のレースになりますが、今日も最高のマシンに乗っています。これは100%、チームのためにあるんです。タイヤがうまく機能し、マシンが完璧な状態であれば、すべてが効率的になります。
スタートでリードを維持するのは確かに簡単ではありませんでしたが、ミッチ(エバンス)と僕のおかげでうまくやれたと思います。彼のことが心配でたまりません。ワンツーフィニッシュができれば完璧だった。
マヒンドラ・レーシングの21番、ニック・デ・フリース:確かに非常にチャレンジングなレースでした。ニック(キャシディ)は、後方のドライバーたちと比べてエネルギーを落としたくないと思っていたので、私たちと同じエネルギーを維持しようとしていました。
その結果、後方で少しコンサーティーナのような状態になってしまいました。今年も表彰台を持ち帰り、チームに4位を与えることができてとても嬉しいです。彼らは素晴らしい仕事をしてくれました。
昨年は実力で予選最下位に終わり、そこから長い道のりを戻ってきて、今年ここでチャンピオンシップ4位を獲得できたのは素晴らしい努力です。マヒンドラの全員をとても誇りに思います。
エンビジョン・レーシングの15号車、セバスチャン・ブエミ:結局のところ、ああいうインシデントに巻き込まれないことが重要でした。
うまく回避できたのは幸運だったと思います。序盤にかなりエネルギーを温存できたので、アタックモードをしっかり切り替えることができました。
だから、最終的にはとても満足しています。チーム選手権にとっても良い結果ですし、ああいう悪い予選だった時にフィニッシュしてポイントを獲得できたのは良かったですね。
最後にFIAとフォーミュラEは今週、フォーミュラE世界選手権の運営権を10年間延長する契約を締結した。この複数年契約により、FIAフォーミュラE世界選手権の運営権は、現行契約が終了する2038年からさらに10年間延長されることが決まっている。