米・UL Inc.(本社:イリノイ州ノースブルック、CEO:キース・E・ウィリアムズ)傘下の日本法人である株式会社UL Japan(本社:三重県伊勢市、代表取締役社長:山上英彦)は2017年の4月。東京都千代田区の東京本社に於いて、昨年2016年度の事業総括と、来たるべき2017年度の戦略説明会を実施した。
ちなみにこのUL Inc.は、同社創設者のウイリアム・ヘンリー・メリル氏が19世紀末、当時、火災事故の最も大きな原因であった絶縁材料や、配線の安全試験を第三者としての立場から検証することを事業として請負う事から始まった。
これを皮切りに21世紀を迎えた現代に至るまで、広くプロダクト製品の安全試験・評価・認証を行う第三者の安全科学機関として「信頼」と云う歴史の礎を、着実に積み上げてきた国際企業である。
今日、そんなUL Inc.は、電磁不干渉性及び耐性・電波法規制等に関わる第三者機関としても国際的に著名であり、海外各国行政のいわば「お墨付き」を与える企業として、世界規模で製品試験から認可取得までの領域を担っている。
現在、同社が取り扱う認証範囲は、揮発性有機化合物(VOC)排出測定試験などを筆頭とした「GREENGUARD認証」の他、製品ライフサイクル全域に関わる「環境製品認証」、さらにリサイクル使用率や有害物質含有率検証などの「環境性能認証」。エレクトロニクス製品の適合性評価を行って検証・登録を実施する「EPEAT」など多岐に亘る。
そんな同社の日本国内法人であるUL Japanは、今回の戦略説明会の席上に於いて、代表取締役社長の山上英彦氏が登壇し、去る2016年度は、(1)車載情報機器の電波・無線領域に伴う相互接続性適性試験。(2)エネルギー領域に於ける大型電池等のエネルギーストレージや、電動車両の安全性を確認する適合検証。(3)医療分野も含む国際的な環境規制等のレギュレーションに基づいた環境・材料化学製品の検証。(4)ネットワークのクラウド化により、今日、一層拡大基調を見せているオンライン金融取引に於けるセキュリティ検証などの4つ分野で精力的な取り組みを重ねてきたと述べた。
それらを踏まえ、来たるべき2017年度は、日本製品の海外進出時を受けて、世界から求められる「電波」「規格」「環境」「品質」など複数に亘る課題の解消。
輸入製品の複雑化・多様化に伴う「責任ある調達」と「ブランドの保護」など、産業構造と法規制の、めまぐるしい変化にこれまで以上に真摯に応えていくと云う。
具体的には、個々の製品・サービスをひとつひとつ検査・認証するという、これまでの事業領域を一段超えて、顧客の事業全体を一括りに、コンプライアンス課題の一挙解決にも取り組んでいくと語った。
それは日本企業による「個別製品」の輸出に関わる(1)車載機器、(2)エネルギー、(3)医療・化学、(4)オンライン検査・認証サービスだけではなく、企業全体が海外進出を果たす場合に於いて、任地でのサプライチェーンに対する事業最適化や、労働安全環境に関する経営上の管理方法。
該当地の法規制に関わる無駄の無いアドバイスなど、事業のグローバル化で、求められる国際企業の真の姿を、正しく示唆する事業領域にも進出していくと云う。
また先の山上社長によると、2016年来の取り組みを踏襲しつつも新たな技術要求に応えて、さらに進化させていかなければならない領域もあるとしており、これについては「自動車」「エネルギー」「素材」の3分野への体制拡充を挙げた。
そこでUL Japan.では、自動車系企業を筆頭に数多くのモノ造り企業が集結している中部地域の愛知県みよし市に、最新鋭の自動車業界向け試験所として「オートモーティブテクノロジーセンター(ATC)」を、この6月に新設する。
同分野では、特に車載機器に関わるEMC試験・環境・電気・無線などの相互接続性に関して、海外の行政府・国際企業と1世紀に亘って培ってきた多様なノウハウを活かし、国内自動車業界のさらなる発展を満身の力で支援していくと結んでいた。