シバック工場での車両生産は2025年度末に終了
日産自動車株(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)は7月30日、経営再建計画「Re:Nissan」で推進するグローバルな生産拠点の見直しの一環で、メキシコのシバック工場(クエルナバカ)の車両生産をアグアスカリエンテス工場に統合する。
この統合により、市場の現状に適応し、将来の需要に迅速に対応できるようグローバルな生産体制をさらに強化してく構え。
日産は2025年度中にシバック工場の車両生産をアグアスカリエンテス工場に移管し、シバック工場の操業を終了する。
移管後は、現在シバック工場で生産しているモデルと将来の生産が予定されているモデルは、アグアスカリエンテス工場で生産とていく。
アグアスカリエンテス工場では最先端の設備を活用して生産と物流を効率化し、持続可能な成長に繋げていくという。
日産のCEOであるイヴァン エスピノーサ氏は、「60年以上にわたり、メキシコ日産はグローバルな日産の主要拠点のひとつとして、メキシコのステークホルダーと強固な信頼関係を築いてきました。
本日発表した大きな決断は、決して簡単なものではありませんでしたが、効率を向上し、競争力を強化して、持続可能性をさらに追求していくために必要なものです。
私たちはシバック工場で働く従業員の皆さんのこれまでの貢献に深く感謝しています。皆さんの長年にわたる献身的な取り組みがなければ、日産のメキシコでの発展はありませんでした。
今後も、従業員やお客さま、日産にとって重要な戦略市場であるメキシコに対する私たちのコミットメントは変わることはありません」と述べた。
ちなみにシバック工場は、日産が日本国外に設立した初の生産拠点として1966年に操業を開始。操業開始以降、同工場はこれまでに650万台以上の車両を生産し、メキシコ国内はもとより、世界各地へと日産車を届けてきた。
現時点でメキシコにおける車両生産の約11%が、シバック工場によるもの。現在、シバック工場で生産されているNP300とフロンティア、ヴァーサは、アグアスカリエンテス工場へ生産が移管される。
シバック工場の主な歴史:
1966年:第1ラインが稼働開始し、ダットサン・ブルーバードの生産を開始
1975年:第2ラインを立ち上げ、ライトトラック(ピックアップトラック)の組立に特化。最初の生産モデルは720
1978年:第3工場が稼働開始。ダットサンのJ18エンジンの機械加工および組立開始
1988年:日産がメキシコ国内車両販売台数で第1位となり、最初の100万台の生産を達成
1993年:メキシコ日産がADバンの日本への輸出開始。メキシコで製造された車両として初めて日本で販売される
2000年:生産台数300万台の節目を迎える
2015年:累計生産台数500万台を達成
2016年:メキシコでの車両生産50周年を祝う
2019年:累計生産台数600万台を達成
2023年:需要に対応するため、一時的に第1ラインを再稼働し、追加の車両生産を実施
最後に「Re:Nissan」活動を介して日産は、中国を除くグローバルの生産能力を350万台から250万台に削減し、工場稼働率を100%に維持することを目指しており、グローバルに生産拠点を17から10へ統合する検討を進めている。
日産は、この生産統合によって影響を受ける従業員に敬意を払い、可能な限り最良の条件のもとで統合が進められるよう努めていく。
また、日産のメキシコにおける販売活動への変更はないとした。これまで日産は17年連続で、日産ブランドの特長である高品質と卓越したサービスにより市場をリードしてきた。
メキシコ日産は「Re:Nissan」のもと、長期的に安定した成長を続けるために統合を進め、次の60年とその先に向けて強固な基盤を構築していく。なお、当該統合に掛かる費用は現在評価中としている。