大和自動車交通、運転能力測定機器導入で乗務員の健康状態を可視化

大和自動車交通(本社:東京都江東区、代表取締役社長:大塚一基)は6月23日、乗務員の健康状態の“見える化”による安全運行体制の強化を目的として、運転能力測定機器「MEDEMIL Drive®(メデミルドライブ)」を一部事業所で試験導入した。

当該機器は、眼球運動の分析を通じて注意力・認知力・判断力などを数値化するもので、事故リスクの可視化による予防的な安全管理を目指す新たな取り組みの一環となる。

導入の背景は、近年、事業用自動車に於ける健康起因事故が増加しており、令和5年の産業全体の俯瞰によると、その約25%が交通事故に発展するなど、社会的な課題となっていることなどがある。(令和6年12月6日 国土交通省 物流・自動車局 安全政策課資料)PDF1.6MB

特に、病気の兆候が現れる“未病”段階での早期発見や、加齢に伴う運転能力の低下への的確な対応が、より一層求められていることに着目した。

同社では、乗務員の健康を「安全輸送の根幹」と位置づけ、日々の点呼時チェックや健康支援施策の強化に取り組んでいる。その一環として、今般、本機器の試験導入を決めた。

今導入の「MEDEMIL Drive®」は、東京医科大学発スタートアップであるMEDEMIL(東京都新宿区)が開発した眼球運動の解析により運転能力を90秒で測定できる革新的な装置。

AIがドライバーの事故傾向や注意力・認知力・判断力を複合的に評価し、運転リスクをスコアとして“見える化”する。

視界の広さのみならず、明暗順応(コントラスト)や深視力、動体視力などの測定が可能。視界測定モードや眼球運動トレーニングモードも搭載されており、日常的な安全意識の向上にも繫がる機器たという。

MEDEMIL Drive機器での測定イメージ

以下、ANNnewsGHから製品動画を引用

装置導入に掛かる今後の展望では、自社企業理念である「和の精神」のもと、公共交通機関としての社会的責任を果たすために、社員一人ひとりの健康管理を経営の根幹と位置づけている。

現在、導入機器は一部事業所での試験導入に留まっているが、今後はその効果や現場からのフィードバックを踏まえ、グループ全体への展開可否を検討していきたい意向。

また得られたデータを活用しながら、健康支援施策や運行管理の高度化を推進し、ICT・AI技術を活用した先進的な取り組みを通じて、「選ばれるタクシー会社」としての価値向上を目指していきたい考えだ。

会社概要
会社名 :大和自動車交通株式会社
所在地 :東京都江東区猿江二丁目16番31号
設立:1939年9月13日
代表者:代表取締役社長 大塚 一基
資本金:5億2500万円(東証スタンダード上場)
事業内容:一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー・ハイヤー)、不動産業
URL:https://www.daiwaj.com/