車載ソフトウエア開発の標準化でリーダーシップの強化へ
パナソニック オートモーティブシステムズ(PAS/本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:永易 正吏)は6月25日(米国ニュージャージー州ニューアーク発)、SDV(Software Defined Vehicle)化をグローバルで推進するソフトウェアフレームワークプロジェクト「SOAFEE
(Scalable Open Architecture For Embedded Edge/ソフィー)」の理事会メンバーであるGoverning Body(ガバニング・ボディ)に昇格したことを明らかにした。
上記の「SOAFEE」は、自動車業界とソフトウェア業界を結びつけ、AI対応のソフトウェア・デファインド・ビークルを実現するための取り組みを指す。
このSOAFEEは、クラウドソフトウェア開発向けのソフトウェアフレームワークで組み込み車載コードとして展開される。クラウドネイティブ開発のメリットを生かして、機能安全やリアルタイム制御などの自動車の複雑な課題や制約を解決することを目指している。
理事会メンバーとなった当事者のパナソニック オートモーティブシステムズでは、「これは、SDV技術の進化に向けた自社の取り組みが評価されたことによるものであり、今後更に取り組みを強化し、車載ソフトウェア開発の革新・標準化に貢献してまいります。
当社は2022年よりテクニカル・ステアリング・コミッティ(TSC)メンバーとしてSOAFEEに参画し、特にアジア太平洋地域におけるオープンソースソフトウェア(OSS)標準化活動で強固なリーダーシップを発揮してきました。
具体的には、SOAFEEが提唱する『ハードウェアに依存しないソフトウェア』というビジョンを体現したVirtIOベースの『Unified HMI』および『Virtual SkipGen』を当社が開発し、次世代コックピットを始めとする車載システムに於いて、ソフトウェアとハードウェアを分離して開発を進めることができるOSSソリューションの普及に大きく貢献してきました」と話す。
実際、同社が開発したソリューションは、将来に亘る幅広い利用とコラボレーションの促進を可能とするSOAFEEブループリントとして既に採用されており、車載ソフトウェア開発の進化を一層加速することが期待されている。
また、2024年11月には、新たに創設されたSOAFEEアジア太平洋地域ハブ(APAC Regional Hub)のリーダーに就任し、2025年5月に正式運用を開始した。
このイニシアティブは、グローバルにまたがるSOAFEE全会員の多くを占めるアジア太平洋地域のメンバーのSOAFEE活動の更なる活性化を目的としている。
そんな自動車業界のSDV化を牽引してきたことが評価され、現時点150社超が参加するSOAFEEで9社目のGoverning Bodyメンバーとなった。
この栄誉についてパナソニック オートモーティブシステムズで副社長執行役員・チーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)を務める水山正重氏は、「SOAFEEが目指す、シームレスなクラウドネイティブ環境によって車載製品の迅速かつ継続的な提供が可能になるというビジョンに我々は強く共感しております。
デバイスの仮想化がその実現に不可欠な要素となると確信しています。Governing Bodyとして、またSOAFEEアジア太平洋地域ハブのリーダーとして、業界の進化に協力し、あるべきソフトウェア・デファインド・ビークル実現に向けた取り組みをさらに推進してまいります。
当社は、グローバル全体でのSOAFEE活動の成長や他の標準化団体との連携促進に寄与し、SDVおよびクラウドネイティブ開発における様々な機会やチャレンジへ取り組んでいくことで、業界全体の進化と持続可能な成長に貢献してまいります」と結んでいる。