仏・ミシュラン、2017年度の上半期業績を発表。純現金収支の安定確保を目指す


ミシュランの株式合資会社であるコンパニー・ジェネラル・デ・ゼタブリスマン・ミシュラン(CGEM、本社:フランス・クレルモン=フェラン市、取締役会長:ミシェル・ロリエ、CEO:ジャン=ドミニク・スナール)は仏中央時間の7月25日、2017年度(6月30日)上半期業績を公開した。

それによると、同社・同期に於ける販売量は4.1%増(連結範囲変更の影響を除外した場合3.6%)。

通常業務を背景とした営業利益は14億ユーロとなり、その推移は同社グループの事業行程表に沿っており比較的安定していると云う。また純利益の確保では、12%増の8億6,300万ユーロとなっている。

但し第1四半期に、価格引き上げ前の駆け込み購入が多かったこと。加えて部門別の業績で、乗用車・ライトトラック用タイヤの販売量が伸張したものの(3%増)、中・大型トラック用タイヤの販売量は横ばい状況になっている。

一方、鉱業用タイヤの需要は持続的に回復し、建設機械用及び、農業用タイヤ市場の直需販売は急増した。

さらに予てよりの懸案であった上半期の価格ミックス効果では、価格引き上げの当初の影響が色濃く反映したものの、競争力強化を想定した計画実施により増益がインフレ分を相殺。

今後の下半期に向けては、総じて原材料価格上昇のマイナスの影響に対応した慎重な事業運営が求められるとしている。

これらの概要について、同社最高経営責任者のジャン=ドミニク・スナール氏は、「前年度上半期の高い実績と比較しても素晴らしいミシュランの業績は2020年までの行程表に一致しています。

上半期を牽引したのは主に販売量の増加、厳格な価格政策管理、競争力のさらなる強化、そして社員の顧客へのサービスの取り組み等です。

第2四半期は価格引き上げによる利益率改善からの恩恵が見込まれ、今日、当社は2017年のガイダンスを確認しております。

今後の見通しは、下半期、冬の気候状況にかかわらず、市販市場は駆け込み購入急増後の落ち込みから回復すると予想されます。

直需市場のタイヤ需要は、トラック、建設機械および農業用セグメントでは上昇傾向が続き、乗用車・ライトトラック用セグメントでは成長は緩やかなものとなる見込みです。また鉱業用タイヤの販売は引き続き好調であると思われます。

他方、現在8億ユーロと推計されている原材料コスト上昇は、通年の影響を考えて引き続き機敏な価格管理を行い、価格連動性(スライド制)の対象でない事業に於いてはユニットマージンを維持しつつ、対象事業に於いては連動性を適用していきます。

結果的に、価格ミックスの変更及び原材料コストは、下半期には正味でプラスの影響を与えるものと予想しています。

以上を踏まえ当社は、通年で世界市場に於ける事業トレンドに沿った販売量の成長。

また2016年の数値を上回る通常業務による営業利益(為替レート変動の影響を除外した場合)の確保。及び9億ユーロを上回る構造的なフリーキャッシュフロー(純現金収支)という当社目標の達成を確認しています」と結んでいる。