ダカールラリー2016は1月9日、前半戦を折り返す最終ステージを迎えた。この日のディ7は、ボリビアのウユニからアルゼンチンのサルタへ南下する817㎞のロングステージ。
その途中で366㎞のSSが行われた。同日の行程は、まずウユニのビバークから33㎞のリエゾン(移動区間)の後、230㎞のSS(競技区間)を実施。その後116㎞のニュートラルゾーンを移動して国境を越え、再び106㎞のSSをアルゼンチン側で行うという設定だ。
路面は、山岳路や丘陵を行くピストが中心で、標高は3500m~4000m。途中激しい雷雨などの悪天候に見舞われ、2輪部門はSSの後半部分がキャンセルされたが、4輪、トラック部門はそのまま実施された。
結果、4輪車部門はカルロス・サインツ選手(プジョー2008DKR16)がこのステージを制している。
しかし一方で、前日スロットルトラブルで総合2位へ後退していたセバスチャン・ローブ選手(プジョー2008DKR16)は、今日のステージ前半をスムーズに消化したことで、着実にポイントを積み上げ、再び首位の座を獲得した。
当初ローブ選手は、ステージ前半で首位争いを演じるペテランセル選手に3分27秒の差をつけることに成功。
しかし国境で分断された後の後半ステージで、昨日とは異なるターボユニットの制御システム部にトラブルが発生。
ローブ選手自身の走りは終盤、若干調子を取り戻したかに見えたのだが、結局、サインツ選手が辛うじてローブ選手のタイムを上回り、ダカール2016初のステージ制覇を果たしている。
対して昨日首位を奪取したペテランセル選手は、サインツ選手から大幅に遅れ、3分27秒ダウンの4位に終わったことから、ローブ選手はこれまでの貯金が効き、2分22秒差の首位で前半戦を折り返した。
それ以下は、ステージ3位/総合4位にBMW MINIに乗るナッサー・アル-アティヤー選手(ミニ・オール4レーシング)、同じくMINIに乗るミッコ・ヒルボネン選手(ミニ・オール4レーシング)が総合5位。続く総合6位にジニール・ドゥビリエ選手(トヨタ・ハイラックス)が並ぶ。
日本のトヨタ勢期待のランドクルーザー・トヨタオートボデーは、ニコラ・ジボン/ジャン・ピエール・ギャルサン組がクラス4番手。三浦昂/ローラン・リシトロイシター組は、昨日と同じクラス6番手を維持した。
トラック部門の日野チーム・スガワラは、大量の降雨により道路上に水が出ている場所に手こずって時間を要し、菅原照仁/杉浦博之組が午後11時半にゴールに到着して総合18位/排気量10リットル未満クラス1位。
SS序盤の川渡りでスタックして、1時間強のロスタイムを喫した菅原義正/高橋貢組は午前2時半に到着して41位/クラス2位で前半戦を終えている。
二輪部門は他の車両部門より早い午前5時半に昨日のビバーク地点を出発。SSスタートは午前7時となった。
スペシャルステージは前日の成績順により、KTMファクトリーチームのトビー・プライス選手を先頭に、上位10番手まで3分間隔でスタートを切る。
ステージは正午に激しい雷と共に雪まじりの雨が強く、SS350km辺りのリオ(枯河)で鉄砲水が溢れたことから、二輪部門の後半は中止になった。選手たちは以降、コンボイで他の道路を使って次のビバークに移動した。
結果、同日のステージ優勝を果たしたのは、KTMのアントワン・メオ選手、総合では5位を得ている。
ホンダのゴンサルヴェス選手は3位。ただし前日35秒差だったプライス選手(同ステージ5位、総合2位)との差を3分12秒まで広げて後半に臨む。
前半最終日はアシスタンス部隊も1050㎞の移動となり、各チーム共にビバーク地点に到着したのは午後も終盤。
翌日10日は、前半戦を戦い抜いたマシンの整備やクルーの休息日となる。後半戦は11日からサルタ〜ベレン間767km(SS距離394km)で再開される。
なおダカールラリー2016の主催者は、同7ステージのボリビア領内の82キロ地点で、三菱のリオネル・ボー選手にひかれた63歳の男性が死亡したことを発表している。