2025年のFIAフォーミュラ・ワン世界選手権、第3戦日本GP( 開催地:三重県鈴鹿市、開催期間:4月4日~6日 )の予選セッション( YouTubeリンク )が4月5日( 土曜日 )に1周5.807kmの鈴鹿サーキットで行われた。
その結果、レッドブルレーシングのマックス・フェルスタッペン選手が、最後の周回でマクラーレンのランド・ノリス選手(暫定1位)、オスカー・ピアストリ選手( 暫定2位 )の走りを一気に上回るパフォーマンスを見せて、驚きの逆転劇を演じ、ポールポジションをもぎ取った( YouTubeリンク )。
ちなみに今予選セッションの流れは、マクラーレンのステアリングを握るピアストリ選手とノリス選手が終始Q1とQ2で首位を取り合う鍔迫り合いとなり、その後方にメルセデスやフェラーリが続く展開となった。
そうした流れから鈴鹿サーキットに於ける5日の予選は、マクラーレン勢が雌雄を決するものと考えられていた。対してフェルスタッペン選手は、チームへの無線報告で「タイヤがグリップしていない」と告げるなど終始マシンコントロールに苦しんでいた。
そうした筋書きは、予選セッションに於いても当初の想定通りに続き、Q3の最終ラップの最終盤。ノリス選手が安定の走りを見せてポールポジションを獲得したように見えた。
しかし、その直後に、マシンの絶対性能で劣るフェルスタッペン選手が、最終盤の第3セクター( 誰もが第1・第2セクターの消化時点ではトップに立つと考えていなかった )を無駄を排したステアリング捌きで纏め上げ1分26秒983のトップタイム( 鈴鹿サーキットのコースレコード )を叩き出し、僅か0.012秒差でノリス選手( 1分26秒995 )を上回った。その煽りを受けたピアストリ選手( 1分27秒027 )は3番手に甘んじた。
4番手は、フェラーリのシャルル・ルクレール選手。メルセデスのジョージ・ラッセル選手は、フライングラップでトラブルに見舞われたものの5番手に入った。
同じシルバーアローに乗るチームメイト( ルーキードライバー )のキミ・アントネッリ選手が6番手。ルーキーでレーシング・ブルズのアイサック・ハジャー選手は、当初、誤ったドライビングポジションのままで予選セッションでのステアリングを握ってしまい序盤で苦しんだが、現チームメイトのローソン選手、元チームメイトの角田選手を上回る7番手に。
最初のバンカーラップ( 念のための試走 )でミディアムコンパウンド( 後にソフトに交換 )を履いていたフェラーリのルイス・ハミルトン選手が8番手。ウィリアムズのアレックス・アルボン選手が9番手、ハースのオリー・ベアマン選手が10番手となった。
なお、鈴鹿戦がレッドブルレーシングへの初移籍戦となった注目の角田裕毅選手は、タイヤのグリップよりも速度を求めてローダウンフォース仕様を選んだフェルスタッペン選手とは異なり、ハイダウンフォース仕様のマシンセッティングを選択したことで絶対速度が得られず15番手に終わった( 14番手はレーシング・ブルズのリアム・ローソン選手 )。
ふたりの仕様の違いは2台のマシンのトップスピードに現れており、フェルスタッペン選手は325kmのトップスピードを記録。対して角田選手のマシンは321kmに留まっている。
この違いはグランドスタンド前のストレートから飛び込む第一コーナーからデグナーに至る東コースのラップタイムに影響する。今シーズンから東コースは、路面改修で耐グリップ性が高まっていることからタイムに及ぼす効果は高い。
その他トップ10から脱落したのは、アルピーヌのピエール・ガスリー選手( 11番手 )、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ選手( 13番手 )が続き、ウィリアムズのカルロス・サインツ選手(スペイン)は当初12番手だったが、Q2でハミルトンの走行を妨害をしたとスチュワードに判断され、セッション後に3グリッド降格のペナルティが適用されることになった。
キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグ選手とガブリエル・ボルトレト選手は、それぞれ16番手と17番手。ハースのエステバン・オコン選手は18位となった。
アルピーヌのジャック・ドゥーハン選手は、終盤の追い上げも叶わず19番手、アストンマーティンのランス・ストロール選手はコースアウトにより20番手となった。
予選後のインタビューで、ポールポジションを獲得したフェルスタッペン選手( YouTubeリンク )は、「自分でも( 自身が最終セッションで )トップ集団に入っていることに驚いた。
フリープラクティスの段階から、マシンのバランスを改善することに取り組んだものの、今日の予選セッションは難しいものとなった。個々のセッションをひとつずつ確認して進めていく毎に僅かな改善を積み重ねたことが、最終結果に繫がったのだと思う。
特に最終セッションの最終ラップは全開で走った。マシンを限界状態でコントロールし、時にはその限界を少しオーバーするところを探りつつ全体を纏め上げられた。今は、それを振り返って、その成果を噛みしめているところだ」と述べた。
一方、角田裕毅選手は、初めてステアリングを握ったマシンRB21について、「フリープラクティス段階から、一定のペースで走れていたので、この最終結果は予想していなかった。マシンから充分なパフォーマンスを引き出せなかったのは残念だ。
なかでもQ2ラップは、一連のセッションの中で最もプレッシャーが掛かった場面だったが、ただ楽しむこと、そしてクルマの状態を感じ取ることだけに集中した。
このクルマはVCARB02( レーシング・ブルズのマシン )よりも最適な操作をするための許容範囲が狭く難しいところがあるが、少なくともクルマについて理解し始めていることはプラスだ。クルマへの理解は深まっており自信もある。
日曜日のレースでは、雨が降る可能性も残されていることから、何が起きてもおかしくない。決勝レースに向けて集中力を研ぎ澄ませていきたい」と語った。
実際、路面が濡れた状態の決勝となった場合は、ハイダウンフォース仕様のマシンセッティングが、新たなドラマを生む可能性も残されている。