2025年のFIAフォーミュラ・ワン世界選手権、第4戦バーレーンGP( 開催地:サクヒール、開催期間:4月11~13日 )の決勝が4月13日( 日曜日 )に1周5.412kmのバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われた。
その結果、前日の予選で唯一の29秒台( 1:29.841 )を記録したマクラーレンのオスカー・ピアストリ選手が、決勝でも最終的には後続を引き離して今季初の複数レースの優勝者となった(2勝目)。またマクラーレンにとっては、サクヒール( バーレーン )に於ける初勝利となった(ダイジェスト動画リンク/英語)。
なお前日の予選で、各選手がタイヤのグリップ不足で悩んだこと。ナイトレースで次第に路面温度が下がっていくことなどを懸念し、夕刻6時・気温29度で迎えた決勝当日は、フェラーリのシャルル・ルクレール選手、同じくフェラーリのルイス・ハミルトン選手、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ選手、レーシングブルズのリアム・ローソン選手、キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレート選手の4名がミディアムコンパウンドを選択。
他の選手は、ソフトコンパウンドを選択してスターティンググリッドに並んだ。
フォーメーションラップ後のシグナルオフで順当なスタートを切ったピアストリ選手は、瞬間的にラッセル選手に並び掛けられるもののトップでターン1に侵入。
その間、6番手スタートだったマクラーレンのランド・ノリス選手がメルセデスのジョージ・ラッセル選手に続く3番手へと一気に浮上。アルピーヌのピエール・ガスリー選手はルクレール選手に続く5番手。その後方に8番グリッドから追い上げたウィリアムズのカルロス・サインツ選手が続いた。
スタートで多くの選手がソフトコンパウンドのタイヤを履いていたことから、周回10周目前後から早々にタイヤ交換のためのピットストップが始まる。
首位集団ではノリス選手が11周目にピットイン。これにピエール・ガスリー選手(ミディアムコンパウンド)とレッドブルのマックス・フェルスタッペン選手(ハードコンパウンド)が続いた。
しかしフェルスタッペン選手はスローピットストップでタイムロス。同様に角田選手もグリーンライトの確認トラブルで2秒のタイムロスを喫する。
ピアストリ選手は、15周目にミディアムタイヤへの交換して3番手で復帰。これによりトップ10は、ルクレール選手、ハミルトン選手、ピアストリ選手、ラッセル選手、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボン選手、ノリス選手、ガスリー選手、アロンソ選手、ハースのエステバン・オコン選手、フェルスタッペン選手の順となり、アルボン選手とアロンソ選手、並びにフェラーリの2人はピットストップをしなかった。
続いてウィリアムズチーム(ハードコンパウンド)とアストンマーティンチーム(ミディアムコンパウンド)もピットイン。18周目にはルクレール選手とハミルトン選手がミディアムタイヤに交換した。
全員がピットストップを終えた20周目の順位はピアストリ選手、ラッセル選手、ノリス選手、ルクレール選手、ガスリー選手、オコン選手(早めのピットインの恩恵を受けた)、メルセデスのキミ・アントネッリ選手、フェルスタッペン選手、アルピーヌのジャック・ドゥーハン選手、ハミルトン選手となった。
27周目にはフェルスタッペンが2度目のピットストップ。しかしこの際に右フロントタイヤがなかなか外れず順位を落とした。その他のドライバーたちも2度目のピットインを開始。アントネッリ選手、ガスリー選手もハードタイヤに交換するためにピットインした。
ピアストリ選手は30周目にラッセル選手から約6秒のリードを保ち、ルクレール選手、ノリス選手、ハミルトン選手がそれに続く。
更に後方ではサインツ選手と角田選手が6位を巡って激しい争いを繰り広げ、角田選手のマシンがボディパーツの一部を破損したがレースを続行。その後、同パーツのデブリ処理でセーフティカーが導入。このタイミングにピアストリ選手らが2度目のピットストップを消化した。
40周目の段階でピアストリ選手はラッセルに1.8秒差でリード。ルクレール選手が3位。これにノリス選手、ハミルトン選手、ガスリー選手、フェルスタッペン選手、オコン選手、ドゥーハン選手、角田選手が続く。
52周目にノリス選手がターン4の外側から2位に浮上。最後にラッセル選手が2位を奪い返してノリス選手は0.774秒差の3位に甘んじた。
ルクレール選手は4位をキープし、ハミルトン選手が5位。フェルスタッペン選手はガスリーをオーバーテイクし6位を獲得。
7位のガスリー選手はアルピーヌに待望のシーズン初ポイントを提供した。ハースに乗るオコン選手は8位。角田は9位でレッドブル移籍後の初のポイントを献上。
ハースのオリバー・ベアマン選手は10位となりハースにダブルポイントをもたらした。アントネッリ選手は11位、12位アルボン選手、キックザウバーのニコ・ヒュルケンベルグ選手、ハッジャー選手、ドゥーハン選手はそれぞれ13位(後にヒュルケンベルグ選手はスキッドプレート破損で失格となった)から15位。アロンソ選手は16位に後退、ローソン選手は17位に後退した。
アストンマーティンのランス・ストロール選手とキックザウバーのガブリエル・ボルトレト選手は18位と19位に、サインツ選手は唯一完走を逃したドライバーとなった。(インタビュー動画リンク/英語)