本田技研工業(ホンダ/本社:東京都港区、取締役代表執行役社長:三部敏宏)傘下のHonda Aircraft Company(ホンダ・エアクラフト カンパニー)は10月13日(米ノースカロライナ州グリーンズボロ発)、持続可能航空燃料(SAF)を100%混合したHondaJet(ホンダジェット)でテスト飛行に成功。
これによりツインタービン搭載の超軽量ビジネスジェット機の製造メーカーとして初の企業になったことを宣言した。
今回のテスト飛行で量産型のホンダジェットは、水素化処理エステルおよび脂肪酸合成パラフィン灯油( HEFA-SPK )と水素化脱酸素化合成芳香族灯油( HDO-SAK )の混合燃料を積み込んでグリーンズボロ周辺上空を飛行。ピードモント・トライアド国際空港にあるホンダ本社への着陸に成功した。
この試験飛行は、ホンダ・エアクラフト カンパニーのエンジニアリングチームと、ゼネラル・エレクトリックとホンダの合弁会社GE Honda Aero(GEホンダ・エアロ)の協力による成果だと謳っている。
なお上記のGEホンダ・エアロは、ホンダジェットに搭載されているHF120エンジンの設計を担当。今エンジンの組立では、ノースカロライナ州バーリントンのホンダ エアクラフト カンパニー内で取り組んだ。
ちなみに現在運航中のホンダジェットは、SAF混合燃料(SAF)を最大50%まで使用して運航できる。
これをベースにGEホンダエアロは、2022年と2023年にSAF混合燃料100%を使用したHF120エンジンの地上試験に成功。これを皮切り試験飛行の実現可能性を早期に見据えていたという。
ホンダ エアクラフト カンパニーでシニアバイスプレジデント兼最高商務責任者を務めるアモッド・ケルカー氏は、「ホンダ エアクラフト カンパニーのエンジニアリングチームが、ホンダジェットが100% SAF混合燃料で運航可能であることを実証し、航空の未来へのコミットメントを推し進めていることを大変誇りに思います。
この成果は、2050年までに事業活動を脱炭素化するというホンダのグローバル目標に、私たちの事業活動を合致させるための一歩となります」と述べた。
また最後に統括企業のアメリカン・ホンダモーター・カンパニーは、ホンダジェットの機体構造について独自のエンジニアリング技術によって過去10年間、同クラスで最も効率的なジェット機としての地位を維持してきたと語っている。
その上で同社はホンダジェットの設計では、機体全体に層流を維持することに重点を置き、同等の航空機と比較して最大20%の燃費向上を実現している。
またホンダ・エアクラフト・カンパニーが、2024年10月に全米ビジネス航空協会(NBAA)からサステイナブル・フライト・デパートメント認証を既に取得済みであることを示して結んでいる。