日本精機(新潟県長岡市、代表取締役社長:永野恵一)と首都高速道路(東京都千代田区、代表取締役社長:寺山 徹)は11月6日~7日に東京都千代田区で開催された「第36回日本道路会議」に於いて、日本精機の開発機器を用いた首都高の論文発表が、道路技術の向上と道路事業安全の促進へ寄与するものとして優秀賞を受賞したことを11月18日に明らかにした。
これは高速道路上の規制内進入事故(工事箇所などの規制エリアへ誤って車両が進入する事故)が相次いでいることを踏まえ、そうした偶発的事故の削減を視野に回答を示したもの。
それは日本精機が開発を進める『高視認性LED プロジェクター』(LEDプロジェクター)等の路面投映技術を用いて、実際の路面上により効率的な指示を示すことで、それが既存の路面投映機器と比べ、走行中の視認性が高いことから規制内進入事故の防止に有効な手段となることが確認されてのこと。
ちなみに日本道路会議は、道路の行政、建設、維持管理、都市計画および道路交通に取り組んでいる全国の関係者等が、道路に関する広範な問題について研究成果を発表し、意見を交換する日本最大規模の会議。
同会議では先の通り、首都高がこの結果を論文発表。その内容が優秀賞に選ばれた。また日本精機は会場内ブース展示により実証結果やLEDプロジェクターを紹介した。
当該ブースで実証結果を紹介した日本精機 東京R&Dセンターの担当者は、「規制内侵入事故対策として路面投映技術の有効性を道路事業関係者の皆様に知ってもらうことができ、今後の広がりに期待しています。
日本精機のLEDプロジェクターは、カスタマイズ可能なアニメーションを投映できることも特徴のひとつです。今回の実証実験では車線誘導の表示について検証しましたが、内容を変えることで様々な表示に活用できるのではないかと考えています。
日本精機と首都高は、高速道路におけるLEDプロジェクターによる路面投映の実装に向けて、今後さらに交通量の多い道路などで実証実験を進めていく予定です」と説明した。
<実証実験の詳細については以下の通り>
実証実験の背景
今回結果を発表した実証実験は、2024年に実施された「首都高Open Innovation Challenge」において、日本精機のLEDプロジェクターが採択されたことを受けて実施したもの。
実証では、運転中に瞬時に認識可能な車線誘導表示として「路面投映技術」に着目し、複数の投映機器を比較する形でその視認性や有用性を評価した。
実証実験の概要
2025年2月、首都高が管理する敷地内で規制エリアを再現し、路面投映技術の視認性を検証した。対象とした映像投映機器は、高速道路規制の現場で実際に使用されている複数の既存製品と日本精機の開発品であるLEDプロジェクターとなる。
試験では、各機器を用いて車線誘導の表示を行い、走行中の見え方・視認距離を評価する走行評価と、路面の明るさなどの影響を測る定点観測評価を行った。
より具体的には都市内における繁華街の街明かりなどを考慮した夜間の路面の明るさを再現し、より実際の首都高の夜間状況に近い環境で視認性などを確認した。
実証実験の結果
実証を通じて、日本精機のLEDプロジェクターは、走行中の視認性が高く、約60メートル手前(既存製品の約2~3倍程度の距離)から誘導表示を視認できることや、既存製品では視認しにくかった比較的明るい夜間の路面においても高い視認性を維持することがわかった。
より遠くから確認できる点は、ドライバーに早めの注意喚起を促すのに有効だと考えられる。また、比較的明るい環境でも見やすい規制表示は、首都高が通る繁華街など、路面が明るい環境や高速走行時にも効果的だと期待される。




