全米安全評議会、米運輸省設計の女性型衝突試験ダミーを称える

過去110年に亘って米国を代表してきた非営利の安全推進団体「全米安全評議会( NSC / National Safety Council )」は11月21日(米ワシントンDC発)、今日、むしろ男性よりも女性の衝突事故による負傷率と死亡率が高いとされるなかで、「米国運輸省( USDOT )」による新たな女性衝突試験用ダミーに係る取り組みを称えた。

これはUSDOTのショーン・P・ダフィー米国運輸長官が先の11月20日に、米国内でも初となった女性用衝突試験用ダミー人形「THOR-05F」の設計詳細を発表したことについてNSCが称えたもの。

上記を踏まえてNSCは、USDOTが新たに手掛ける150個以上の最先端センサーを搭載した衝突試験用ダミーの設計詳細が、女性の体型をより適切に反映していること(180KB)から、これまでとは異なり、小柄な女性乗員の負傷リスクをより適切に評価できるようになること。そしてそれが最終的には、自動車の安全機能の高度化に繫がる(221KB)とした。

もとよりNSCは、長きに亘って衝突試験の内容を近代化させていくこと。道路を利用する全ての人にとって現実世界に近い自動車事故の衝突データを、正しく車両安全基準へ反映させる取り組みを精力的に支援してきた。

その証左としてNSCは、例えばデブ・フィッシャー上院議員( ネブラスカ州共和党 )が提出した超党派の「She Develops Regulations In Vehicle Equality and Safety(She DRIVES)法案」を公に支持している。

ちなみに同法案は、自動車メーカーに対して女性用ダミー人形を含む最先端の衝突試験装置の使用を義務付け、米国の耐衝撃試験の刷新を働き掛けてきたもの。

NSCのCEO、ロレイン・マーティン氏は、「我々は、女性のドライビング時の安全性を高められる女性用衝突試験用ダミーを用いた新ソリューションへの取り組みを明らかにしたUSDOTを称賛する。

そもそも女性は長年、男性よりも致命的な衝突事故に遭う可能性が低いと定義されてきたにも関わらず、実際には、男性に比べて衝突事故による死亡率や重傷率は依然として高止まりしている。

従って、この車両衝突試験に係る新たなソリューションは、これまで長きに亘って語られてきた女性ドライバーの安全性に係る認識ギャップを埋めることになり、画期的な技術進歩の契機となるだろう」と述べた。



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