フィアットとアンプル、マドリードで車載EV電池の交換実証

ステランティス傘下のフィアット( FIAT S.p.A. / 本社:伊・トリノ、CEO:オリビエ フランソワ )は6月12日( イタリア・トリノ発 )、EV電池交換ステーションを展開するAmple ( アンプル )及びステランティス傘下のカーシェア事業社Free2move( フリー・ツゥー・ムーブ )との連携を介して、EVの車載バッテリーを交換するべく設備の設置と、サービス実施を組み合わせた実証実験を開始した。

まずはマドリード市内で、新しいバッテリー交換ソリューションを担うアンプルによるEVバッテリーの交換ステーションを設置。これらの試行結果を経て、個人顧客への拡大していくかの可能性を探る。

既に、Free2moveを介して車載バッテリーを交換可能なフィアット500eは一部配備済み。今後、2025年半ばまでに100台まで拡大する予定という。

このアンプルのソリューションに対応したフィアット500eは、一旦、交換ステーション内の入庫すれば、自動的に車両が認識され、モバイルアプリを介して5分以内にバッテリー交換を完了できるため迅速かつ容易に走行エネルギーの交換が可能になる。

フィアットでは、この試みについて「アンプルとの提携の展開を発表できることを誇りに思います。

これを受けて我々は、アンプルが提供する交換可能なバッテリーパックに最適化したフィアット500eを提供。これにより僅か5分未満でフル充電を可能にするシステムを仕立て上げました。

また今提携では、モビリティシェアリングを担うFree2moveとも協力。これにより我々は、マドリードのカーシェアリング市場に、同ソリューションを先行導入していく役割を担います。

このソリューションは、従来のEV充電に代わる柔軟でスケーラブルな代替手段となり、EV利用時の自由度と可用性を最大化させつつも運用コストを削減。充電インフラへの依存度を最小限に抑えるものです」と説明した。

併せてフィアットでCEO兼ステランティス・グローバルCMOを務めるオリヴィエ・フランソワ氏は、「フィアットは持続可能なモビリティの実現に尽力しています。また、この新しいバッテリー交換ソリューションは、常にシンプルさに拘ってきた我々独特の価値観にも適したソリューションです。

これにより走行中のバッテリー切れの不安を軽減し、充電時間を大幅に短縮できるため、ドライバーはシームレスで快適な移動体験を享受することができるでしょう。

我々は、このソリューションの実利用効果を徹底的にテスト・分析し、できれば近々に個人のお客様への展開を目指していきたいと考えています。

また同ソリューションは、未来のモビリティ社会を構築していく上で、フィアットブランドのみならず、ステランティスグループの全体にとっても貴重な知見を提供してくれるでしょう」と述べた。

なおマドリード市は、都市計画として2030年までにCO2の排出量を65%削減し、政府の2030年までにEVを550万台普及させるという目標を支持し強力に推進してきた。

フィアットは、そんなマドリード市の意思を汲み、アンプルのバッテリー交換ソリューションの運用効率を評価することにより、アンプル、フィアット、ステランティスにとっても貴重な知見を収集することを主目的としているとした。

また最後に、ステランティス傘下のステランティス・ベンチャーズは、来たる6月18日~19日にロンドンのエクセルで開催されるモビリティ関連イベント「MOVE 2025」に於いて、同ソリューションを紹介するインタラクティブなブース出展を行う。その中で、アンプルのモジュラー式バッテリー交換システムのライブデモも提案していくと結んでいる。