NVIDIAのAI テクノロジーにより大量のセンサーデータを処理、多種多様な運転状況を予測し、未来を担う次世代自動車の実現を目指す
NVIDIA Corporation(エヌビディアコーポレーション・本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼 CEO : ジェンスン・フアン、以下NVIDIA)は5月10日、米国カリフォルニア州サンノゼに於いて、トヨタ自動車株式会社(本社 : 愛知県豊田市、代表取締役社長 : 豊田章男、以下トヨタ)と自動運転技術で協業すると発表した。
具体的には、トヨタ自動車が今後数年以内の市場導入を見込んでいる自動運転システムの性能でさらなるアドバンテージを獲得するため、NVIDIAが人工知能(AI)を背景とするハードウェアとソフトウェアのテクノロジーを提供していく。
これで世界最大の自動車メーカーの1つであるトヨタは、NVIDIA DRIVE™ PX AIカーコンピューティング プラットフォームを、市場導入予定の高度な自動運転システムに搭載することになる。
両社のエンジニアリングチームは今後、車載センサーで生成される大量のデータを理解して、自動運転の幅広い状況への対処機能を強化する、高度なソフトウェアの開発を、より大きく加速化していく。
この発表についてトヨタ自動車の鯉渕健常務理事は、「トヨタは、究極目標としての交通事故死傷者ゼロへの貢献、スムースな交通流の実現。
すべての人に移動手段を提供することを目的に、これまで20年以上にわたり自動運転技術の開発に取り組んできました。
当社は今回のコラボレーションを通じて、より安全で性能の高い自動運転システムの開発を加速していきたいと考えています」と述べた。
一方。NVIDIAの創設者 兼 CEOであるジェンスン・フアン氏(Jensen Huang) は、「私たちは、自動運転車が人々を乗せて安全かつ快適に美しい都市を走る、未来の社会を想い描いています。
自動運転車の開発は、これまで取り組んできた中で、最大の技術的なチャレンジの 1 つです。
私たちは、人工知能とハイ パフォーマンス コンピューティングのブレークスルーを組み合わせることで、自動運転車の頭脳である NVIDIA DRIVE PX を構築しています。
トヨタとの本日の発表は、このような自律走行の未来がすぐそこまで来ていることを強く示しています」と語っていた。
AI、その中でもディープラーニングは、路上で遭遇する無数に近いシナリオの認識において高いパフォーマンスを発揮するため、自動運転車の開発の重要なツールのひとつとなっている。
そうしたなか自動運転車は、すべてのセンサーからのデータを処理し、解釈する車載スーパーコンピューターを必要とする。
現在、多くの試作車はトランク一杯にコンピューターを搭載して、この複雑な作業に対処しているが、NVIDIAの次世代のXavierプロセッサを搭載するNVIDIA DRIVE PXプラットフォームは、手のひらサイズで 1 秒間に30兆回ものディープラーニング演算を実現すると云う。
DRIVE PXプラットフォームは、カメラ、Lidar、レーダー、その他のセンサーからのデータを融合する。
それらのデータをAIを利用することで、自動車の周囲360度の環境を理解。自動車が HD マップ上で自己位置を特定したり、リスクの可能性を予測したりすることができるようになる。
さらに、開発がさらに進めばシステム ソフトウェアが無線ネットワーク経由で更新を受信するため、自動車はどんどんスマートになっていくと結んでいる。