スズキの2016年3月期・第3四半期決算は増収増益、過去最高利益を記録


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スズキ株式会社(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:鈴木俊宏、以下、スズキ)は2月8日、2016年3月期第3四半期累計の連結決算を発表した。

それによると、前年同期比での売上高実績値は、9.9%増の2兆3556億円。

営業利益は、同8.2%増の1462億円。経常利益は、同12.7%増の1628億円。四半期純利益は、28%増の1023億円となっている。

結果、第3四半期累計の売上高は4年連続の増加。増収増益・各利益過で過去最高を更新している。四輪車事業に於ける世界販売台数は、前年同期に比べて0.4%増の212万2000台を記録した。

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日本市場は、2015年4月の軽自動車増税の影響色濃く

その内訳を見ると、日本市場では2015年4月の軽自動車増税の影響、さらにこれに伴うOEM売上の減少も手伝い、販売台数は同20.9%減の44万8000台。売上高で、同2.6%減の7535億円となっている。

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海外に於いては、アジアが同10.%増加の138万5000台、その内訳は、インドネシアやタイなどASEAN(東南アジア諸国連合)5カ国での販売実績が、同14.8%減の12万3000台に終わった。

対して好調のパキスタンと並んで、もはや同社収益の大黒柱となったインドが同13.9%増の97万2000台となったことで、海外売上高は同17.0%増加の1兆6021億円となった。

なお欧州は5.6%増の15万台となっている。結果、四輪車事業の売上高は11.1増の2兆1307億円。営業利益も同じく9.5%増で1464億円となっている。

インド・米ドルなど通貨別の為替影響が営業利益に貢献

二輪車事業についての売上高は、欧州やインドでは増加したものの、こちらに関しては、先の四輪実績で好成績に貢献したインドネシアが販売減となり、3.9%減の1729億円。

併せて品質関連に関わる支出費用もあって、営業損失は前年同期の50億円から101億円に拡大した。

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特機等事業の売上高は、米国での船外機の売上増で12.9%増の520億円。営業利益は53.0%増の99億円となった。

今期の営業利益への貢献要因では、為替影響による増益要因が都合82億円。

通貨別で見ると、円安だったインドルピーが92億円、米ドルが42億円。一方、ユーロへの為替影響は、45億円利益を押し下げる結果となった。ちなみに原油安に伴う原材料費の低下は、99億円の増益要因になっている。

売上高、営業利益、経常利益は前回の予想値を据え置く

なお2015年度通期の世界販売台数は、2014年度比で1.1%減少の283万7000台に留まるとしている。

これは第3四半期累計期間と同様に、アジアと欧州の販売が増加するものの、日本国内の販売状況が改善しないと見ているため。

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ただし、2015年度通期の売上高は3兆1000億円、営業利益は1950億円、経常利益は2050億円を予想している。

これらを踏まえて通期連結業績見通しは、来年度の法人税率引下げによる繰延税金資産の取崩を反映。純利益ベースで、前回予想から50億円下方修正した1200億円とし、売上高、営業利益、経常利益は前回の予想値を据え置いている。

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以下、主な発表概要詳細は以下の通り。

1.第3四半期決算の業績概況
第3四半期の連結売上高は、2兆3,556億円と前年同期に比べ2,126億円(9.9%)増加した。

国内売上高は軽自動車税増税の影響やOEM売上の減少により7,535億円と前年同期に比べ203億円(2.6%)減少。海外売上高はインドでの四輪車の売上増加等により1兆6,021億円と前年同期に比べ2,329億円(17.0%)増加した。

連結利益の面では、営業利益はインドでの増益等により1,462億円と前年同期に比べ110億円(8.2%)の増加、経常利益は1,628億円と前年同期に比べ184億円(12.7%)の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,023億円と前年同期に比べ224億円(28.0%)の増加となった。

2.各セグメントの状況
四輪車事業に於いて、国内売上高は軽乗用車「アルト」、「アルト ラパン」が前年の「ハスラー」に続き、2年連続でRJC カー オブ ザ イヤーを受賞。

さらに2015‐2016 日本カー・オブ・ザ・イヤー「スモールモビリティ部門賞」を受賞するなど好評価に支えられたものの、軽自動車税増税の影響やOEM売上の減少により、前年同期を下回った。

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海外売上高は、インドやパキスタンでの増加等により前年同期を上回った。結果、四輪車事業の売上高は2兆1,307億円と前年同期に比べ2,137億円(11.1%)増加した。営業利益もインドでの増益等により1,464億円と前年同期に比べ127億円(9.5%)増加した。

二輪車事業に於いての売上高は、欧州やインドで増加したが、インドネシアでの減少等により1,729億円と前年同期に比べ、70億円(3.9%)減少した。

営業利益は、品質関連費用もあり前年同期の営業損失50億円から営業損失101億円となった。

特機等事業の売上高は、米国での船外機の売上増加等により520億円と前年同期に比べ59億円(12.9%)増加し、営業利益は99億円と前年同期に比べ34億円(53.0%)増加した。

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所在地別の営業利益に関しては、日本での研究開発費、減価償却費の増加等により、前年同期に比べ347億円(36.8%)減少したが、アジアがインド、パキスタンでの四輪車の売上増加等により823億円と、前年同期に比べ399億円(94.3%)増加した。

3.連結業績予想
連結業績予想は、第3四半期の実績を踏まえて各国での販売台数や為替等を見直したものの、連結全体での売上高、営業利益、経常利益は前回予想から変更はない。

なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、来年度の法人税率引下げによる繰延税金資産の取崩を反映し、前回予想から50億円下方修正した。

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