トヨタ・モビリティ基金、国内初の助成事業。小型モビリティ普及で棚田の再生をサポート


中山間地域の「移動の自由」実現に取り組み、より豊かな暮らしに寄与

一般財団法人 トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation、所在地:東京都文京区、理事長:豊田章男、以下、TMFまたは基金)は、岡山県美作市(みまさかし)上山(うえやま)地区における「中山間地域の生活・経済活性化のための多様なモビリティ導入プロジェクト」(通称 : 上山集楽(しゅうらく)みんなのモビリティプロジェクト)」への助成を決定し、本日、助成契約を締結した。

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TMFサイトTOPページ(クリックで該当対象ページにジャンプする)

同プログラムは、トヨタ・モビリティ基金設立以来3件目の助成案件であるだけでなく、日本国内において初の助成事業となるものだ。

ちなみに自動車ファンにとって岡山県美作市は、岡山国際サーキット(旧、TIサーキット英田)の所在地として著名であるが、同エリアの上山地区に於いては、かつて千年以上の歴史を持つ8300枚の棚田が広がっていた。

しかしその多くが高齢化と担い手不足により、1990年代に耕作放棄されて以降、笹や葛が生い茂る等棚田の荒廃が拡がり、その景観が著しく損なわれていた。

その後2007年より、地域の産業再生・自然環境保全の観点から、近畿圏を中心とした都市住民グループがNPO法人化等で組織化され、この耕作放棄地となった棚田の再生に取り組んでいる。

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岡山県美作市・神山地区に広がる棚田

具体的には、都市からの移住者と地域住民が行政と協力し、棚田の再生活動を始め、現在は地域に活力が戻りつつあり、耕作放棄地再生においては西日本でも注目すべき地域となっている。

同地区では、棚田再生を通じた都市農村交流や、外部人材の定住に向けた新たな事業の構築などを積極的に進めており、この4年間で延べ3500人の都市住民が上山を訪れ、農業体験や棚田再生の活動に参加している。

ただ一方で、日本の中山間地域に共通する課題である過疎化、高齢化の課題は依然重く、農林業の衰退ばかりでなく、本来は住地域として約束されているべき地域住民の移動の不自由が進んでいる。

このような状況下で、現地NPO法人が産官学で連携し、超小型EV等、多様な移動手段を日常・農林業・観光で活用し、中山間地域における新たなモビリティシステムを構築する事業を計画している。これにあたってトヨタ・モビリティ基金は、同事業に対し今後約4年間の助成を行う。

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トヨタグループに於ける超小型モビリティ車両の一例。同プロジェクトに於ける車両並びに計画についての詳細は現段階では明らかにされていない。

トヨタ・モビリティ基金は、今回の助成案件を通じ、中山間地域に居住する人々が移動の自由を享受する豊かな暮らしや地方創生の実現に向け、地域とともに取り組んでいく構えだ。

トヨタ・モビリティ基金の豊田章男理事長(兼 トヨタ自動車(株) 代表取締役社長)は、本助成にあたって「TMFは、今回の助成事業を通じて自由な移動を実現することにより、棚田再生をはじめ地域の活動を支援させていただく。また、今回の事業が、高齢化に直面する国内外の中山間地域におけるモビリティモデルの一つとなることを目指したい」と述べた。

プロジェクトの内容は以下の通り。
プロジェクト名 中山間地域の生活・経済活性化のための多様なモビリティ導入プロジェクト
(通称上山集楽みんなのモビリティプロジェクト)
助成先:NPO法人 みんなの集落研究所
NPO法人 英田上山棚田団
協力団体:美作市役所、岡山大学、岡山NPOセンター、地域住民等
助成期間:約4年間
助成金額(見込み):2億2千万円
主な取組み:
経済的持続性を確保した中山間地域の移動の仕組の構築
中山間地に適した超小型モビリティの導入・改良等

TMFは、2014年8月の設立以来、豊かなモビリティ社会の実現とモビリティ格差の解消に貢献することを目的に、タイやベトナムでの交通渋滞緩和に関するプロジェクトを助成するなど、世界のモビリティ分野における課題に取り組んでいる。

今後も、トヨタの技術・安全・環境に関する専門知識を活用しながら、大学や政府、NPOや調査研究機関等と連携し、都市部の交通課題の解消、パーソナル・モビリティ活用の拡大、次世代モビリティ開発に資する研究などの取り組みをさらに拡大していくとしている。

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