東洋ゴム工業、社内に向けて2016年の年頭訓示を通達


東洋ゴム工業株式会社(本社:大阪府大阪市西区江戸堀、代表取締役社長:清水隆史、以下、東洋ゴム)では1月4日、2016年始業にあたり、代表取締役社長・清水隆史氏より、社内へ向けて以下の年頭訓示を行った。

【社長訓示要約】
残念ながら、昨年、当社は二度も大きな不祥事を起こした。この問題に端を発し、今なお多くの皆様に多大なご迷惑をおかけしている状態にあるということを、全役員・全従業員はひと時も忘れてはならない。

2007年断熱パネル問題から数え、三たび重なった一連の不正の背景には、過去の問題発覚後に全社での十分な反省を欠き、再発防止への意識に甘さがあったこと、お客様のご要望にお応えするために本来あるべき組織体制、管理体制に不備があったこと、企業人として当然有すべき倫理観や責任感が欠如していたことが挙げられる。そして、それを許容してきた会社の土壌があったと言わざるをえない。

今、かつてない厳しい目で当社グループの一挙手一投足が注目されている。本年は失った信頼をもう一度取り戻す、まさに正念場の一年となる。免震ゴム・防振ゴム問題の早期解決への道筋をつけ、一連の問題に対する再発防止策に全社を挙げて取り組まねばならない。

昨年は「中期経営計画’14」の重要な折返し地点であり、成長・収益市場への事業拡大、供給能力の加速的な増強、販売力とブランド戦略の強化、差別化技術の構築などに取り組み、その成果を過去最高益というかたちで打ち立てることを予想している。

しかし、それら大半はさまざまな対処・対策費用として充てなければならなくなる可能性がある。さらに中国、新興国の景気低迷、販売価格下落等の事業環境リスクを考えた時、決して悠長に構えることはできない。

2016年を東洋ゴム工業の最終年度にしてはならない、という覚悟と危機意識を全社の隅々にまで浸透させ、この難局を打開しなければならない。

人は苦境に陥った時にこそ、その人の真価が問われる。人の集まりである組織も同様。苦境に真正面から向き合い、スピードを持ち、底力を出して対処していこう。

「何としても会社を良くしたい」、「不正をしない・させない・やらせない」という全役員・全従業員の想いが必要。一人ひとりが各々の仕事の原点に回帰し、原理原則に基づいてやるべきことを誠実・確実に行おう。

本年の私たちこそが将来の東洋ゴムグループの礎になると信じて力を合わせ、正しい事業経営と信頼回復、風土改革に全力を注いでいこう。

以上