J.D. パワー、2016年インド自動二輪車魅力度調査


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インドの自動二輪車商品魅力度、装備品自体の品質と特徴の理解が鍵

株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(代表取締役社長 鈴木郁、以下、J.D. パワー)の2016年インド自動二輪車商品魅力度(2-Wheeler Automotive Performance, Execution and Layout、略称2WAPEAL)調査SMによると、当地に於いては、品質とセールス担当者による特徴についての十分な説明が、自動二輪車の商品魅力度に影響を及ぼしていることが明らかになったと云う。

インドの自動二輪車APEAL調査は、新車の商品魅力度を調べる業界のベンチマーク調査だ。

この調査は、自動二輪車を新車で購入後2~6ヶ月が経過したユーザーを対象に、自動二輪車の性能やデザインなどの商品魅力度に関する評価を測定する目的で行なっている。

二輪車の特性を「コントロールスイッチ/ロック」、「エンジン/トランスミッション性能」、「燃費」、「外観/スタイリング」、「乗り心地/ハンドリング性能」、「シート」の6カテゴリーに分類し、合計33項目について実際に所有しているモデルを評価してもらう。商品魅力度を示す総合APEALスコアは1,000ポイント満点で表され、スコアが高いほど満足度が高いことを示す。

同調査で、装備が10以下のモデルに対するAPEALスコアは平均で849ポイントと、装備が11以上のモデル(825ポイント)よりも24ポイント高かった。

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これは、装備が11以上の自動二輪車のユーザーが初期段階で経験する不具合 (260 PP100)が、装備が10以下のモデル(138 PP100)と比べて122 PP100 も高いという事実に起因している。

さらに、装備が11以上のモデルでは、ユーザーの12%が自動二輪車の装備と利点についてセールス担当者から説明を受けなかったと答えている。

このようなユーザーの満足度(775ポイント)は、装備について説明を受けたユーザー(832ポイント)と比べて大幅に低くなる。

J.D. パワーのシンガポールのエグゼクティブディレクターであるモヒット・アローラ氏は、「自動二輪車のメーカーは、豊富な装備を提供して製品の差別化を図ろうとしているが、装備の品質は顧客を満足させるにあたり極めて重要である。

OEM は、新しい装備は最適な品質で提供し、新車の納品時にその機能について顧客に効果的に伝える必要がある」と述べている。

主な調査結果
●自動二輪車の総合APEALスコアは846ポイントで、2015年から2ポイント低下した。セグメント別では、スクーターのAPEALスコアは平均で846ポイント、モーターサイクルは847ポイントだった。

●今年の調査では、自動二輪車のユーザーの62%が11以上の装備が望ましいと回答している一方で、11以上の装備の車両を所有している割合は10%と低かった。

●APEALスコアとユーザーが想定している新車の所有期間には強い相関関係がある。スコアが非常に高いユーザー(931ポイント以上)では、73%が現在の車両を5年以上所有したいと答えている。その一方で、非常に低いユーザー(794ポイント以下)ではその割合は61%と低かった。

●さらに、APEALスコアとブランドロイヤルティおよび推奨意向にも強い相関関係がある。APEALスコアが非常に高いユーザーでは、75%が「必ず」同じモデルを友人や親せきに推奨すると答えているが、満足度が非常に低いユーザーではこの割合は34%に低下する。

「商品魅力評価の高い自動二輪車のユーザーは、5年以上車両を所有する傾向にある。これは、顧客との長期にわたる関係となり、メーカーはこれを認識する必要がある」と、J.D. パワーのシンガポールのディレクターであるコースタフ・ロイ氏は述べている。

セグメント別ランキング
●受賞対象となったセグメントは、スクーター(エグゼクティブ)およびモーターサイクル(エコノミー、エグゼクティブ、アッパー・エグゼクティブ、プレミアム)である。

●スクーターセグメントでは、TVS・ゼスト110(875)がエグゼクティブモデルで1位だった。

●モーターサイクルセグメントでは、TVS・スターシティープラス(863)がエコノミーモデルで、ホンダ・CBシャイン(850)がエグゼクティブモデルで1位だった。ホンダ・CBユニコーンと新製品のスズキ・ジクサー(865)はアッパー・エグゼクティブモデルで同率1位、新製品のホンダ・CBユニコーン160(872)はプレミアムモデルで1位だった。

※ 2016年インド自動二輪車商品魅力度(2WAPEAL)調査は、2015年3月から10月までに新車を購入した9,283人から回答を得た。調査対象の自動二輪車は全10ブランド、87モデルである。今年は、2015年9月から12月にかけてインドの 44都市で調査を実施した。