日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)は2月10日、2015年度第3四半期(10月~12月の3ヵ月間)、及び同第3四半期累計(4月~12月の9ヵ月間)の決算を発表した。
それによると、北米と西欧販売が比較的好調に推移し、その他、複数の新興市場の低迷を補ったことから、該当期純利益として4,528億円を計上した。
2015年度第3四半期累計の営業利益は5,875億円に増加し、売上高営業利益率は6.6%となった。売上高は前年同期から10.6%増の8兆9,430億円となっている。
日産の社長兼CEOのカルロス ゴーン氏は、「北米と西欧では新車攻勢が実り、活発な需要と台数増が当社の利益成長を支えました。
また、これらの市場における好調な販売が、新興国通貨安とその他地域の厳しい市況による減益要因を打ち消しました」と述べた。
中国合弁会社の業績を比例連結したベース数値では、2015年度第3四半期累計の売上高は、前年同期から10.5%増の9兆7,169億円となった。
営業利益は、前年同期から32.1%増の6,826億円に達し、売上高営業利益率は7.0%となっている。
この営業利益増は、主に販売費用の増加による減益があった反面、販売台数の増加や購買コスト削減等によって生み出されたものとしている。
なお営業外損益は435億円の利益となり、前年同累計期間に比べ350億円減少したが、これは主に為替差損益の悪化によるものとしている。
結果、経常利益は6,310億円となり、前年同累計期間に比べ1,346億円(27.1%)の増益となった。併せて特別損益は178億円の損失となり、前年同累計期間に比べ118億円悪化した。
総資産は、前連結会計年度末(平成27年3月31日)に比べて6,813億円(4.0%)増加し、17兆7,270億円となったが、これは主として受取手形及び売掛金が2,146億円減少した反面、販売金融債権が5,960億円、機械装置及び運搬具(純額)が1,845億円それぞれ増加したことによる。
負債は、前連結会計年度末(平成27年3月31日)に比べ5,853億円(5.0%)増加し、12兆3,837億円となった。
これは主に1年内償還予定を含む社債が263億円減少した反面、1年内返済予定を含む長期借入金及び短期借入金が5,274億円、コマーシャル・ペーパーが2,858億円それぞれ増加したことによる。
純資産は、前連結会計年度末(平成27年3月31日)に比べて960億円(1.8%)増加し、5兆3,433億円となったが、これは主として為替換算調整勘定(損)が1,756億円増加した反面、利益剰余金が2,955億円増加したことによる。
一方、販売面に於いては、2015年度第3四半期累計の当社のグローバル販売台数で対前年比1.4%増の389万台であった。
これについてゴーン氏は、「米国と一部の欧州市場における上々な売れ行きに加え、継続的なコスト管理の徹底とアライアンス戦略の効果により、日産は2015年度通期予想達成に向かって順調に進んでいます」とコメントしている。
2015年度の見通し
2015年度上期決算発表で修正した通期予測に変更はなかった。2015年11月2日に東京証券取引所に届け出た中国の合弁会社を持分法で連結した2015年度(2016年3月期)の業績予想は次の通り。
なお通期の事業環境は引き続き不透明であり、様々なリスクに対処すべく、引き続き市場の動向を注視していくとしている。
注1)2013年度から中国の合弁会社 東風汽車有限公司の連結方法が変わり、持分法が適用されている。
同会計基準では、連結当期純利益に変化はないものの、連結売上高や連結営業利益には東風汽車の数値は含まれなくなった。
注2)親会社株主に帰属する当期純利益である。