トヨタ自動車、産油国UAEの現地4社と燃料電池車「MIRAI(ミライ)」による運用実験を開始


アラブ首長国連邦マスダール社・アブダビ国営石油会・エア・リキード社・アルフタイム・モータース社と共同研究で合意

トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田章男、以下 トヨタ)は、アラブ首長国連邦(以下、UAE)での持続可能な低炭素社会づくりに向けた水素利用の可能性を探るため、アラブ首長国連邦マスダール社、アブダビ国営石油会社(ADNOC)、エア・リキード社、トヨタの現地ディストリビューターであるアルフタイム・モータース社とともに、共同研究を行うことで合意した。

また、その研究活動の一環として、本年5月より燃料電池車MIRAI(ミライ)を使用した現地での走行・充填などに関する実証実験を開始する。

今回の合意は、1月16日にアブダビ サスティナビリティ ウィーク開幕日に開催のアブダビ・グローバル・アクション・デー(*1)で発表されたもので、今後、水素製造、物流、スケールの拡大、事業成立性といった様々な課題に対する研究を共同で進めていくもの。

(*1)アブダビ・グローバル・アクション・デーとは、環境技術に関する世界最大規模の展示会であるアブダビ・サスティナビリティ・ウィークのオープニングイベント。

気候変動に関する国際的枠組みであるパリ気候協定、及び「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の目標達成に向け、政府と企業が踏むべきステップに焦点を当てている。

なお実際の燃料電池車両の運用では、本年5月に設置する水素ステーションを使用し、高温となる気候下での様々な走行試験や充填などに関する試験を行うほか、UAEの政府関係者やオピニオンリーダーへの短期的なリースなどを通じ、燃料電池車や水素社会へのさらなる理解促進を図っていく。

先のアブダビ・グローバル・アクション・デーにて、講演を行ったトヨタ自動車代表取締役会長の内山田竹志氏は、「UAEは、石油精製所での既存水素製造設備の余剰能力や、苛性ソーダ工場等における副産物としての水素の利用、更にはメガソーラー・パワーステーションの活用により、豊富な水素製造を行える潜在力がある。

UAE政府のイニシアチブのもと、水素社会づくりを推進する事により、UAEが次世代クリーンエネルギーのリーダーとなる可能性がある」と語った。

産油国であり原油生産が基幹産業であるUAE政府は、国家ビジョンである“UAE Vision 2021”のもと、大気汚染の改善、クリーンエネルギーの利用拡大、インフラクオリティ世界一などを目指すプロジェクトを現在進めている。

今回の共同研究は、UAEの国家プロジェクトでゼロ・エミッションを目指し建設中が進んでいる環境未来都市「マスダールシティ」にて、今後の水素活用の可能性を探るもの。

マスダール社のモハメド・アルラマヒCEOは「トヨタは自動車のクリーンテクノロジーで最も革新的な企業のひとつであり、ADNOC、エア・リキード社、マスダール研究所、アルフタイム・モータース社とともに共同研究を進められることを嬉しく思う。

水素の活用は、2050年までに低炭素エネルギー比率を50%とするUAEの目標にも貢献することができる」と述べた。